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元悪役令嬢は、まだ恋を知らない  作者: 黒霧依織


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15/15

久々にヒカルの部屋から出た、タツキ。

あれが、気分転換になったようで

少しずつ部屋から出るようになった。


その中でもお気に入りなのは、王宮の庭園


大きな桜の木が植えられていたり

紫陽花やバラなど、色々な花が植えられている。


日向ぼっこしながら、たまに寝ていたりするのだ。


今日も庭園で、長椅子に座りながら

少しだけ寝ていたら

何処からか、子猫二匹が迷い込んでいたらしく

いつの間にか、長椅子まで来ていた。


「…みゃー」

「みゃう」


「…え?子猫…?どうして…」


一匹は、真っ白い毛色の子で

もう一匹は、真っ黒な毛色の子だった。


その子猫たちは、タツキに怯えることなく

タツキの膝の上によじ登ってきた。


「かわいい…」

自然と笑顔になるタツキ。

子猫たちは指先にちいさな鼻先を押し付け

ごろごろと喉を鳴らして、寝てしまった。


ウンディーネも、二人の可愛さに

悶絶していた。


知らないうちに、公務を終えた

ヒカルも合流し、子猫たちを愛でていた




しかし、この三人?は全く気付いていないのだが

二匹の子猫、実は光と闇の最高位精霊なのである。


ルミエとシェーダは二人でいる事が多く

今回は、タツキの心の傷が二人を呼んだのだ。



めったに精霊の国から出てこないので

ほぼ、伝説の生き物。


そんな二人が、子猫なんて

誰も想像していないだろう。




その日の夜

タツキとヒカルが熟睡している隙に

ルミエとシェーダは

タツキの心の整理を掛けた。


絶望や悪役令嬢などのトラウマの要因を

ルミエの優しい光で鋭さを削り取り、

シェーダの闇の霧で

悪夢を見せていた残像を無へ返していく。


ずっとタツキの眉間にしわが寄っていたが

二人のおかげで、タツキ本来の綺麗な寝顔へ

戻ったのである。


⦅これで、悪夢に怯えることはないわ。

隣で寝ている彼に少しの『お礼』をしましょう⦆


そういって、ルミエはヒカルに

『タツキが心から笑える未來』を予知夢として


シェーダは

ヒカルの焦燥感と罪悪感を優しく吸い上げ

彼の中から消し去った。




翌日、すやすやと眠る愛おしい彼女を抱きしめる

ヒカルの姿があったそうな。

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