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第17話「鍛えて来たスキル」

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 結局……

 《自称》人狼第三王子アルパッドは「ダン達の家臣&弟子にしてくれるまで、てこでも動かない!」と強引に居座ろうとした。

 

 最後には大の字になって四肢をバタバタさせた。

 まるで、おもちゃを買って貰えない子供のように駄々をこねたのである。

 

 なので、スオメタルの怒りが遂にどっか~んと大爆発!!

 「破壊する、殺戮《さつりく》する」と言い出し、戦闘スイッチが、

 完全オンになってしまった。


 「これは相当ヤバイ!」 と思ったダンが、

 転移魔法でアルパッドを速攻、強制送還してしまったとさ。

 ちゃんちゃん!


 しかし……

 ダンが設定したアルパッドの転移先は、人狼の巣というか、

 彼等の『ヤサ』である『人狼の里』にしたのは『親心』ではあった。

 かつて……

 某迷宮では石壁の中へ放り込んで即死させるという非情な魔法使いも居たというから。


 ちゃんちゃんと効果音は鳴ったが……

 それでも収まらないのがスオメタルである。

 

 元々アルパッドのずうずうしい態度に怒りを覚えていたのと、

 食べ物の恨みで更に火をつけられ……

 終いには居座り未遂&住み込み志願で大爆発!


「あいつはもう二度と駄目、ウチには永久に出入り禁止でございます!!!」

 

 超が付く怒り心頭のスオメタルから強烈にしっかりと釘を刺された。

 なので、ダンは仕方なく、対策として特殊な魔法結界を張りめぐらした。


 何と!

 アルパッドの魔力のみに反応させる仕様にし、

 城の敷地周辺周囲10㎞以内には、彼が入り込めないようにしたのである。

 少々可哀そうであったが……

 『家庭内の平和』には変えられない。


 スオメタルには、けしていえないが……

 ダンは、アルパッドに対し、そこまで怒りを憶えなかった。

 むしろ同情的である。

 多分、末っ子のアルパッドはズル賢い兄達に、またも無理やり命令されたのだろう。


 なので、


「お前は悪くない。悪いのはくそ兄貴どもだ、俺は怒ってると言っておけ」と、

 

 強制送還の際、ダンはアルパッドへ告げてあった。


 そんな『人狼押しかけ騒動』が何とか終わった翌日……

 ダンとスオメタルは開いて間もない畑で種まきや苗植えを行った。

 当然、春に作付けする野菜を植える事となる。

 

 ひと晩ダンに抱っこして貰ったスオメタルは、完全に機嫌が直っていた。

 

 笑顔に満ち溢れ、良く喋った。

 やる気もバッチリである。

 畑仕事を、結構楽しみにしていたらしい。


 何故楽しみにしていたのかは一目瞭然。

 それは収穫したモノを美味しく食べる事が出来るから。

 

 研究に研究を重ね、マニュアルも読み込み……

 不明な点は世界中の魔法工学士にこっそり聞いて回るなど……

 相当苦労したのだが……

 スオメタルを復活させた上、人間と同じ様々な機能を与える事が出来て、

 本当に良かったとダンは思っている。

 特に食の機能は人生を潤してくれ、活力にもなる。

 

 さてさて!

 スオメタルの予想通り、作付けしたいという野菜はどんどん増えた。

 

 畑はこれもスオメタルの提言通り、当初より3倍の広さにした。

 なので、ガンガン好きに作付け出来る。

 結果、植えたのが、アスパラ、カブ、ピーマン、ナス、トマト、ほうれん草などである。

 

 作業の終わった畑を見て、ダンとスオメタルは改めて話した。

 多分ふたりで食べるのには多すぎると。

 

 だが、もしも収穫が多すぎれば、どこかで売れば良いという話に相成った。


「うう、マスター! スオメタルは収穫の日を想像し、ごうごうと激しく燃えて来たでございます! 収穫した素敵な野菜は勿論! 肉魚いろいろな素材をガンガン使ってたくさんたくさん料理を覚え、バリバリ作り、美味しく幸せにマスターと食べたいでございます! ぜひぜひ教えてくださいませ!」


 一気に言い放つスオメタル。

 ダンも勿論、異存はない。


「おう! 了解! お安い御用さ!」


「わお! 凄く凄く嬉しいでございます! マスター料理得意ですから、スオメタルは、いっぱいいっぱい覚えるでございます!」


 スオメタルがせがむのも無理はない。

 『鱒ランチ』が美味しかったのも、はっきりとした理由がある。

 

 ……ダンは好きで始めたが……

 ジャンク屋の収入のみでは到底食っていけなかった。

 

 その為、元冒険者が経営する王都の某居酒屋(ビストロ)の厨房で、

 幼い頃から、10年以上働いていた。

 最初は皿洗いから始まって、終いには厨房を任されるまでになった。

 

 下手なコックより、鍛え上げて来た腕は確かで、

 調理可能なレパートリーも多種多様だったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。

※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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