第18話「増築依頼」
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畑仕事が終わって食事をし、午後となった……
ダンとスオメタルは『戸締り』をして、珍しく魔境の外へ出た。
行き先はヴァレンタイン王国王都……ではない。
魔境と国境を接する、ドワーフことドヴェルグ族の巨大な地下国家、
イングズの王都ザガズである。
このザガズに、城を造って貰った旧知の職人オルヴォ・ギルデンを訪ねたのである。
無論、ザガズの近くまで、転移魔法で跳んだのはいうまでもない。
入国も、最早馴染みであるダンの顔を見た門番がすぐに通してくれた。
オルヴォは店で、他の大勢の職人達と共に仕事をしていた。
店といっても人間が営む商会に近い規模の超大型店である。
このオルヴォは職人ギルドの長を兼任していて、年齢は200歳と少し。
背は約160cmで体重は100㎏、筋骨隆々。
硬い茶色の短髪で、顔の半分が同色の髭。
豪放磊落な性格で大の酒好きでもある。
「いよ~っ、ダン、スオメタルちゃん、久しぶりだな! ウチの城は役に立ってるかい!」
「ばっちりさ!」
「完璧でございます!」
「おお、それは良かった! で、わざわざこのザガズまで来るとは、今日は何の用だ?」
オルヴォに聞かれ、スオメタルは目くばせをした。
ダンから先に伝えて貰いたいらしい。
「オルヴォ、実は俺、この子と、スオメタルと結婚するんだ」
「はいっ! スオメタルは大好きなマスターと結婚するでございます!」
「おお、そうか……頑張れよ!」
オルヴォは……『スオメタルの秘密』を知っていた。
彼女の真の身体がこの世界のどこかに隠されている事も。
スオメタルには告げていないが……
もしも彼女の真の身体が発見された時、俺の命が尽きていたら、
力になってあげて欲しい。
ダンは、オルヴォへ頭を下げて頼み、多額の現金を渡してあった。
そんな経緯を知っているから、ダンがスオメタルと結婚すると聞き、
オルヴォはつい瞼の奥が熱くなる。
ドヴェルグ族は豪放磊落、酒好き、そして涙もろく情に厚いという。
このオルヴォは典型的なドヴェルグなのである。
「それで、ダンよ。具体的な頼みを言ってみな! スオメタルちゃんとの結婚祝いで超特大サービスしてやらあ!」
「おお、それは助かる! じゃあオルヴォのお言葉に甘えよう」
「わははは! どんと来~い!」
「オルヴォ、実は増築を考えているんだ! 世話になってるあの城と同じく、この店では《建売仕様》のいろいろなモノを売りだしていたよな?」
「おお、バンバン売ってるぞ!」
「高品質のオーダー品じゃなく、既製品、いや展示用のサンプル品で良いんだ。まとめて買うから安くしてくれないか?」
「了解だ! お前は転移魔法や収納魔法を使えるから、本日速攻お持ち帰りだよな?」
「速攻お持ち帰りって……ちょっと誤解を招くと思うぞ」
「ははははは、考え過ぎだって! お持ち帰りは運送代がかからん。その分も安くなるぜ! で、予算は?」
「ああ、金貨3,000枚だ!」
金貨3,000枚……
普通に考えれば結構な金額だが、ドヴェルグの作る建物の価値を考えれば、
充分とはいえない。
ちなみに、ダンとスオメタルの住んでいる小型の城も、金貨10万枚を支払っている。
しかしオルヴォは分厚い胸を「どん!」と叩いた。
「おっと! 思ったより少ないな! でも任せろ、ダン! 悪いようにはしない!」
「低予算で申しわけない! 助かる! 欲しいのは厨房設備付きの店舗、大型の宿舎、同じく倉庫、家畜小屋、中型の馬用厩舎、宿泊室&応接室付きの会議棟、そして牢獄だ」
「おお、店舗って! 何か売るのか?」
「まあ……いろいろ将来を考えて」
ダンはそう言うと、ちらとスオメタルを見た。
彼女は無言で優しく微笑んでいる。
大丈夫……突っ込みはない。
ダンはホッとした。
実は、いずれジャンク屋を再開しようと考えていたのである。
厨房設備付きにしたのはその方が使い勝手が良いと考えたからだ。
一方、オルヴォはうんうんと頷いている。
「ふむ! 会議棟とか、牢獄とか、えらく渋いのも入れてるじゃねぇか! よっし、トータルぴったし金貨3,000枚でオッケーだ。大は少を兼ねるっていうから全部大型にしといてやる! 但し、全部展示用のサンプル品だぞ!」
「大丈夫! 俺も自分で手直しする! 本当に助かるよ! ありがとう!!」
「良いって事よ! 我等ドヴェルグはお前に一族存亡の危機を救って貰った! その恩は一生忘れねぇ! そうだ! 例のみやげもたっぷり用意してある! 来たら渡そうと思ってた! 持ってってくれや! がっははははは!」
豪快に笑いながら……
見えないように涙をぬぐったオルヴォは、
口の中で「頑張れよ」と呟いていたのである。
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