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雨で水没した街の本屋
雨で水没した街の
本屋にお邪魔する夢を見た
ページはすべて蝶の羽
言葉が泡になって浮かんでいた
店員さんは知っている女性
ソファーに腰かけるような体勢で
ぷかぷかしながら本を読んでいた
本屋の外に出ると
マンホールから水があふれて
蓋が上方に吹き飛び、辞書が積み上がって塔になった
雲の上にある辞書の塔の窓に
鳥が現れてカーテンを啄んだ
さっきの店員さんがその窓辺にもいて
いつのまにか鳥になっているぼくを眺めていた
雨で水没した街の本屋の
近くの辞書の塔の窓の夢




