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元悪役令嬢は、まだ恋を知らない  作者: 黒霧依織


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第八話 今現在のミカエリス

タツキがシグルド王国で、幸せな日々を送っている頃

ミカエリス王国はというとー。


かつてハヤトが精霊たちを怒らせたことで

膨大なダメージを負った国政を立て直していた。


それに加え、没落した商人がシグルドで

タツキに付きまとい、精神的に病ませてしまった。


「タツキ嬢は、エゴのせいで全てを

奪われた被害者だ。それなのに、国を追われた

後まで我が国の悪意が彼女を苦しめ、

精神を病ませてしまうなど…。」


「シグルドで、あの男は完全に処理されたそうです。

タツキ嬢の心も、ヒカルの看病と精霊の力で

奇跡的に回復したと聞いてホッとしていますが……。

我が国はどれだけ罪を重ねれば気が済むんだ…」


思わず頭を抱えたが…


「父上、ハヤトの残党、およびシグルドの裏社会と

繋がっていた没落商人たちの資産を

すべて没収してください。一銭たりとも残さず

彼らが隠し持っていた裏帳簿の資産を暴くのです。

幸い、かつてタツキ嬢が残してくれた物があります。

あれを使えば、役人どもの不正など一発で見抜ける」


「ああ、分かっている。タツキ嬢の知恵だ

必ずや有効に使わせてもらう」


これまでのミカエリス王国であれば

特権階級の貴族たちが

私腹を肥やすために民を虐げていたが

ショウタの新体制は違った。


没収した商人の財産や隠し資産は

すべて民たちの救済へとダイレクトに回されたのだ。


城下の広場では、ショウタの熱意に応えるように

平民や職人たちが一丸となって

国の復興へと立ち上がっていた。

かつてハヤトが「悪役令嬢」として追放したタツキが

この国を裏で支えていたことを民は知っていた。


だからこそ、民はタツキへの贖罪(しょくざい)の気持ちを込めて

この大地を豊かにしようと、働いていたのだ。


その甲斐あって、東部の土地は

職人ギルドと国民のおかげで

当初、予定していた半分の期間の目処が立ったのだ。


少しずつではあるが、

以前のミカエリスとは全く違うことで

精霊たちも祝福を届けているのである。



ミカエリスの完全復活は近いだろう


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