洗うのってめんどくさい
僕は今、白シャツにジーンズの柊 琴蝶さんに、ちょくちょく来ると言われた警察署を案内されている、
「こっちが〇〇で〜、んで、あっちが▲▲で〜、」
と、琴蝶さんは案内してくれているが、いまいち話が入ってこない、…僕にも超能力があるらしい、でも…。
「……い…年…少…少年!」
目の前で琴蝶さんが手を振ってこちらを覗き込んでいる、キレイだな…なんて能天気な事を考えている…。
そう言えば…
「琴蝶さん、どうすれば能力に目覚めますか?」
琴蝶さんは意表を突かれたようで、ポカンとしている、
「すいません…!いきなり…。」
僕は少し恥ずかしくなり誤った、すると琴蝶さんは…
「あんまり焦らないことだ、少年、焦っても能力は目覚めないぞ、なに、案外すぐに発現できるかもしれないぞ。」
と僕を慰め?てくれた、それでもやっぱり気になってしまう。
「何か切っ掛けとか、ないんですか?」
琴蝶さんは少し考えて…
「…命の危機、かな?」
「命の危機ですか?」
琴蝶さんは手を腰に当たりに置き、解説をし始めた。
「能力が後天的に目覚めるには、命の危機が必要だ。」「人は命の危機に直面すると、火事場の馬鹿力、要は覚醒をする。」
「それが能力者の場合、筋力では無く、能力が覚醒する事もある。」
「と、言ってもこの説は、あくまでも上層部の空論だ、実際に私が体験した訳では無いし。」
琴蝶さんは蝶の付いた缶コーヒーを飲みながら………(待って、この人いつ買ったんだ?)
「私は先天的に能力があった人間でね、言ってなかったっけ?まっ、そのせいで色々…あったが、今は楽しく事件解決に勤しんでいるさ。」
「あっ、すまない途中から自分語りになってしまったね。」
僕はそんな事より、この人が一体いつ缶コーヒーを買ったのかが、ずっと気になっている。
琴蝶さんは、どうやら僕の目線が缶コーヒーに向いている事に、気づいたようだ。
「ふふ…少年、これが気になるかい?」
「えぇ、かなり気になります、いつ買ったんですか?」
「私みたいな先天的な人間は、能力の核を自由自在に動かせるんだ、それでお金をこの蝶に持たせて、パシリにした、と、言う訳だ。」
ズズッとコーヒーを飲む琴蝶さんを見ながら、僕は素直に感心して期待していた。
(僕も能力に覚醒すればこんな事も出来るのだろうか?)
「訓練すればこのくらいは、出来るようになるだろうね。」
相変わらず心を読んでくる人の事は、もう無視しようと考え次に気になっていた事を、質問してみた。
「いつまで、その格好でいるんですか?」
そう、琴蝶さんは今とても薄着なのだ、正直に言って目のやり場に困る、まだ透けてるし、どうにかしてくれないだろうか?
「うぅ〜ん、でもな〜オキニのコート泥まみれになっちゃたからな〜。」
と、琴蝶さんは駄々を捏ねている、この人は本当に訳がわからない、いつもは大人なのに、たまに、と言うかけっこう子供の様な一面を見せてくる、いや逆か?
(残念な様な良い様な…。)
「それほどでも♪」
とこちらに向けてピースしてくる。
………もう良いかぁ…疲れた。
「とりあえず、何か着れるものありますよね?何でも良いんで着てください。」
「あぁ~コート洗わなきゃな〜めんどいな〜クリーニング出すか〜」
まるで聴いていない。
(はぁ~、どうしようか、この人?)
「ふふ…そんなに言うなら仕方ない、確かスーツがロッカーに入っていた気がするから、着替えて来るよ。」
「あぁ、ついでに、この後コートをクリーニングに出しに行こうか。」
「僕も行くんですか?」
「この後うちの事務所に行くからね、まぁ、待ってて、すぐ着替えるからさっ。」
と、言って琴蝶さんはそそくさと行ってしまった。
そしてまた僕は一人ポツンと警察署の中に取り残されてしまった…。
珍龍の設定解説
能力の核について
能力の核とは琴蝶で言うなら蝶のことだ。
能力者は能力を使うとき必ず核を通して能力を使う必要がある、言わば核とは出力機である。




