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19話

ステータスとかは後で色々付け足したり修正したりしそう。

霧の中を進んでいく。

先程の霧よりも遥かに濃い。


『でも大丈夫なのか?いきなり戦ってさー。今のオマエらじゃ手も足も出せずに殺されちゃうぞ?』


「大丈夫だって!生き返るし!」


『生き返るぅ~~!?』


どうやらアルフェは御使い(プレイヤー)の設定を知らない様子であった。


「兎に角情報収集。それを元に対策を立てよう」


「おう!どっちか死んだらアイテム拾って撤退な!」


『変な奴ら……』


とはいえ、集められる情報は事前に集めておきたい。

なのでアルフェからその“じーちゃん”なる討伐対象の情報を聞き出しているのだが──


「でえ?その“じーちゃん”ってのはどんな奴なんだよ」


『デカイ!硬い!物知り!』


「じゃなくて見た目をだな……」


『樹!でっかい樹!』


「樹ぃ~~?なんだそりゃ……」


『って言われてもそれ以上分かんないよ!人間がじーちゃんをどう呼んでるかも知らないし……』


と、まあ要領を得ない。


『でもオマエらじゃ逆立ちしても勝てないって事は分かるぞ!』


「なんだコイツムカつくな」


自信満々にそれだけは念押ししてくるので何とも小憎たらしい限りであった。


『あ、そろそろじーちゃんの居る辺りだ』


「出来るだけ粘るぞ」


「オッケーオッケー。うひ~、緊張してきたぁ」


ここからは臨戦態勢で慎重に進む。

暫く行くと前方で何らかの者が蠢いているのが分かった。


『……じゃあここだけ霧解くからな』


「おう、撤退の時は宜しく頼むぜ」


霧が晴れた先。

蠢いていたのは──


「ガチで樹じゃん」


樹だ。

一体樹齢何千年なのだろうか。

巨木が蠢いていた。

周囲の木々は何故か切り倒されている。


「〈解析(アナライズ)〉、──ッ!?」


何故か普段の〈解析(アナライズ)〉以上の魔力を消費した気がして少し驚くクレハ。

その目に映ったステータスは──


イビル・トレント Lv,35 5469歳 邪霊樹精(イビル・トレント)

称号(アチーブメント)

 W I T H O U T

能力値(アビリティ)

VIT:3500/700(+2800) (20)

MAG:945/945(+) (27)

STR:560(+) (16)

DUR:840(+) (24)

QUI:595(+) (17)

LUC:525(+) (15)

AMP:525(+) (15)

ATT:735(+) (21)

属性値(エレメント)

FI:420(+) (12)

TH:350(+) (10)

IC:315(+) (9)

AQ:525(+) (15)

WI:455(+) (13)

EA:735(+) (21)

LI:420(+) (12)

DA:455(+) (13)

……

特性(プロパティ)

 〈フィールドボス補正〉

 〈移動不適正 B+〉

 〈火属性弱化 A+〉

 〈氷属性弱化 C+〉

 〈対鉄弱化 C+〉

……


「生命力3500ぅ!?」


「げっ!?なんじゃそりゃ!!」


「第一コイツLv,35だし!」


「無理じゃん!?」


想定以上の戦力差に絶望する二人。

そんな二人に“じーちゃん”こと邪霊樹精(イビル・トレント)が振り向く。

顔があった。

樹の幹に苦悶を浮かべた顔があった。


『避けろ!』


アルフェの警告。

クレハは即座に横っ跳びに回避。

間に合わないと判断したトータは剣で受けることを選択。

次の瞬間、トータを凄まじい衝撃が襲った。

トータは放物線を描いて盛大に吹っ飛び木に激突。


「ごッ!?」


背中から衝突し、地面に倒れ込んだ。


(──根だ。根を鞭にしてる)


邪霊樹精(イビル・トレント)の根本からひょろりと長い根が飛び出ていた。

トータは立ち上がったがフラフラよろめいている。

恐らくクレハに直撃すればほぼ即死。

防御もあの様子だと困難。

つまり回避し続けるしかない。

邪霊樹精(イビル・トレント)はクレハの脳天目掛けて根を振り下ろしてくる。


「うっ──!」


冷や汗をかきながら逃げるクレハ。

先刻自らの頭があった所を根が通過し、その地面にめり込んだ。


(絶対当たれん!)


後ろを見やれば根が持ち上がり、今度は──


「うおおおおお!?」


クレハが地面に倒れ込む。

と同時に後ろ髪を撫でていく根。

クレハはすぐさま立ち上がり先程とは逆の方向へ逃げる。


(死ぬ!次来たら死ぬ!)


最早顔についた土を払う余裕すらない。

しかし、これは情報収集。


(筋力(STR)敏捷性(QUI)も格上だがそれよりもあの生命力(VIT)。どうなってるんだよあれ……)


よく見れば+2800の表示。

何かしらの強化が為されている様であった。


(しかも耐久力(DUR)まで飛び抜けてる)


単純に強い上にタフで硬い。

だが考えるのもここまでだ。

もこり、と邪霊樹精(イビル・トレント)の根本から更に根の鞭が鎌首をもたげた。


(手数追加!?)


今までは様子見という事だったのだろう。

ぐっ、とその根が撓み──


「──むおっ!?」


走りながらも頭を下げる。

その上を通り過ぎていく根。

危うく頭を串刺しにされる所であった。


「いや無理!」


即座に転身。

少なくともこの距離では確実に削り切られる。

背を向けて走り出した所、更に最初の一本目が戻ってくる。

狙いは──


「うわっ!?」


足首を薙ぎ払う根の鞭を縄跳びのように跳び越える。

着地と同時に邪霊樹精(イビル・トレント)に向き直る。


(……この距離ならまだ何とかなる……といいけど)


そんなクレハに対して邪霊樹精(イビル・トレント)は更に根の鞭を三本追加。

これで五本の根が同時に襲い掛かってくる事になった。


(冗談でしょ)


五本の根がクレハに向けて放たれる。


「──ッ!」


一本目は左に体を反らしつつ剣で受けて少しでも軌道を右にズラす。

そこを狙って来る二本目は左に跳ぶことでギリギリ回避。

倒れ込んだクレハを串刺しにせんと残り三本が迫る。

クレハは倒れ込む前に左手を地面に着いて前に転がることで回避。

横転する中、目の前に根が突き刺さる。

ゴロゴロと二転したところで起き上がり大急ぎで逃走を開始。

木々の隙間を縫うように逃げ回る。


(まだ行ける!)


これでまだ耐えられる。

そう思って木の裏を走り抜けようと頭を出した瞬間、根が迫る。


「──っお!?」


木の幹を、即座に引っ込めたその鼻先を根が掠めていく。

更に背後からクレハ目掛けて根が迫る。

しゃがんで避けてその姿勢のまま地面を蹴って逃走を再開。


(やっぱ無理!)


と、クレハが必死で逃げ回る一方トータは──

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