27話
プロットに書いた餅状態過ぎて哀しみ深し(56)
2024/03/04 何か変なとこ修正
前回の探索で辿り着いた小部屋には一時間と少し程度で辿り着けた。
アルフェによる謎の索敵と慣れが探索をスムーズにしていたのだ。
道中では二回戦闘し、合計三体の骸骨に遭遇。
難なく倒して進んだもののレベルは上がらなかった。
小休止すら挟まず一行は更に奥へと進んでいく。
『三匹居るっぽい』
アルフェが敵を感知する。
「おっけ。俺が二匹相手しとくから一匹頼むわ」
「分かった」
アルフェの索敵範囲はおよそ50mといった所。
故に基本的に一行が奇襲を食らうことは無かった。
故にこそ、油断があったのかも知れない。
目前の暗闇にチラリと瞬いた反射光。
「──!」
咄嗟に右に避けようとするクレハだったが、暗闇から飛び出して来た矢がその左肩を捉えた。
「ウッ!?」
食い込む矢尻、衝撃で思わず肺から息を吐き出す。
続いて激痛が神経を遡ってくる。
「~~ゥッッ……!?」
眉が、唇が歪む。
食い殺した叫びが喉奥から抜け出てくる。
気持ち悪い発汗と胃の上に吐き気。
「ぅぉっ!?おい!?大丈夫か──」
「弓を殺る!他頼む!」
「ちょっ──」
モタモタしていたら二射目が飛んでくる。
クレハは痛みを捩じ伏せて駆け出した。
「──ぐっ!」
引き吊る左肩、視界も心なしか明滅している。
心臓が胸を強打する。
どく、どく、と頸動脈が血液を吸い上げる。
まるで雲を踏んでいるかのような感覚だった。
「──ッ!」
接敵。
目前5mに逆三角陣形の骸骨だ。
前衛は剣持ち2。後衛は──
(──ボウガン!)
弩。
既に装填は済んでいる。
クレハは姿勢を低くすると、両脚に魔力を込め──
同時に骸骨弩兵の矢が放たれる。
「ふ……っ!」
右足から駆け出す。
二体の前衛骸骨の間、床スレスレを──後ろ髪に掠める矢を感じながら──駆ける。
前衛骸骨達が各々の剣を掲げた。
その瞬間クレハは左足で床を踏み締め飛び込み前転。
クレハのブーツの爪先を掠め、背後の床を二本の剣先が叩く。
紙一重で前衛をすり抜けたクレハが左腰に履いた剣を抜き放ち骸骨弩兵に斬り掛かった。
当然、クレハを逃した前衛骸骨二体は自らの剣を引き戻し、クレハを斬り付けようと──
「背中がっ!ガラ空きだぜぇっ、ラァ!!」
ガッシャーン!
背後から叩き付けられた渾身の一撃の下、崩れ落ちた前衛骸骨の片割れ。
さながら蹴り倒された骨格標本である。
トータの奮戦を感じる余裕もなく、クレハの斬撃は骸骨弩兵に迫る。
ガッ、木材を穿つ音。
骸骨弩兵は自らの弩を盾代わりにクレハの剣を受け止めていた。
「ぬぅ、ぉおおっ!!」
左肩から響く痛みを噛み潰しながら繰り出した右の蹴脚。
肋骨を破砕、倒れ込んだ骸骨弩兵の弩を蹴り上げてそのまま踵落としで頭蓋骨を砕いた。
「──っ、トータ!後ろだ!」
振り向いた瞬間叫ぶクレハ。
壁に押し付ける形で骸骨剣士を抑えていたトータの背後で起き上がったもう片方骸骨剣士が剣を掲げる。
「……!」
トータは口の端を吊り上げる。
その後頭部を叩き割らんと振り下ろされる剣だったが、トータは押し付けていた骸骨から身を引き、右に避けた。
メキメキッ!壁に押し付けられていた骸骨の肩口に同胞の剣がめり込む。
その同胞の後頭部をむんずと掴んだトータは──
「──ご苦労──さんっ!」
ガシャーン!
骸骨同士の頭をぶつけて双方粉砕した。
「……っ、……」
クレハは左肩に食い込んだ矢に顔を歪める。
ズキズキと定期的な痛みが喉奥から苦悶を覗かせる。
「アルフェ、治癒だ!」
『任せろ!おいクレハ!その矢抜けるか!?』
駆け寄ってきたトータとアルフェに頷くと、クレハは刺さった矢を掴み──
「──ぐっ、ぅぅ──っ」
どぷ、と湧き水の様に、生暖かいトロリとしたモノが──
ぷち、と鏃の返しが肉を千切る。
「ぅ、っ──ぁアぁ……っ!!」
ずぽん!と鏃が引き抜かれると同時に、どく、どく、と血液が流れ出始めたので、右手で傷口を抑える。
熱くて痛い。
『これならすぐ治る!』
アルフェが翳した手が生命の光に満ちる。
抑えた付けた右手越しに、傷にじんわりとした温もりが浸透する。
「──ぅっ、ふぅ……」
痛みがかなり緩和されて息と共に緊張を吐き出す。
「おいおい、そんなに痛えのかよ」
「あぁ……死ぬかと思った……」
「えぇ……?」
トータは何やら得心行かないようだが、クレハはそれどころではない。
「……ま、さっきのはヤバかったし……次の小部屋で休憩だな」
「あぁ、そうしてくれると……助かる」
項垂れるしかないクレハであった。
慣れるよ




