黒は大人の色
「なるほどな…つまり、君は琴蝶から誘われて、超常現象対策課に来た、未覚醒の超能力者、てわけだな。」
この人は琴蝶さんの同僚らしく、名を、津田 辰巳さん、と言い、軽めのオールバックに黒のスーツをピッチリと決めている。
「しかし…、君、未成年か…」
と、唸っている。
「君には、ぜひ、うちで働いてもらいたいんだが…君は未成年だろ?」
「そうですね。」
「んんー……」
と、まだ、唸っている。
「あっ!アルバイトだ!」
「アルバイトですか、警察署で?」
と僕は聞き返す、そんな事、あり得るはずがない、なんせ、警察署だ、警察署がアルバイト募集など、聞いたこともない。
「いや、君には、ウチと裏で繋がっている、探偵事務所に行ってもらう、…やってんのは奴だが…。」
辰巳さんは、僕の両手を握り。
「ぜひ、君には、あっちで、アルバイトをしてもらいたい。」
辰巳さんは、ギラギラとした目で、こちらを射抜かんとする勢いで見てきている。
僕が少し困っていると…
「おいおい〜そんなギラギラした目で、うちの少年を見ないでやってくれよ。」
琴蝶さんはシャツにジーンズと、とてもラフな格好で、体からは、まだ、湯気が立っている、そして何より、透けている、何がとは言わないが、ほんのりと透けている、黒だ。
「おい…琴蝶、お前ちゃんと服を着ろよ、何でまた、ラフな格好をしてるんだ…。」
どうやら琴蝶さんの、ラフな格好は、これまでも、何度かあったようだ。
「別に〜この後は、出る予定ないですし〜良いじゃないですか、ラフでも、」
琴蝶さんはこちらをチラッと見て。
「こっちの方が、この子は良いみたいですよ?」
「はぁ…お前な…」
辰巳さんは、頭を抱えている、相当キツイようだ。
「それで、少年、君はどうしたいんだい?探偵事務所でアルバイトしてみるかい?」
僕は…
「やりたいです…、そこで働かせてください。」
「OK!そう言うことで、辰巳さん、書類とか色々お願い!」
丸投げた、この人、辰巳さんに思いっきり、丸投げた。
「おい!お前の事務所だろだろ、お前がやれよ。」
琴蝶さんは顎に手をあてカッコつけながら…
「どうすれば良いか、分からん!」
と、堂々と、言い放った。
辰巳さんは唖然としすぎて口が閉じないようだ、僕も大人として、どうなのかと思う。
「んじゃ、私は、ちょくちょく来る事になる、署の案内してくるんで、後よろしく〜。」
と、言い、僕の手を引っ張って、そそくさと出ていこうとした、と、言うか、もうすでに、出ている。
「あの…これからお願いします!」
と、どうにか、扉から出る前に辰巳さんに、挨拶が出来た。
「………」
辰巳はまだ、開いた口が閉じず、今起こった出来事を、ただただ、見ている事しか出来なかった。
「はぁ…何で俺がアイツの事務所の書類作るんだか…。」
と、頭を掻き、愚痴を吐きながら、書類を作る辰巳であった。
珍龍の人物紹介
津田 辰巳:琴蝶の同僚で琴蝶にランチを奢らされるところだった男。
実は服の中に何かが、潜んでいるらしい。




