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◆致死率96%■  作者: 湖灯


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【沖縄沖海戦⑥(Naval Battle off Okinawa)】

 サイドワインダー第3弾発射用意!目標、艦橋下喫水線!」

「了解!」


「発射!」


 隊長機の指示で各機から3発目のサイドワインダーが発射される。

 レーダーが潰されているためか、中国海軍のフリーゲート艦からの対空攻撃はなく、各艦が統制無く回避行動を取っているだけだった。


「危ない!」

 無線から隊員の声が響く。


 何事かと目を空に向けようとして止めた。

 危ないという言葉の理由が、海にあることが分かったから。


 退避行動を取るフリーゲート艦たちが海に描く輪が、今まさに重なり合おうとしていたのだ。

 隊長機はすぐにC4IシステムのAIに、この2隻にロックオンしているミサイルをコントロールしている隊員2名を割り出させて外すように命令した。

 2人は即座にミサイルを海面近くから上昇させ、違う目標を探した。


 残った8発のミサイルが次々に艦の中央部付近に突き刺さり爆発する。

 爆発の規模は対艦ミサイルが当たったときの時のように大きくなく、艦を中央部で真っ二つにへし折るようなこともない。


 しかしたった60㎏の炸薬とはいえ、時速1000キロ近い物体が当たったのだから、そのダメージは計り知れないほど大きい。

 衝突した2隻を回避した2基のミサイルも、遅れて他の艦に命中した。


 衝突した艦のうち艦首から相手の側面にぶつかったほうは、艦橋から先の艦首が折れて分離していた。

 そして横腹に当てられた方はかなり大きなダメージを負ったらしく、既に艦が当てられた方に傾斜していた。

 隊員たちの目がその光景に釘付けになるなか、隊長機から撤収の指示が飛んだ。



「サイドワインダー、最後の1発がありますが」

 新米の隊員がそう言うと隊長は、これ以上の戦果は無意味だと言ったあと、もしも敵機と遭遇したときに何を使って戦うつもりかと新米隊員に聞いた。


 F-2が去るのを見届けるように、味方艦と衝突して横に傾斜していた艦がほっと溜息をつくように最後の煙りを上げたのちにゆっくりと環境を波打ち際に寝かせる。


 その様子が乗組員の生死にかかわるもののはずなのに、艦のほうはまるで水族館のラッコが遊びでそうするように、くるりと回って海上に赤い腹を見せた。




 こうして中国の貨客船団を率いていた60隻の中国海軍艦艇は最後に残った15隻も無力化され、事なきを得たかに思えたが事件はまだ終わってはいなかった。


 なぜか無防備になったはずの貨客船団が、再三の警告を無視して進路を沖縄本島に向けたまま突き進んできたのだ。

 各船には数百人の政府要人に混じってその家族を始め、数千人の富裕層と呼ばれる民間人も乗っている。


 速度も緩めずに真直ぐに突き進んでくるその姿は、まるで太平洋戦闘当時の神風特攻隊そのもののように思えた。


 船の中には要人の護衛のために、武器を持った警官や軍人も大勢居るに違いない。

 まさか接近戦を挑んでバズーカ砲や機関銃で護衛艦に立ち向かうつもりなのか?


 本来であればヘリやボートを使って兵員を送り込み、武装解除させて拿捕するところだが、今回それはできない。

 砲を使って威嚇射撃をして停船を促しても、従わないばかりか逆に護衛艦に体当たりでもしようとするように舵をきって接近して逆に威嚇してくるありさま。


 実際問題、船体の強度は迅速性を求めて建造された護衛艦よりも、安全性や生存性を重視して建造されたタンカーや客船のほうが強い。


 体当たりされれば圧倒的に護衛艦のほうが不利だし、無事であっても中世の海賊のように船に乗りこまれてはたまったものではない。


 いったいどちらが主導権を握っているのか分かっていない、あいかわらずの中国節。

 仕方がないので砲で艦尾にあるスクリューや舵を狙って撃ち、船の航行自体をできなくする措置を取らざる負えなくなった。

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