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5. 開店準備

連続再開!

 俺は秋傘隼人、ただの喫茶の店員だ。

 ここは本当に色んな人が来る。

 街のご老人、帰り際の高校生、休憩中のサラリーマンなど、人目につきにくくても客はけっこういる。

 常連さんが座る席はほぼ一緒だしどのメニューが好きかも覚えているが、あまり客と会話はしない方だと思う。

 今日はいつにも増して通勤のスピードが速い。家を出てからずっと全力疾走である。

 なぜかって?

 今は午前五時半。いつもなら開店準備をしているはずの時間である。

 が、

 (やばいやばい終わった!アラームつけてたのに無意識で消してた!)

 そう、大遅刻をしていた。

 昨日のプチ騒動もあってか、よくも悪くも昨日はとんでもなく深く寝ていたのだ。そして、アラームの音に気づけないで、しかも無意識で消していたのである。

 ここからビルまで5分、着替えて在庫確認に25分、清掃に10分。このままでは10分ほど遅れてしまうのである。

 「あー。あの時ベッドにINしなければよかった。」

 今更すぎる後悔をつぶやきながら店の裏口から倉庫に入り、在庫確認してから着替えた。そしていくら遅れていてもサボってはいけない掃除をやって、用具を片付けたら6時7分だった。

 幸い人はいない。

 「あ〜〜まにあったあ〜」

 後ろだけ声が裏返ってしまった。慌ててあたりを見渡しても人はいない。

 (いや、間に合ってない。全然)

 自分の発言にツッコミを入れつつ、最初の常連さんが来る前に仕込みを再開するのであった。


◆◯◆◯◆◯◆◯◆


 12時半。会社員の昼休憩真っ只中。ここに昼飯を食べに来る人で席の2分の1が埋まる。

 開店当初から軽食としてある程度人気のあるサンドイッチは毎日1日分売り切れてしまうが、だからといって増やすと売れ残って昼と夜に大変なことになるため、最後の方に来た人には悪いが一日に出せる量を増やすことはできないのである。そのため、1時半くらいに来る人はいつも他の軽食などを注文している。

 しかし、たまにサンドイッチが残っているにもかかわらず。他の軽食などを注文する人もいる。

 (まあ、一人ひとり好きななものはあるだろうな)

 そんなことを妄想しているとドアに取り付けてあるベルがなった。

 「こんにちわ~」

 「いらっしゃいませ。ご自由なお席へどうぞ。」

 たとえば今入ってきた彼女は、ケーキセットができてからというもののずっとそれを頼んでいる。

 「注文お願いします。」

 「はい、ただいま」

 「いつもので!」

 彼女の「いつもの」はミルクティーとパンケーキを指していて、最初に言われたときはかなり困惑してしまった。

 「かしこまりました。ミルクティーとパンケーキですね。」

 いつも通りに返す。この作業も最初はもたついていたが、今はもう慣れっこである。

 すぐにカウンターへ戻り、ミルクティーを作るために手鍋を出し、水をわかせている間に、ケーキの準備をしようとショーケースの中を覗くと、

 (やべ、もうすぐ無くなる。)

 ケーキの量が少なくなっていた。

 今から作ろうにも時間がないし、あと45分程で客も減ってくる。その時に追加で作ろうと考えてとりあえずパンケーキを取り出してミルクティーと一緒に持っていった。

 「お待たせしました。ミルクティーとパンケーキです。」

 「ありがとうございます!」

 無事に届けれた。しばらくなにもやることがないのでとりあえずカウンターに戻って休むことにした。

 そして、

 「会計お願いします」

 「はい。ただいま。」

 他のお客さんが会計を済ませて帰っていった。

 (今日はできるだけ早く帰って早めに寝よ)

 そう決意したのであった。


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