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15/38

9話

10/15 一番最後の方に文章追加

10/22 馬の付与効果を変更

2024/02/04 耐久力に説明を追加

宿屋はいかにも古い様相であった。

壁には蔦が這っている。

所によってはヒビが入っていた。

中に入るとカウンターには老いぼれた爺さんが居た。


「幾らで泊まれる?」


とクレハが問い掛けるも爺さんはのそのそと


「…………あんだってぇ?」


と返してくる。


「……一泊幾らだ?」


「ああん?いっちゃくいかだぁ?」


「…………」


といった押収を二度三度繰り返し遂に耳の遠い宿屋爺さんから一泊の料金を聞き出す事に成功した。

なんと一泊500リル。

格安にも程がある。

だが──


(今の俺には500リルすら惜しい)


やむなく野宿か、と考えていた所──


「馬小屋ならぁタダでええぞ」


との事だった。

ありがたく馬小屋に泊まらせてもらうことにする。

厩舎自体は馬房が四つある造りだったが、幸い馬が二頭しか居なかったので二部屋空いていた。

干し草をベッドにも出来る。

やっと落ち着けたクレハは自身のステータスウィンドウを開く。


クレハ Lv,7 男 人間(ヒューマン)

称号(アチーブメント)

 〈御使い(プレイヤー)

職業(クラス)

 〈剣士(ソードマン)

能力値(アビリティ)

VIT:70/70(+0) (10)

MAG:70/70(+0) (10)

STR:70(+0) (10)

DUR:70(+0) (10)

QUI:70(+0) (10)

LUC:70(+0) (10)

AMP:70(+0) (10)

ATT:70(+0) (10)

属性値(エレメント)

FI:70(+0) (10)

TH:70(+0) (10)

IC:70(+0) (10)

AQ:70(+0) (10)

WI:70(+0) (10)

EA:70(+0) (10)

LI:70(+0) (10)

DA:70(+0) (10)


技能(スキル)】 SP:700 (100)

〈片手剣術 Lv,1〉

〈両手剣術 Lv,1〉

〈無属性魔法 Lv,1〉

〈見切り Lv,1〉

〈回避 Lv,1〉

〈体術 Lv,1〉

〈格闘 Lv,1〉


付与効果(エフェクト)

 W I T H O U T


特性(プロパティ)

〈戦闘適性(天賦) D+〉


【武器】

〈鉄の小剣〉


【防具】合計DUR+0

〈白いシャツ〉DUR+0

〈肌着〉DUR+0

〈黒いスラックス〉DUR+0

〈下着〉DUR+0

〈靴下〉DUR+0

〈革靴〉DUR+0


【装飾品】

〈革のウエストバッグ〉



ヘルプによると能力値(アビリティ)は上から──


──生命力(Vitality)──所謂HP。スタミナにも影響する。

──魔力量(Magicality Stock)──所謂MP。魔力(オド)をどれだけ溜め込めるか。

──筋力(Strength)──筋肉のパワー。全身の平均。行動速度と身体硬度にも影響する。

──耐久力(Durability)──頑丈さ。全身の平均。(その身体から)剥ぎ取れる素材の耐久性にも影響する。

──敏捷性(Quickness)──反応速度。動体視力と行動速度にも影響する。

──幸運(Luck)──良い事の起こりやすさ。

──魔法増幅力(Amplificately)──放った魔法の効果がどれだけ高まるか。

──魔法減衰力(Attenuationaly)──受けた魔法の効果をどれだけ減衰するか。


──という事柄を表しているらしい。


(良く考えずに均等なままにしてたけど、今になって不安になってきた)


ただ魔法ババアの話が本当なら魔力を使ってある程度補正できるのではないか。

その為にも魔力操作を早く習得しなければならない。

ちなみに能力値(アビリティ)の下の属性値(エレメント)は火、雷、氷、水、風、地、光、闇の八つの属性に対する親和性を表しているらしい。

数値が高いほど該当の属性魔法の威力が上がったり、逆に該当の属性の攻撃に対して耐性が上がったりするそうだ。

ただ、クレハが気になっていたのはこれらではない。

技能(スキル)についてである。

ヘルプによると『当該行動によって習得、スキル経験値が貯まり、最大Lv,10』らしい。

ならばこのSPとやらは何なのだろう。

これもヘルプによるとだが『スキルの習得とスキル経験値の代替として使える』のだという。

早速SPを使ってみることにする。

まずは習得を確認。

ズラリと並んでいる習得可能スキルは全て必要SP100と表示されていた。

これに関しては今取るべき物が良く分からないのでスルー。

次はスキルのレベル上げ。

これに関しては上げたいスキルがある。

守衛のオッサンが使っていた〈解析(アナライズ)〉という魔法が使いたいのだ。

そして恐らくは〈自己解析(セルフ・アナライズ)〉の上位版なのだろう。

そしてクレハが使える魔法スキルは〈無属性魔法〉ただ一つ。

これのレベルを上げれば〈解析(アナライズ)〉も使えるようになるのではなかろうか。

現在の〈無属性魔法〉スキルはLv,1。

使用可能な魔法には〈魔力放出(オド・バースト)〉と〈自己解析(セルフ・アナライズ)〉の二種類がある。

〈無属性魔法〉をLv,2に上げると〈魔力弾(マジック・バレット)〉が使えるようになるらしい。

Lv,2に上げるにはスキル経験値が200必要。

他のLv,1のスキルも同様だった。

〈無属性魔法〉をLv,2に上げる。

次、Lv,3で使用可能になる魔法は〈強化魔法(ブースト・マジック)〉〈解析(アナライズ)〉。

案の定〈解析(アナライズ)〉が取れるようになった。

Lv,3に上げるには300のスキル経験値が必要らしい。


(なるほど。スキルを取るには100、Lv,1からLv,2には200、Lv,2からLv,3には300……恐らくLv,4に上げるには400必要なんだろうな)


〈無属性魔法 Lv,3〉を取得。

これでクレハは500のSPを使い、残りのSPは200となった。

そして〈無属性魔法 Lv,4〉ではやはり400のスキル経験値を要求され〈魔力障壁(マジック・シールド)〉〈隠蔽(コンシールメント)〉の魔法が使えるようになるらしい。


(〈隠蔽(コンシールメント)〉……もしかして自分のステータスを隠せるのか?)


だとすればかなり有用だろう。

出来る限り急いで取りたい。


(しかし、一つのスキルを習得からLv,10にするとなると……5500SPか……?)


つまりアバターのLv,55でやっと一つのスキルを極められる計算になる。

実際にはスキルを使用してもスキル経験値が貯まるのでもう少し早く10に出来るだろうが、なかなか重い。

何はともあれ、目的の魔法は覚えたので──


「……〈解析(アナライズ)〉」


試しに隣の馬房に居る馬に対して使ってみる。


ロゼヴァルト Lv,3 23歳 雄 大型馬

能力値(アビリティ)

VIT:40/45(+)(-5) (15)

MAG:15/15(+) (5)

STR:75(+)(-8) (25)

DUR:39(+)(-4) (13)

QUI:48(+)(-5) (16)

LUC:30(+) (10)

AMP:12(+) (4)

ATT:15(+) (5)

属性値(エレメント)

火:6(+) (2)

雷:6(+) (2)

氷:9(+) (3)

水:12(+) (4)

風:9(+) (3)

地:15(+) (5)

光:6(+) (2)

闇:3(+) (1)


技能(スキル)

〈疾走 Lv,6〉


付与効果(エフェクト)

 〈身体弱化 10%〉

 〈持久力消費軽減 70%〉

 〈移動速度強化 70%〉


特性(プロパティ)

 〈疾走強化(種族) B〉

 〈老化補正 D〉


「おお……」


やはり突如脳裏に過った謎の法陣と文字列、全身を駆け巡る謎の感覚の後、ステータスウィンドウが表示された。

恐らく前者が術式、後者が魔力。


(魔法陣と文字列には何の違いが……?いや、まずは魔力操作だ)


「〈自己解析(セルフ・アナライズ)〉」


自己解析(セルフ・アナライズ)〉で自らのステータスウィンドウを再度開く。

MAGの値は63/70。

当然魔法を使ったので魔力は減っている。

しかし〈解析(アナライズ)〉と〈自己解析(セルフ・アナライズ)〉のどちらでどの程度減っているのかは分からない。

クレハは自身のステータスウィンドウを閉じて──


「〈自己解析(セルフ・アナライズ)〉」


もう一度ステータスウィンドウを開く。

MAGの値は61/70。

2減っている。

つまり〈自己解析(セルフ・アナライズ)〉の消費魔力は2、〈解析(アナライズ)〉の消費魔力は5ということになる。


(結構消費でかいな)


クレハの現在のMAG最大値は70。

解析(アナライズ)〉を14回使えば魔力切れになる。

魔力操作の練習に使うのは〈自己解析(セルフ・アナライズ)〉にすべきだろう。

兎に角魔力の流し方が掴めるまでは練習あるのみである。


「〈自己解析(セルフ・アナライズ)〉」


魔力の流れは胸の辺りから始まっている事に気付く。

そこから胴体四肢へと魔力は流れている様だ。

動かす感覚はまだ掴めない。

ただ、魔法を使った直後だけでなく、常にゆったりと身体を流れる魔力を認識出来ている……気がし始めた。


「〈自己解析(セルフ・アナライズ)〉」


今度はより細かく流れを認識出来た。

流れは幾重にも分枝している。


「〈自己解析(セルフ・アナライズ)〉」


掴める。そう確信した。

少なくとも自身の身体に流れる魔力はかなり明確に認識出来ている。

目を閉じてその感覚を焼き付ける。

クレハは早くも魔力の流れを操作する段階に立った。

分枝された流れ、その末端まで認識する。

魔力を操作する感覚は肉体的に何らかの力を込める感覚ではない。

認識した魔力そのものを意識で操作する感覚。


(……!!)


流れが僅かに加速する感覚。

操作できた。


(いや、まだ掴んだだけだ)


再度目を閉じて魔力操作を続ける。

まだ流れの末端まで操作出来ているとは言えない。

出来れば流れる魔力を隅々まで淀みなく操作したい。




──クレハは結局それから暫くして魔力による身体強化、という所で壁にぶつかり寝ることとした。

一応、これをやればコツを掴めるかもしれない、というプランは考えているがそれは明日にする事とした。

クレハはそのまま藁のベッドに寝転がり暫しの休息を享受するのだった。

尽きた、ストックが。

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