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第19話「夢はふくらむ!」

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「よっし! これでOKだな。そろそろ夕食の時間だ」


「わお、もうそんな時間でございますか! あっという間でございます。配置とか、いろいろ悩みましたでございますが、ぴたりと、はまりました。すっごく気持ち良いでございます」


「全くだ! 気持ち良いな!」


 ドヴェルグ族のオルヴォを訪ね、増築用の上物をたっぷり買い込んだ、ダンとスオメタル。


 数日後、城を建てた時と同様、各所へ配置し、土台を作ってしっかりと固定、設置した。

 新たに増築したのが厨房設備付きの店舗、宿舎、倉庫、家畜小屋に馬用の厩舎、宿泊&応接付きの会議棟、そして牢獄。

 ちなみに牢獄には地下牢も付いていたから、城同様設置の際には穴を掘って設置したのは言うまでもない。


 購入したのは展示用のサンプル品だったが、オルヴォの好意で全てが大型で新品同様。

 それらがトータル金貨3,000枚の超格安特価であった。


 しかし格安と言っても、安かろう悪かろうではない。

 丁寧に造られた堅牢且つ渋いデザインの逸品ぞろいである。


 こうして一気に増築したのは、理由があった。

 人狼事件の余波で本館の城に他者を入れたくないというスオメタルの要望と、

 『将来』を見据えてじっくり検討した結果なのである。


 増築の為、敷地も今迄の3倍に広げ、魔法障壁の範囲も拡大しより強固に。

 ついでにパスワード対応の魔法障壁の小出入り口、警報装置や魔法水晶の監視装置も付けた。


 ダンとスオメタルは改めて、全景を眺めた。


「う~む。こうしてみると何か……」


「はい! 小さな町のようでもございますよ、マスター。でも……だいぶ現金使いましたでございますよね」


「ああ、ウチの金庫もからっぽに近い。まあ食い物や日常品はたっぷり買ってあるから困らないが」


「御意でございます」


「うん、でもそろそろ仕事するか。王都の冒険者ギルドには、ダンとスオメタルではなく、別名義登録してあるしな。だからリシャール王との約束には引っかからない」


「はい! 擬態して別人での依頼遂行は、約束の不履行とはなりませぬ。さすが、マスターでございます」


「まあ、想定内だな」


「はい! 別人名義でクラン登録も合わせてしたでございますゆえ、ふたりで適当な依頼をこなすでございますね。そしていっぱい稼いで王都デート&買い物発動! でございますねっ! ワクワクして来たでございますっ!!」


「だな! 先日話した情報屋の下へも行ってみようぜ。何か情報が入ってるかもしれない」


「期待致しましょう」


「うん! それにオルヴォにも引き続き、ガルドルド遺跡の件も頼んであるし、いずれ何らかの情報が入るはずだ。現にいくつか調査中と言っていたしな」


「わぁお! そっちもですか! 大いに期待出来るやもしれませぬ! 早くスオメタルの真の身体を見つけ、マスターの妻となり、子供いっぱい生みたいでございます!」


「そうか! でもネガティブな言い方して申しわけないが、万が一、身体が見つからなくとも、子供が出来なくても、お前と暮らせるだけで、俺は嬉しい」


「わぁお!! いつも優しいっ! マスター、大好きでございますっ!!」


「俺もスオメタルが大好きだ! ……じゃあ夕食にしようか」


「わお! 賛成でございます! がっつり食べるでございます!」


 ダンとスオメタルは、設置お疲れ様のキス。

 夕食の支度を一緒にするべく、城へ向かい歩き出したのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 今日の夕食は鳥肉料理。

 ダンとスオメタルが風の魔法弾で撃った魔境の鳥である。


 鳥は既に肉片となっていた。

 捕えた鳥の血抜きをし、羽を取り、内臓を除去し、水洗いした後、

 適度な大きさに切っておいたのである。

 すぐ調理出来るよう『したごしらえ』もほぼ完了していた。


 ダンが主導し、スオメタルが手際よく手伝いながら、

 厨房でふたりは夕食を作って行く。


 メニューは下記の通りである。


 鳥と野菜のコンソメスープ。

 キャベツとにんじん、そしてニンニクも使用。

 鳥と野菜の旨味を活かした、コンソメスープ。


 鳥の手羽先焼き。

 こちらもニンニクを使用。

 事前にすりおろしたニンニクを鳥肉に塗り、したごしらえ。

 魔導オーブンで焼くシンプルなモノ。

 お好みで胡椒、レモンをかけると、もっと美味しい。


 そして鳥のアヒージョ。

 またまたニンニク使用。

 塩と共に事前に鳥肉へすりこみ、オリーブオイルに浸しておく。

 フライパンで焼いて出来上がり。

 こちらも比較的簡単に作る事が出来る。


 いずれも、料理初心者のスオメタル向きである。


 さてさて結果は……


「うま!」


「マスター! 激うっま! でございます!」


「うん! この鳥、ニワトリに近い。でも野生の味って感じだ」


「いえ~す! マスター、卵も食べたい! スオメタルがお世話しますからニワトリ飼いましょ!」


「おお! いいな! 俺も世話するぞ! それに鶏肉使うと同じ料理でも、味が変わるしな!」


「本当でございますか? 楽しみでございます!」


「ああ、経験上そう思う。でも確約は出来ないぞ!」


「うふふ、大丈夫でございます! どちらにしても美味しいのは間違いなしでございますゆえ!」


「あはは、そうだな!」


「スオメタル、スクランブルエッグ食べたいでございます! その次はオムレツも! 卵料理、いっぱい教えてくださいませ!」


 会話は盛り上がり、夢はふくらんで行く。


 ふたりの人生はこれまで暗く重かった。

 孤独でもあった。

 だから信じあい、愛し愛される相手が居るのはとても素晴らしい。


 今更ながら、ふたりは、そう実感したのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。

※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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