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30話

30話一回ボツになっちゃった。

でもボツになった方にしといた方が良かったかなーって気持ちもある。

一行は迷宮(ダンジョン)の奥へと進み続ける。

狗頭人(コボルト)との戦闘からめっきり敵を見なくなり、肩透かしを食らいつつ、さして何もなく最奥へ到着してしまう。


「ここが最奥か」


元より“主”は居ないと聞き及んでいたがトータとしては何か期待を裏切られた気分。

最奥はドーム状の──それほど大きくはないがプラネタリウムの様な──部屋であり、中心に何やらモノリスがある。


「制御盤か?」


大して埃は被ってない。

液晶のような何かはあるが、それ以外はのっぺりとしたモノリスである。

制御盤と言ってみたは良いがここまで何もないと疑わしい。


「どうよ?」


「……うんともすんとも」


「まじかー、宝箱とかないんか?」


モノリスを操作出来れば隠し部屋の一つ二つ出てくるのがお約束という物だろうが……モノリスが沈黙しているのでクレハは周囲の壁や天井、床を見渡してみる。

何やら細かで幾何学的な紋様によって埋め尽くされている。


(溝……)


浅い溝が紋様を描いている。

婆さんに渡された勉強用のメモにある魔法陣に似てる紋様な気も──しなくもない。如何せん素人目なので何とも言えないが──

と、その時。

キュイイン、という駆動音と共に床、壁、天井の紋様に青白い光が奔る。


「うっお!?」


「!?」


驚きモノリスを見やるとキョトンとした顔のアルフェが。

しかし流石に学習するアルフェ。

慌ててモノリスから飛び退いてワタワタとしながら──


『ま、待った待った待った!ちょっと起動しただけだって!アタシなんも弄ってないよ!ホントに!』


──と弁明。


「いや起動した瞬間に攻撃飛ばしてくるかもだろ!?」


「いいか。今度から勝手に明らかに動きそうなモノは触るなよ」


当然二人から叱られたアルフェはしょぼんと反省するしかない。

とはいえ、起動したものは起動したので──


「どうやって起動した?」


そんなクレハの問い。


『え?いや、魔素(マナ)が止まってたみたいだからちょこっとアタシのを流し込んで……』


「……それで迷宮(ダンジョン)にお前の魔素(からだ)吸い尽くされたらどうするんだよ……」


『もう弱ってるから大丈夫かなー……って』


「迂闊にも程があるな……」


よくここまで生きてこれたものだ……と呆れたが自然の中で面白おかしく暮らしていた訳だから当然ではある。


「それで、操作は出来るか?」


『それなんだけどな。うーん……』


と、言いつつアルフェはもう一度モノリスに触れて神妙な顔つきで一頻りうんうん唸った後──


『……無理!』


とお手上げ。


『なんかなー。届かないカンジ』


「……というと?」


『分からん!よく分からんけどアタシの手が弄れるとこまで届かない!理屈は分かんない!』


「????」


理屈が分からないのはクレハの方である。

と、そんな所でトータが口を開く。


「まー、ほら。ゲームあるあるのレベルが上がったらまた来よう!的なアレじゃね?」


そういうことになった。


『いや……魂の格の問題ってより、もっと、こう……どうしようもない感じっていうか……』


アルフェはどうにも腑に落ちない様子で難しい顔をしていたが、クレハとトータにアルフェの感覚は分からないのでどうしようもない。


「まー、とりまこれで俺らの初迷宮(ダンジョン)探索は完了ってこった」


迷宮(ダンジョン)お馴染みの宝箱なんて報酬も無かったが、狗頭人(コボルト)といい遠距離骸骨(スケルトン)といい歯応えはあった。


「帰りはどうする?」


「あー、狗っころと戦ったばっかだし休みたいとこだけど」


「床が紋様でデコボコしてて寝にくそうだ」


「おん。だから次の小部屋まで行ってから休もうぜ」


帰りは中央のルート。

一番近場の小部屋まではたった二体の骸骨(スケルトン)と出くわしただけだった。

狗頭人(コボルト)のような厄介な敵と出くわしたら一度引き返して行きに使ったルートで帰るつもりだったが拍子抜けである。

一行は小部屋で一時間ほど小休憩した後、探索を再開。

三部隊計六体の骸骨(スケルトン)を倒して迷宮(ダンジョン)のスタート地点へ戻ってきた。




『ん~~~っ!外の新鮮な魔素(マナ)!』


迷宮(ダンジョン)を出た森は涼しげで朧気な暗さに包まれていた。


「あちゃー、夜回っちまったか?」


「……いや、リアルは10時過ぎらしい」


「じゃあ朝方か。俺ら徹夜してたってこと?」


「ゲームだとそうなるな」


「マジか。そう思うとなんか眠くなってきた」


リアルの方でも結構いい時間ではある。

街まで帰ったらログアウトして寝るか……と考えつつ森を進んで行く。


「……あ、なあ俺気になってたんだけどさ」


するとトータが突然疑問を口にした。


「ゲームやってる間のリアルの身体って寝てる事になってんのかね?」


「……ああ、なるほど」


『????』


当然アルフェには訳が分からないだろうがクレハはトータの疑問の意図が分かった。


「つまり今から朝までぶっ通しでゲームしてリアルの身体がどうなるかって話か?」


「うん。だってさゲームしてる時ってリアルは目瞑って寝てるじゃん?夜10時から朝6時までとかぶっ通しでゲームしてても問題ないんじゃねえの?」


「……」


確かにリアルでの8時間分、ゲームでは4日分の時間をレベリングに使えれば──しかし。


「……いや、寝るって行為は脳ミソを休める行為だろ?ゲーム中は身体は動いてなくても脳ミソは動いてる訳だから……」


「あっ、そっかぁ……」


『???どゆこと???』


何も知らないアルフェは放っておいて勝手に盛り上がったり盛り下がったりするクレハとトータ。

しかし、クレハはここで更にある事に気付く。


「──いや、待て。もしかしてゲーム内で寝てる間は脳ミソも寝てる事になる……?」


「──つまり実質リアル時間では1時間も使わずに8時間睡眠を確保できるってことか!?」


「……いや、それは……どう、なんだ……?」


「あ、あれ?」


つまるところ12倍速で8時間分──つまりリアルでは40分分──寝て脳ミソは普通に8時間寝た事になるのだろうか、という話である。

12倍速で……なんて逆に脳ミソが疲れないだろうか。

第一──


「──いや、多分それは無理だろ。第一こっちでも眠くなる訳だから」


ゲーム内で活動しているだけでも眠気は来る。

つまりゲーム内の8時間睡眠でもリアルに支障が出ないとしても、ゲーム内でも日々キチンと睡眠を取らなければならない。


「……俺、明日休みだから試してみるわ」


「……マジか」


「流石にゲーム内でも寝ないってのはしんどいけど……」


トータは朝までぶっ通しでゲームやる気満々である。


「……俺も明日休みだし付き合うよ」


「お?マジ?」


「ああ。差が開くのも嫌だしな」


徹夜明けは地獄ではあるが、いつか検証しておかなければならない事には違いない。

なら早いに越したことは無い筈だ。

ましてや今はスタートダッシュ、ここで周囲と差が開くのは避けたい。


「帰ったら宿屋で少し休んでギルドだなー。その後はどうするよ?」


「まあ森での修行だろうな。細かいことは……追々考えよう」


『お?森で修行するのか?なら案内はアタシに任せろ!森の事なら何でも分かるし魔法も使いたい放題だからな!』


「はいはい、頼りにしてる頼りにしてる」

ちなみに今大体八万文字くらいだけど文字数無駄に使ってる気がしてならない。

一章終わったらまとめ版作ろうと思ってるけどそん時に多少短縮出来へんかね。

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