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28話

ネトフリの

Devilmanを

見たい俺

アマプラ民故

咽び泣く

       字足らず


2024/03/04 誤字修正。

ピピピ──ピピピ──


「……」


何処からともなく聞こえるアラームにクレハは目を開く。

目の前に表示されたウィンドウはデジタル表記の時刻が二つ並んでいた。

アラームを止めて寝袋から抜け出す。


『おっ!起きたか!』


「ああ」


一行はあの後新しい小部屋まで攻略。

あの後道中で遭遇した骸骨(スケルトン)の数は三体×二部隊分。

どちらの部隊にも遠距離武器を持った骸骨(スケルトン)が一体ずつ居た。

弓、もしくは(ボウガン)による遠距離攻撃は気を付けてさえいれば“目視で視認できる”ので脅威には成り得なかった。

視認し、剣で弾く/防ぐ、または避ける事は今のクレハ達にとってそう難しい事ではない。

骸骨(スケルトン)の射程範囲に入るよりも先んじてアルフェの索敵が相手を捉えるので、二度目の油断が無い限り遠距離攻撃を食らうことは無く──そのまま到達した小部屋でおよそ四時間程度の睡眠を取っていた。


「うーん……」


のそのそとトータも寝袋から這い出て来て、その寝袋を巻きとりだす。

クレハは背嚢から黒パン──の紙包み──を取り出してナイフで二切れ分、切り取る。

片方はトータに渡し、各々チーズを僅かに抉り取ってパンの切れ端に撫で付ける。


「……」


「もそ……もそ……」


冷たい黒パンとチーズ。

全く以て美味くはない。

だが胃にモノは入る。


『……あのホネホネ共と大して変わらない色してるぞ、お前ら……』


「……」


「……」


アルフェの言葉に対して虚無のクレハとショボンのトータ。

そんな食事と呼ぶに相応しくもない栄養補給を終えた一行は迷宮(ダンジョン)の更に奥へ、奥へと進んでいく──




ガァン!

剣戟の音。


「グゥルルァァ──!」


「ぐぅおっ!?」


まるで後ろ二足で立ち上がった狗の如き化物が、トータの剣を自らの曲刀で弾き返す。

圧倒的な膂力。

しかしその狗の形相は──生への渇望、或いは死への恐怖、つまり──まさに必死。


「ふ──」


人型の狗の背中をクレハが斬りつける。


「ギャウッ!?」


致命的な一撃。

ボロボロの胸当て(チェストプレート)を固定していたベルトごと背筋が斬り裂かれた。

へッ──へッ──と荒い呼吸を繰り返しながら、人型の狗はクレハを憎々しげに睨み付ける。


「……頑丈(タフ)だな、狗頭人(コボルト)


息を吐き出し、そんなことを呟くクレハ。

かれこれ10分程このLv,21の狗頭人(コボルト)と斬り合っている。

毛皮による防御、人外の敏捷性と筋力、嗅覚聴覚による感知能力、そこから繰り出される剣術──これがなかなか蛮術と侮れず、クレハがやっと背後に回り、挟み撃ちが出来ると意気込んでから約5分……先程漸く明確な一撃を食らわせることが出来た。


「クレハ!畳み掛けるぞ!」


「分かった」


窮鼠猫を噛む──そんな機会は与えない。

決死の覚悟は決めさせない。

自棄糞なんて起こさせない。

トータとクレハが狗頭人(コボルト)に迫る。

狗頭人(コボルト)がクレハ目掛けて曲刀を振るう。

渾身の一刀は──


「うっ……」


クレハに受け止められた。


「!?」


狗頭人(コボルト)にとっては目を剥く光景である。

狗頭人(コボルト)としては先程の打ち合いでトータよりもクレハの方が非力なのは分かっていた。

トータでさえ弾き返せる程度には──種族的な──膂力の差がある筈。

だというのに、何故か今のクレハは押し切れない、どころか──


「……ぉおっ!」


なんと、クレハは狗頭人(コボルト)の曲刀を小剣(ショートソード)で跳ね上げたのだ。


「グワッ……!?」


がぱっ、と顎を開いて驚愕する狗頭人(コボルト)の半身は大きく仰け反り、片足は浮く。

そこに──


「──ふんっ!」


ドスっ!と狗頭人(コボルト)の右腕をトータの剣が貫いた。

喉奥からカっ、と音を出して貫かれた右腕を見やり、驚愕に喘ぐ狗頭人(コボルト)

その一撃により右手の力が抜け曲刀が指から滑り落ち──


「ガッ!?」


──カラン、と曲刀の切っ先が床を叩くと同時に、自らの左脇腹に突き刺さる刃。

トータに右腕を、クレハに脇腹を抑えられた狗頭人(コボルト)は最早万事休す。

だが、最後の足掻きか──左手で握り潰さんばかりに、クレハの腕を掴む──が。

クレハは構わず刃をぐっ、と押し込み、奥まで刺し込みきった瞬間、手首を捻って捻り斬った。

狗頭人(コボルト)は天を仰いだ口の端から血泡を吹き出し、カヘッ、カヘッ、と痙攣しながら喘ぐ。

やがてその身体の力が抜けた事を認めると、二人は自分達の剣を狗頭人(コボルト)から引き抜いた。




「これ使えるかね?」


「無理だろ」


戦闘が終われば戦利品の確認だ。

狗頭人(コボルト)胸当て(チェストプレート)は最早ボロボロで使い物になりそうになく、その上どうやら木製のようなので放置していくことにした。

一方──


「これならまだ使えるんじゃねーか?」


狗頭人(コボルト)の持っていた曲刀は多少刃零れしているが、まだ使えそうだった。

ただ──


「……それ何か凄い形状してるけど使えるのか?」


「うっ……」


この曲刀、かなり曲がっている造りだ。

鎌のような、鉤爪のような、多分盾を潜り抜けて相手を突き刺す用途だろうか。

一目見ただけでは“使いにくそう”と思わざるを得ない。

折角の戦利品なのに……としょぼ暮れるトータにクレハは──


「……まぁ、どうせ手入れして貰わないと使えなさそうだし、ドワーフ爺に聞いて無理そうなら諦めて引き取って貰えばいいだろ」


取り敢えずそんな慰めを言っておいた。

トータ、クレハ、これにて双方Lv,21。

レベル上げは順調である。

でもアマプラでトールキン観たから満足。

暫くはこれ吸って生き永らえる。

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