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26話

正月の

気分抜けたわ

最上川

一行は昼頃に迷宮(ダンジョン)に到着。

事前に獲っておいた半焦げ兎肉で昼飯を済まし迷宮(ダンジョン)に侵入した。

ちなみにアルフェは──


『なんか大丈夫っぽい!多分!』


とのことらしい。

アルフェが言うには迷宮(ダンジョン)は星の血脈に巣食うモノで、そこから魔素(マナ)を吸い上げている。

なので魔素(マナ)で構成された妖精(フェアリー)精霊(エレメンタル)は吸い上げ対象になる、らしい。

しかしこの迷宮(ダンジョン)はそもそも吸い上げる力が弱いのでアルフェが吸い取られる事は無いのだとか。


『なーんだこの匣死にかけじゃんか。ビビって損したー』


一方で精霊(エレメンタル)は居るのか聞くと──


『……喚べそうな奴は近くには居ないなー。アタシもアタシの魔素(マナ)以外使うのは流石に危なそうだからあんまり魔法使いたくなーい』


とのこと。

まあ荷物番はやってくれるらしいので十分である。




迷宮(ダンジョン)に入って約15分。

トータの背嚢(リュック)に引っ提げされた魔法の提燈の光を頼りに通路を進む。


『──お、なんか居るぞ』


「スケか?」


『スケ?なにそれ?知らないけど多分敵』


「スケだな」


何らかの気配を察知したらしいアルフェ。

トータが荷物を降ろそうとしたので──


「一体だけなら俺に戦らせて欲しい。試したい事があるんだ」


クレハが名乗り出る。


「え?いや、まあ良いけど……俺もレベル上げたい……」


『ちなみに多分一体だけだぞ』


今現在クレハのLv,18に対してトータはLv,17。

地味に差が出来ているのだ。


「奥に行けば多分もっと効率上がるだろうもから我慢してくれ」


そう言いながらクレハはポーチと小剣(ショートソード)をトータに預けてくる。


「おいおい素手かよ!?」


「ああ」


「死んでも知らねーからな……」


そう言いながら後ろに下がるトータを横目に先へ続く暗闇に向けて仁王立つクレハ。

暫くすると軽く硬い床を突く音が聞こえ始め──やがて刃が零れ錆が蝕んだ直剣を携えた骸骨剣士スケルトン・ソードマンが暗闇から現れた。


(曲刀じゃないんだな)


レベルは15で特に強いという訳でもなさそうだった。

曲刀、槍、そして直剣といい得物は結構バリエーションがあるらしい。

この分なら弓なんかも出てきそうである。

クレハが拳を軽く握り、腕を構え、腰を少し落とし、片足を引く──所謂ファイティング・ポーズのような構えを取った。

無論、暮羽に格闘技の経験は無い。

授業で柔道に触れた程度である。

と、同時に魔力を眼に流し込み強化。


「……」


両者、一時の静寂の後。

カッ!

と軽く音を立てて骸骨(スケルトン)がクレハに駆け出した。

直剣を振り上げクレハの左肩へ振り下ろす。


「──っ!」


クレハの魔力強化された眼はその動きを確実に捉えていた。

剣の動き出しを確認した瞬間左へ避けつつ、眼の魔力強化を解除。

と同時に右腕を動かし始める。

狙うは剣の樋。

右手の甲で剣を弾いて逸らしつつ、引き絞った左腕を限界まで魔力強化する。

逸れた剣先が床を叩く直前、クレハは骸骨(スケルトン)との間合いを詰め──


「──フッ……!」


短い一息と共に拳が打ち出される。

クレハの左拳が骸骨(スケルトン)の横顔を殴り付けた。

メキメキッ!と骸骨(スケルトン)の下顎が半砕して吹き飛び、上顎は鼻まで粉砕された。

つまり右頬が丸々破壊された事になる。

その一撃に骸骨(スケルトン)は床に叩き付けられるように倒れ込んだ。

クレハは左腕の魔力強化を解除し、今度は右脚を魔力強化。

そのまま床を蹴って一歩。

二歩目で骸骨(スケルトン)を剣ごと踏みつけ肋骨を幾つかへし折る。

今度は右脚の強化を維持したまま屈み、右手で骸骨(スケルトン)の頭部を鷲掴み──

右脚の強化を外した直後に右手を部分強化。

右脚を跳ね上げられる前にその頭蓋を握り潰した。


「……ふぅ……」


「うぉ……マジで倒しちゃったじゃん……今ので魔力どんくらい使った?」


「多分〈魔力弾(マジック・バレット)〉と同じくらい。もっと手早く倒せれば魔力強化して殴る(こっち)のが効率的だ」


「だな。しっかし、強化してるとはいえ無茶苦茶な身体能力だよな……二倍強化が限界なんだっけ?」


Lv,18の次点でリアルの人間の身体能力から比べれば超人的。

そこから更に魔力強化すれば二倍まで持っていける。


「……若干、持て余してるまである。魔力強化だってもっと的確に加減できれば……あと、やっぱ体外での魔力操作は難しいな」


「試したい事ってのはそれか……まぁ、あんまり焦んなよな」


「ああ、掴んだ物もあるしな。追々慣れてくさ」


そう言うと骸骨(スケルトン)が落とした直剣を拾って一行は迷宮(ダンジョン)の奥へ進んでいく。


(目標は見えた)


魔力強化の細分化。

腕ではなく拳を、拳ではなく指を、指ではなく間接を──

これこそが魔力強化の真髄なのではないか。

細かく、複雑に、滑らかに──


(……といっても、複数箇所を強化することも覚束ない……)


何処かの強化を意識すると別の強化に向ける意識が緩んで魔力が霧散する。

微細な強化は複数箇所を同時に強化し維持してこそだ。

人間の身体にどれだけの関節が、骨が、内臓が、筋肉が──

──或いは筋繊維が、血管が、神経があるか。

同時強化の習得は急務だ。

ちなみに身体能力とレベルについて比較すると

リアル一般人(成人)が大体Lv,3相当くらい。

Lv,20くらいになると飛んでくる銃弾を認識できる程度。ただし避けることは難しい。

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