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◆致死率96%■  作者: 湖灯


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13/20

【沖縄沖海戦⑤(Naval Battle off Okinawa)】

「距離30でミサイルを発射する! それまで低速で高度10以内で侵入する」

「了解!」

 低速とはいえ高度10mで飛行するのは勇気がいる。

 ほんの少しの風でも、読み間違えばすぐに海面に叩きつけられてしまう。

 操縦桿を握る隊員たちの手には汗が滲んでいた。



 中国海軍の艦の種類が分かれば、その艦の上に乗っているレーダーの位置もわかる。

 高度10mで侵入した場合、中国艦が我々を発見できる距離はおよそ23㎞地点。


 もちろんこのF-35は、レーダーに映りにくいステレス機だから、その距離で発見されることはまず無いとは思うが用心にこしたことはない。


 距離30㎞手前からマッハ2.5+で飛行するサイドワインダーが敵艦に命中するまでの時間は約37秒。

 その間、我々は低高度を維持したままサイドワインダーの赤外線カメラから送られてくる映像を見ながら、時速700で飛行すると7.2㎞進みちょうど中国海軍のレーダーの索敵範囲に到達する訳だが、それとほぼ同じ時刻に中国海軍の索敵能力のほとんどは失われているはず。


 もちろんF-35Bはホバリングもできるから、もっと速度を落として距離を詰めないことも出来るが、その場合こっちも低空に居るが故に敵機の捜索能力も低くなっていて不意に敵機に襲われた場合ゼロ速度からの動き出しでは間に合わない。



「間もなく敵艦隊との距離40!」

「全機サイドワインダー発射用意! 目標は敵艦のマスト基部!」


「了解!」

「発射!」


 格納庫から投下したサイドワインダーが海面すれすれで点火して10本の白い煙の羽衣を揺らしながらグングンと前に進んで行った。


 距離40で第1弾を発射したあと、距離30で第2弾を発射した。


「そのあとは、このまま真直ぐ進み近距離からCIC(戦闘指揮所)を狙う! 誰かCICの場所を知らん者は居るか?」

「艦橋ですか?」


「ばか!艦橋は操舵室で、そこを破壊したところで、操船は機関室で担える。CICはおおよその艦で、マスト直下の喫水線上の船体中央部だ!覚えておけ」

「了解!」




 いっぽう海上自衛隊「まや」の艦橋では最後に残った1発のミサイルが襲い掛かっていた。


 キーンと耳鳴りがするほどの音と共に、その耳鳴りさえ聞こえないほどの爆音がしたと思う間もなく、まるで津波に襲われたように艦が傾き大量の海水が船を叩く。


 巨大な水柱がいくつも上がり、日の光を遮り辺りは夜のように暗くなる。

 激しい衝撃で、艦橋には、転ぶ者もいた。


「各担当者は、被害状況を報告せよ!」

「操舵室、異常なし!」

「機関室、異常なし!」

「CIC、異常なし!」

 各区画の担当者から次々に状況報告が入る。


 どうやらみな無事のようだ。

 そう思って安心したのも束の間、大きな被害が報告された。


「厨房、カレー鍋3基横転! 燃料流出中‼応援乞う!」


「こりゃあ大変だ!俺たちの燃料がこぼれたぞ!」

 誰かがそう言うと、みんなが腹を抱えて笑った。


「手の空いているものは、バケツと雑巾を持って、厨房の復旧作業を急げ!」

「引き続き爆発物の固定状態、燃料および各種可燃物・危険物の配管系統の漏れなどの点検を厳にせよ!」


 どうやら上空に待機している電子戦機「EC-1」や、「むらさめ」と「いかづち」が放ったMk.137 デコイのおかげで中国軍の放った対艦ミサイルは僅かに逸れてくれて我々は助かった。


 遠くに居る「きりしま」たちも、どうやら無事のようだった。



「ヒット!」

「ヒット!」

「ヒット!」

 「いずも」から出発したF-35Bが次々に対空兵器であるサイドワインダーを中国海軍の艦艇にヒットさせていき、結局10機が発射した全てのミサイルが中国海軍の駆逐艦に命中した。

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