辻斬り③
ここは、ずいぶんと年季の入った日本家屋のようだ。
そこで僕は、この、あぐらの中にすっぽりと収まっている、狐耳ロリっ娘に、攫われてしまった。
いったいどうして、こうなってしまったのだろうか…。
__________数時間前__________
「辻斬り犯を捕まえる。」
ここは、柊 琴蝶さんの探偵事務所で琴蝶さんは今のソファーに座って僕と話をしている、だが、デスクに目をやると、そこは散々たる状況だった、荷物や色々な物を、デスクに置いて、片付けたつもりになっているのだろうか?
「昨日言っていた、あの、辻斬りの事ですか?」
一旦散らかったデスクの事は、考えずに僕は琴蝶さんに聞き返した。
「Yes.その通りだ、少年、アイツには私を驚かした借りを返してやらなければな。」
どうやら琴蝶さんは、辻斬り犯の事をかなり怨んでるらしい。
(ペン噛んでるし…。)
「しかし、奴をどう捕まえるかが問題だ。」
「神出鬼没で、斬られると、消えますからね。」
琴蝶さんはペンをクルクル回している、これもクセだろうか?
「アイツ意外とすばしっこくてな、手錠しようとしたら、避けられて、斬られたんだ。」
琴蝶さんは何かを描いている、それは…
「辻斬り捕まえちゃおう大策戦?」
「そうだ、少年、いい響きだろ。」
「それはそうと、絵、下手ですね。」
琴蝶さんの絵は、線は良いけど、バランスが壊滅的に終わっている。
(世辞言ったところで心読まれるから意味ないんだよな。)
「わ…私の絵が…下手、だと…!」
琴蝶さんはショックを受けたみたいで、項垂れている。
(あれ、てっきり、知っていると思ったのに、意外と、ダメージ受けてる。)
「嘘だ…!皆、すごいセンスだって、言ってくれたのに…。」
「ちゃんと、心読んだんですか?」
「いや…中学校に上がってから読んでないんだ。」
(何で?)
「小学校でやらかしてね、その後、皆からフル無視さ…、おかげであだ名は、小中、ずっと、幽霊だよ…マジ課長のネーミングセンス終わってるだろ。」
「酷いですね、」
琴蝶さんが、パン!、と、いきなり手を叩いた。
「さて、この事はさておき、本題に戻ろう、どうやって辻斬りを捕まえるか、だ」
「策は色々あるが、まだ確証が持てないんだ、だから君には…」
___________Z市___________
ここは、Z市、辻斬りがよく出るところで僕が住んでいるとろこでもある。
カチャ、ガチャ、と鎧が擦れる音が近づいてくる。
振り向けばそこには…
黒い…黒い甲冑に、赤が、いや、血が乾いて赤黒く変色したのだろうか。
全身を赤黒い甲冑を身にまとった辻斬りは、目をギラギラとさせ、錆びついた刀でこちらを斬り殺さんとする、辻斬りがそこに居た。
「それにしても…あの人、無茶言い過ぎでしょ。」
手が、震える、辻斬りが放つ圧が、ビリビリと空気が揺れているようだ。
「コイツからの斬りを1回でも避けろなんて。」




