第七話 能力雪合戦④
明日香は人形の首にまたがり、雪濠の天辺から顔を出し、戦況を伺っていた。菫は青色の花による壁を階段のように並べて駆けあがっている。氷河は水の鎖を薄弱たちに渡していた。
「樹木、すぐに木を雪玉に巻き付けて準備しなさい。合図を出したら、投げて」
「分かった。木」
樹木は木を生成すると、雪玉に巻き付けて準備を整えた。明日香も闇の触手を発動し、雪玉に巻き付けて準備を終える。あとはタイミングを計るだけだ。
氷河たちは水の鎖で雪玉に回転を加えると、上空へと投げた。それとほぼ同時に狼牙たちも雪玉を上空に放った。
「今よ! 投げなさい!」
明日香は合図を出すと同時に、闇の触手を滑らせて雪玉に回転を加え、放った。樹木も木を滑らせて雪玉に回転を加えてから投げる。明日香の放った雪玉は氷河たちの雪玉を粉砕する。樹木が投げた雪玉は狼牙たちの雪玉を粉砕した。
菫の方を伺うと、無数の人形と闇の影が真っ二つに切断され、落下している最中だった。菫は足場を移動させると、狼牙チームに雪玉を放つ人形と闇の影も切断した。決して助けたわけではなく、邪魔だから排除したのだろう。徐々に降下しているとはいえ、空中の人形と闇の影に気を取られている間に、地上から攻撃されることを危惧したと考えられる。
「蘭、人形をパワーアップさせるから、十体ほど用意してくれるかしら?」
「うむ、分かった。どのくらいの大きさにすればいいのだ?」
「大きさは普通のサイズでいいわ。私がパワーアップさせるから」
「うむ、どうやってパワーアップさせる気なのだ?」
「まあ、見てなさい」
明日香はそう言うと、微笑んだ。
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