表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRおじいちゃん ~ひろしの大冒険~  作者: オイシイオコメ
あの日の記憶
33/95

ひろし、さらに全振りする

 おじいさんたちはG区画の家に戻ると、視界に運営からのメッセージが現れた。


『本日のイベントのトラブルにつきまして 【読む】』


 おじいさんたちは「読む」を押した。


 ーーーーーーーーーーーーーー

 親愛なるプレイヤーの皆様。


 本日、ピンデチ近郊で行われましたバンドフェスティバル・オーディションで、トラブルが発生いたしました。


 今回はシステム上のトラブルが重なり、何者かが不正にアクセスしたことによるトラブルです。


 今回被害にあわれた方、解決にご協力頂いた方々には個別にご連絡差し上げますのでお待ちください。


 この度は多大なるご心配とご迷惑をお掛け致しましたことを心より謝罪致します。


 なお、現在は正常にシステムが稼働しておりますので、ご安心ください。


 オーディションにつきましては、しばらくの間延期させていただきます。


 何卒ご理解のほど、宜しくお願いいたします。


 ザ・フラウ運営部

 ーーーーーーーーーーーーーー


 すると読み終えたアカネが頭の後ろに手を組みながら言った。


「へぇぇ、こんな事もあるんだな。まぁ、何かあってもまた倒してやるよな、黒ちゃん?」


「おう!」


 今度はメッセージを読み終えためぐが残念そうに(つぶや)いた。


「えー、せっかく練習したのにオーディション延期だって。がっかりだよ」


「ん? なんだこれ」


 アカネは何かに気づくと、みんなの視界には運営からのメッセージが現れた。


「解決にご協力いただいた皆様へ 【読む】」


 おじいさんたちは「読む」を押した。


 ーーーーーーーーーーーーーー

 今回のトラブル解決にご協力頂きましてありがとうございました。


 記録されていたログにてプレイヤーIDを確認させていただきました。


 ささやかでは御座いますが、プレゼントをお受け取りくださいませ。


 プラチナ・ガチャ10回券 【使用する】


 ザ・フラウ運営部

 ーーーーーーーーーーーーーー


 すると、メッセージを読んだアカネが叫んだ。


「プラチナ・ガチャだ! 今の職業で使える★5確定じゃん!」


「やった! 何が出るかなぁ」


 めぐもテンションが上がった。


 みんながガチャを引き始めたので、おじいさんも「使用する」ボタンを押してみた。


 すると自動で10回ガチャが引かれた。


 鉄の弓 ★★

 闇の甲冑 ★★★

 ステータスポイント 1000p ★★★★★

 回復薬 ★★

 ライト・モービル(三輪自転車) ★★

 プクナ 100p ★★

 銀のナックル ★★★

 プクナ 100p ★★

 魔導士の杖 ★★

 厚手のジャージ ★★★★


 おじいさんは、なんとまた★5のステータスポイントを引き当てた。


「ええと、これは確か……」


 おじいさんは左上にあるSPをタッチして小窓を開くと「変換」ボタンを押した。


 [残り 1004p(99%換算済)]

 物理攻撃力 1245

 魔法攻撃力 なし

 物理防御力 0

 魔法防御力 0

 素早さ   0

 器用さ   0


 結局おじいさんは、もう、ここまで来たら。と思って、こうなった。


 [残り 0p]

 物理攻撃力 2249

 魔法攻撃力 なし

 物理防御力 0

 魔法防御力 0

 素早さ   0

 器用さ   0


 そして、気になった「厚手のジャージ」もアイテムのNEWから選んでみた。


「おおっ」


 すると、おじいさんのジャージが小豆色から深緑色に変わった。そして着心地が良くなり、防御力が150になって毒と麻痺に対する耐性ボーナスも付与された。


「あぁ、これはいいなぁ」


 おじいさんは新しいジャージに喜んだ。


「え!? は! やった!」


 なんとイリューシュが珍しくハイテンションで喜んでいた。


「イリューシュさん、何かいいものでも当たったのですか?」


 おじいさんが尋ねると、イリューシュは笑顔で答えた。


「これです!」


 すると、サッカーボールくらいのモフモフでまん丸の鳥が現れた。


「ぴぴぴ」


 イリューシュが鳥を撫でると、うずくまって気持ちよさそうにした。


「あぁ、可愛いですね」


「そんなんです、もう何年も欲しくて!」


 今度はアカネが大声を上げた。


「しゃあぁっ! ステータスポイント1000pゲット! 無職の★5は、すげぇな!」


「ええ、アカネ凄い!」


「めぐは何出たの?」


「え、この杖!」


 めぐは杖を高く(かか)げるとアカネに杖の説明をした。


「これ、基礎魔法攻撃力20%アップで、10%の確率で最高魔法が出るんだって」


 それを聞いた黒ちゃんがめぐに言った。


「そ、それは素晴らしい。雷の最高魔法を食らったから分かるが、凄い破壊力だぞ」


「そうなんですか? うわ、楽しみ!」


 するとアカネが黒ちゃんに尋ねた。


「黒ちゃんは何出たの?」


「わたしはこの剣が出た。もうこれ以上の両手剣は無いかもしれん」


「ええ? どんな剣だよ」


「これは火を(まと)わせると会心率100%になる」


「はっはー! 黒ちゃんにぴったりだな」


 ちなみに同じガチャを貰ったおばあさんは、めぐと同じ杖を手に入れていた。


 そして、マユは素早さが上がる剣、メイは防御力・回復力が30%上がる杖、ナミは3本同時に矢が放てる弓が当たった。


 おじいさんたちも、おばあさんたちも、時間が遅くなったので、また明日会う約束をしてログアウトした。



 イリューシュは現実世界に戻ると、スマホで電話をした。


「もしもし、エージェントです。はい。はい、そのようです。……わかりました引き続き警戒します。後ほどレポートを送信します」


 イリューシュは電話を切ると、ノートパソコンを開いた。



 おじいさんは現実世界に戻ってくると、おばあさんが夕飯を作っていた。


「ただいま」


「あら、おかえりなさい! 今日は格好良かったですよ」


「ええ? もしかして見ていたのかい?」


「ええ、こっそりと」


「いやぁ、でも危なかったんだよ。だけど、回復の薬をくださった方がいて助かったんだ」


「あら、それは良かったですね。うふふ」


「おばあさん、せっかくステージに来てもらったのにトラブルに巻き込んでしまって、すまなかったね」


「何言ってるんですか。あなたが悪いわけじゃ無いじゃないですか」


「あぁ、そうなんだけど……。はは」


 おじいさんとおばあさんはテーブルにつくと両手を合わせて夕飯に頭を下げた。


「「いただきます」」


 おじいさんは(はし)を持つと、ふと思い出しておばあさんに尋ねた。


「そう言えばおばあさん、新しいお店は決まったかい?」


「ええ、広くて綺麗なお店に引っ越したんですよ」


「それは良かった。どこら辺にあるんだい?」


「うふふ、それは内緒ですよ。ゲームの中ではこの世界とは違う人間を楽しんでいますから」


「あぁ、そうか、そうだったなぁ」


「内緒で遠くからおじいさんを見るのも素敵なんですよ。お付き合いする前みたいで」


「ははは、なんだか恥ずかしいなぁ」


 今日もおじいさんとおばあさんは夜遅くまでお喋りした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 本作品は現在カクヨム様にて最新話まで公開中です。

 【カクヨム様ページ】 https://kakuyomu.jp/users/014105me/works
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ