29話
なんか小説家になろうのホーム画面めっちゃ変わってて混乱した。
2024/03/15 脱字修正。
2024/06/23 迷宮の仕組みの主人公の認識についての文章を修正。
「……ところで──」
狗頭人の曲刀をリュックのサイドに掛けたトータがチラ、と床に落ちたナニかを見やる。
「……あれ、何だ……?」
「……まあ、毛皮、肉、骨……だろうな」
そこに落ちていたのは毛皮、肉、骨。
毛皮はご丁寧に畳まれ、肉はご丁寧に裁断され、骨はご丁寧に重ねられている。
「…………」
「…………」
無言。
皆まで言わずとも“何”の毛皮や肉や骨なのか、二人とも分かっていた。
なので口にしたくはなかったのだが──
『いや、普通にあの犬野郎の戦利品だろ?なんでお前らそんなに嫌そうな色してんの?』
アルフェはそんな空気を読まない。読めない。
「……い、いやいやいや……流石にアレは“無い”だろ」
『無いって何が?あっこにあるじゃん』
「いやお前ヒトガタだぞ!?それを差し引いて千歩譲っても犬だぞ!?」
『???それが???』
そうしてトータとアルフェがワチャワチャしているので。
クレハが毛皮と肉塊を物色しだした。
「お、おい!クレハ!?流石に──」
「──“アリ”だろ。トータ」
「──……ま、まじ?」
「…………」
トータは引き攣った笑顔を浮かべてクレハを見る。
そんなトータにクレハは言い聞かせる。
「……俺がやってるゲームに、殺した人間を解体して皮と肉に出来るゲームがある」
「──」
「俺も基本的にはやらないが……どうしてもやった方がいい状況ってのはあった」
「──」
「資源が足りないとか、死体を置いておけないとか……俺は解体した」
「──うぉ……」
「今、俺らには金が必要だ。つまり、金になる可能性があるものは……」
「……ガチ……?」
「これもゲームだ。同じことだろ」
そう言って毛皮をトータに差し出す。
「……っ、金に、なると思うか……?」
トータは苦々しげな表情で最後の抵抗にすらならない問いを掛ける。
「俺のやってたゲームじゃ、人皮はサイの毛皮と同じくらい価値が高かった。犬の毛皮はそれほどだったけど」
「……に、肉は……置いてくよな……?」
「……そのゲームに、人肉を家畜用飼料にした後ペーストメーカーに入れてペーストにする事で原材料を人肉から飼料に上書きしつつ飼料として調理した事でかさ増し出来る裏ワザが……」
「……」
「……流石に冗談だよ。肉は置いていく。犬の餌くらいにはなるだろうが、流石に臭いが出るものを今持っていく気はしない」
「……冗談には聞こえねぇ……」
トータは心底からそう呻き、狗頭人の毛皮を受け取った。
「──そろそろ最奥だな」
「ボスは居ねぇんだっけ?」
「らしい」
この迷宮は小部屋三つ目で終わり。
ルートが三つあるだけで、どのルートで行っても最後の小部屋に辿り着く様になっている、と冒険者ギルドからの情報だ。
「奥着いたらどうするよ?」
「取り敢えず休憩だな。Lv,25までは迷宮に籠りたい所なんだが……」
「ああ、食料的には別ルートで帰る分くらいしか無ぇ」
「それに言う程高レベルの奴らが出てきてる訳でもない」
ここまでで出会った敵は骸骨と狗頭人。
骸骨はLv,15前後なのでもうレベル上げには殆ど使えない。ドロップも美味くない。
狗頭人は今のところ一匹しか出会っていないので何とも言い難い。ただ苦戦する割にはLv,21だったので効率の悪い相手なのかもしれない。
後は──
「洞窟蜥蜴と蜥蜴人って奴らが相当良くない限りは森の奥に移ることになりそうだな」
「だなぁ。魔晶がもう少し落ちてくれたら楽なんだが……」
ここまで13体の骸骨を倒して手に入れた魔晶は二つポッチリ。
魔法の提燈に填められた魔晶が迷宮を出るまでは持ちそうなのは幸いだが、この分だと魔晶で稼ぐのは現実的ではない。
『まあ死にかけの匣なんだからしゃあないって』
アルフェがそんな良く分からない励まし?をしてくる。
死にかけてる迷宮なんだから搾りカスしか出ないのは仕方なし、というニュアンスだろうか。
「……逆に死にかけじゃない迷宮は何が違うんだ?」
『星の血脈から魔素を吸い上げる力が端から見てても全っ然違う』
「へぇ……」
星の血脈、というのは魔法屋婆さんから聞いた地脈というやつの事だろうか。
(……そこから吸い上げた魔素で内部の魔物を作っている、とかだっけ)
そうすることに何の意味があるのか皆目検討は付かない。
ただアルフェから見てもこの迷宮はイマイチだという事だけは分かった。
ゴブちゃんの皮は小汚すぎてゴブちゃんの腰布と見間違えてたみたい。
あとゴブちゃんから肉はドロップしません。ガリガリで可食部少ないので。
骨も細々してたから目立たなかったみたいね。
あの時はここまで固まってなかったんです。誠にごめんなさいでした。




