表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

第四章 ラノベ作家は森に消える

おまたせしました。

随分こちらでは御無沙汰ですね。

まあ、誰も読んでくれないと思いますがこの作品だけは完成させたいという気持ちはあります。

というか、ブログでも言ってますが誤字脱字や変な日本語は随時修正して行きます。もちろん。これを上げる前に確認はしましたけどね。

 俺はどこ? ここはダレ?

 木々の隙間から差し込む日差しは、私の顔を突き刺し、起こしてくれた。どうやら気を失っていたようだ。

 俺、私、僕…あれ?

 俺は誰だ?

 そうだ。俺は【小林ゆう】だ。

 でもそれとは別にもう一つ名前を持っていた気がするが、それが思い出せない。

 そもそも【小林ゆう】とは本当に俺の名前なのか? 教えてくれ小林ゆうよ…。

 次に俺は身なりを確認した。

 俺が着ている迷彩服は森の中ではカモフラージュ率が上がるウッドランド迷彩。いかにも戦争していましたって感じの…俺、もしかして戦争中だったのか?

 そして、自分の所持品も確認。迷彩服を着ているが武装はしていない。コンバットナイフすら持っていない。本当に俺は戦争をしていたのか? 唯一ポケットの中から携帯端末を発見。インターネットが見られるやや大きめの携帯だ。詳しく見るには時間がかかりそう…。それ以外は何もなかった。奪われたのか? 分からない…。

 とりあえずそんなことはどうでもいい。俺は今ものすごく混乱している。小さいころに母上からはぐれて迷子になった記憶がある。それと同じ気分だ。

 俺は誰かと行動していたのか? それは友? 恋人? それともライバル? わからない…。

 俺は周囲を見渡す。見渡す限り木々で満ちている。どこかの森のなかのようだが、何でここにいるのかさえ分からない。

 まあいい。分からないことは後で考えれば良い…俺はどうやらポジティブな性格のようだ。そんなことを思っていると心が軽くなり考えるのをやめる。大したこともない事なのに、なぜかそれで全てが解決できてしまった。

 さあ移動しよう。俺はこんなところに理由無くして訪れている訳ではないはずだ。

 こうして俺は、この迷路のような森林地帯をしばらく彷徨った。色々な植物を見ていると何かを思い出しそうだが何も思い出せない。しかし何も無いところだ。けっこう歩いたけど、これは本格的にまずいな…

「っと、その前にトイレトイレ~」

 深いジャングルの中に、たまたま設置してあった公衆トイレを発見したので直ちに個室に入り、小便をした。

 47秒きちんと手を洗い、トイレから去ろうとした。

 だか、俺はそこで重要な事実に気が付いた。誰かが来る足音がさっきからしているのだ。

 こんな森の中にいるのは敵か味方かのどちらかしか考えられない! 俺は息を殺して、再び個室トイレに隠れた。そしてドアを閉めて、ちゃんとカギをかけた。これで大丈夫だろう。

 30秒ぐらい経っただろうか? 誰かがトイレに入ってきた。

「あ~かったり~な~」

「午後の授業サボっちゃうか」

 そんな会話が聞こえた。まるで学友同士でする会話だ。

「午後は実践の訓練だっけ?」

「ああ、実弾を使うらしいな。まぁ、俺達はサボるけどね」

 兵隊学校か?

「そんな事より“MARIA様が眺めてる(18巻)”持って来たんか? それ読んでサボリ時間つぶすから」

 うっ!

 なんか…今電気が走った。

 頭が痛い。

 さっき言った“MARIA様が眺めてる”というのが気になった。

 良い気分ではない…恐怖を感じているし何か苦いものを感じる。本のタイトルか? “MARIA様が眺めてる”とか言ったかな? 俺はポケットから携帯端末を取り出すと、徐にインターネット検索で調べた。

 “マリア”と入力したらすぐに予測単語がずらりと出たが、一番先頭が“MARIA様が眺めてる”だった。


 『MARIA様が眺めてる』とは“小林ゆう”の小説である。


 唖然とした。

 俺が『MARIA様が眺めてる』の作者だというのは分かった。しかし何か重要なことを思い出せない。苦しい…。このもどかしさ……いや違う、なにか急いでいたそんな気がする。

 俺は徐に“小林ゆう”の部分をタッチした。

 

 小林 ゆう(小林 ゆう、女性)は日本の小説家。群馬県出身。

 -人物-

 小学校在学中の1990年、第133回雷電小説大賞にて投稿作「俺の女が行方不明」が最終選考に残り、同作を『彼氏彼女募集』へと改題・改稿し、翌年の1991年に、ハスキーワースクの発行する雷電文庫より小説家としてデビューする。

 影響を受けた作家として太宰治、三島有紀夫、深沢美潮、を挙げている。

 作風として、ゲーム、アニメ、漫画といった他メディア作品からの引用、パロディを含んだ軽妙な表現を特徴とする。また作中にはやたらと女性を多く出すことから“百合女子”と呼ばれることもある。


 ………

 俺はそこで読むのをやめた。

 俺が女性の作家だって? ありえない! 俺は男だ。ちゃんと付いているほら! 

 ということは同姓同名か? 今の検索で、同姓同名の作家がいるって事ぐらいしか解らなかった…。

 いや、本当に同姓同名なのか? あるいは何か重要なことを忘れている感じがする。記憶が戻らないと話にならない。

 というか、俺はこんなところに何をしに来たのだ?

 もう分けが分からない。いつの間にか先ほどの学生達は居なくなっていた。

 まあ、考えてもしょうがない。トイレから出て、先程の学生達の後を追うことにした。

 慌てて後を追ったせいで、俺は手を洗い直すという重要なミスを犯してしまった。

 

 彼らの目的地はすぐにたどり着いた。

 茂みに身を隠し、観察開始。

 10メートル程目の前にあるのは、コンクリートらしき外壁で覆われている建物だ。さっきの学生らしき人達は、兵隊だったのか? 授業とか言っていたが、野外訓練でもしているのだろうか? それにしても彼らの行動はとても任務をしているとは思えない。暇すぎてサボっているようにしか見えない。2人のうち1人は先程要求していた本を読み、もう一人は大の字で居眠りを始めている。

 もう訳が解らない。かといってここで…。

「やあ~ 俺は怪しい者じゃ無いよ~ ただの迷子さ」

 なんて言いながら、彼らの前に姿を表すのは無理だ。

 しかしあの建物がとても気になる。

 他にも人がいるのだろうか? 推測するに数名の訓練生と教官ってところだろうか…。

 いや待てよ…教官は居なんじゃないか? あんだけサボっているということは、少なくとも彼らの回りには厳しく、そしてうるさい上官は居ないということにならないか?

 ますます謎だ…。

 となると俺が一番気にして居るのがあの建物の内部だ。外見が大きくみえるが、構造的に内部は3から4部屋ぐらいと予想できる。

 茂みで音を立てないように、俺はその建物を一周する。

 建物の両サイドに窓が一つずつあるが、木箱のような物が積まれているのしか確認できない。そして裏口発見。

 裏口と茂みからは2メートルぐらいしかないので、思い切ってドアに張り付き、聞き耳を立てる。

 驚くほど静かだった。風が無いので葉音すら聞こえない。

 逆にこちらの音が漏れていないか不安にもなる。

 どうしようか? 入って見るか? 俺は激しく迷った。

 しかし、こうしてドアに張り付いている間に誰か来たらと思うと一瞬だった。迷いは長かったが、決断は早かった。ドアを少しだけ開ける。中を覗くのではない、こうやって開けることで中の反応を見るのだ。ドア付近に人がいれば何かすら起こる。

 しかし、予想以上に中も静かだった。

 なんだ? 誰もいないのか? あるいは罠?

 色々と考えたがとりあえず隙間から覗くことにした。

 結論から言えば人はいなかった。だから俺は普通に侵入をした。侵入したが罠の類いもない。要するに何もない。有るのは大量の木箱が二段重ねである程度の列を作って置かれていただけだった。

 次にこの建物。俺は部屋がいくつか有るのかと思っていたがそうではなかった。この建物が一つの部屋…つまり倉庫のようなものだったのだ。

 裏口から侵入して入り口と思われるドア付近に接近。

「次の入荷はいつだっけ~」

「1週間後だ」

「暇だな~」

 先程の奴らだろうか? このドアを開ける訳にはいかないだろう…。というか、彼らは本当に学生なのか?

 この建物…いや、倉庫の中に人がいないことは分かった。となると、ここに居るのは彼らだけということになる。

 次にこの木箱。中身は何だろう…開けて見るか? 

 しかしこの木箱を開けるのに、素手では無理があるだろう。なにかあれば開けられるんだろうけど…それらしき道具もない。そして武器も無い。

 どうするか考えていた時だった。

 ドカーーーーン!

 突然遠くから爆発音がした。それとほぼ同時に地鳴りが発生し、俺は思わずよろけながら膝を床につけた。

「なんなんだ今のは!」

「おい見ろ! 南の方から煙が出てるぞ!」

 そんな声が聞こえた。

 南のほうで何かが始まったようだ…

 俺はこの混乱を利用してこの建物から離脱しようとした。しかし、この箱の中身がどうしても気になった。だから、この混乱を利用して木箱を破壊できないかと考え始めた。

 木箱は、枠組み部分は太く頑丈にできているものの、側面は板一枚のような気がしてならなかった。というかそれを確認したかった。

 仕方ない…

「うらあぁああ!」

 ドン! ドン! ドゴッ!

 俺は力いっぱいに夢いっぱいの箱に向かって蹴をいれた。脆そうな側面をぶち壊すためだ。

 ドン! バキッ! ドゴッ!

 箱は結構頑丈だったが、それでも6発ほど蹴をいれたところで板の一部に亀裂が走った。そして…

 バキッ

 板の一部に穴が空いた。我ながら乱暴なやり方だ…。

 だが、俺はその一部の穴だけで十分理解できた。そして、俺がこの場所に来た理由も思い出した。

 俺は、全てを思い出した。

 思い出して気持ち悪くなって、さけんだ。

「あああああああああああああああ」

 叫んでサケンデさけんでその場にうずくまった。

 この場所が敵地だというのを忘れてうずくまっていた。

 幸いにも、そんな俺に気が付いて攻撃する敵はいなかった。いや、そもそも敵兵の声すら聞こえなくなっていた。

 俺は深呼吸して自分を落ち着かせようとしていた。出来ることならさっさとこの倉庫を“燃やしてやりたい”と思っていたからだ。そうだ、それが俺の最終的な目的である。奴のため…“小林ゆう”の為にも!

 敵兵の声が先程からしないのが気になったので、俺は正面のドアを開けた。躊躇なくおもいっきりだ。

 見つかるとかそんなことはもうどうでも良くなった。記憶を思い出した俺はもう何も怖くない。

 ところが、そこには兵の姿など誰一人としていなかった。

 なんだよ…みんないなくなったのか? しかしそれは好都合だ。さっさとこんな物すべて燃やしてやる。

 だが、俺は重要な事を忘れていた。火が無い! 火が無ければ燃やすこともできない。

 そう考えながら俺は周囲を探索した。が、水しかない。なぜかミネラルウォーターはいっぱいあった。

 ふと空を見上げると、南の方から煙が出ているのがすぐに分かった。こんな森の中でも分かるぐらいの高い煙だった。というか、あれほど目立つ煙なのに今頃気が付くとは…俺は相当錯乱していたようだ。

 ここにいた敵兵は向こうの様子でも見に行ったのだろうか?

 火も無いしこの倉庫も燃やせない。ここに居る意味が無くなったので、俺はやじ馬のように煙の方へと向かった。

 ………。

 煙の出所はここから遠く感じたが、小走りですぐの場所だった。出火元と思われる建物があり、一部だけが焦げていたが、辺りには煙が充満していた。その中で兵共はその建物の中を注意深く外から観察していた。

 何をしているのだろうと疑問に思ったがどうでもよかった。

 視界が悪いという有利な状況を利用して、俺は適当にそこにいた兵の一人のポケットからライターを盗んだ。いや、拝借したでいいかな。

 すぐさま元の倉庫に戻る。あの建物で何があったのか? そんなことはもう興味が無かった。

 先程通った道を急ぐように戻る。もちろん敵兵などいない。というか、この時の俺は、早く戻りたいという気持ちが先行していて、すっかり警戒心など無くなっていたのだ。

 倉庫へ戻ると正面から堂々と入った。見張りなんていない。

 先程半壊させた木箱を押し倒す。出てきたのは俺が苦労して書いた小説『MARIA様が眺めてる』の在庫だった。厳密に言えばこれは…

 俺は息を殺した。誰かがいる!? 

 先程の音でこちらに近づいてきたのだ。

 くそっ! しくじったか!?

 俺は素早く木箱の陰に隠れた。そう言えば武器が無い。先程の敵兵から奪えばよかったと後悔している。

 手に何かいい感触…木箱の破片だ。手刀ぐらいの大きさだが十分だ。

 コト コト コト……

 足音が近づいてくる。俺の心臓が相手に聞こえそうなぐらい鳴っていた。刹那。

「そこにいるのは誰?」

「ファッ!」

 思わず変な声を出してしまった。声の主は女か!?

 声を出してしまったので仕方なく姿を現した。いや、相手が男だったら間違いなく逃げていただろう。

 だが、それが俺の敗因だった…男でも女でも逃げればよかったのだ。

「あら? はじめまして。小林ゆうさん」

「!?」

 俺はわかりやすいほど驚いていた。そりゃそうだ。俺の顔を知っている人なんて家族ぐらいしかいない。出版社の関係者ですら俺の顔なんて知らないのだから。

「あんた…何者だ!」

「私の名前は…そうね。仮に“ツンデレ”とでも名乗っておきましょうか?」

 汗が止まらない…ここはさほど暑くはないのに洪水のように額から汗が出ている。そのせいで、相手の顔がまともに見られない…。せめてその顔を拝んでから―

 バン!

 何の音だか理解するまで5秒はかかった。

 5秒は俺の意識があった。

 でも、俺は…もう理解していた。

 額の風通しが良くなっていることが。

 そして“ツンデレ”は赤く染まっていた。手も顔も…。

 バタン!


 五章へ続く

ここまで読んでくれてありがとうです。

だんだん関係性が見えてきましたね。

でも、ここまで登場人物を殺しておいて生きている主人公もいます。

それは誰かな~

さて、次回はいつになるだろうね~

夏? まあ、気長にお待ちください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ