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<メイさ~~ん!>

ここは霊界監視人の社宅内会議室。今日は毎週土曜日の定例会議の日である。

本当は先週末にあるはずだったが、その時は例の錦糸町事件の直後でもあり、まだ舞もジャネットも復帰できずにいたので、1週間空けての開催になった。


幸い、舞もジャネットも事件から3日後にはほぼ回復していたが、念のために検査入院も含めて、それぞれ1週間は入院及び休養に充てられていた。

そして今日も、いつものように9時過ぎには仲良し4人組とジャネットが既に集まっていた。


しかし、流石にいつものような、和気あいあいとした感はない。


「はぁ~……」

舞が今日、何度目か分からない溜息をついた。


「舞さん……ごめんね。一番きつい時に、私は意識を失ってしまっていて……」

ジャネットが申し訳なさそうに舞に謝っている。


「ううん、違うの。ジャネットは勇敢だったよ。あまりの力の差に私たちが絶望しかけたのを、果敢に挑んでいったのだから」

舞はジャネットの気持ちを思うと、何もできなかった自分が益々情けなかった。


「そんな事ないよ。舞がみんなを鼓舞し続けたから、捜査員のみんなも最後まで頑張れたって聞いているよ」

ジャネットも舞を励ますように声をかけた。


そんなやり取りを、紫音と佐藤君はかける言葉も見つからずに、ただただ黙って見守っている。そして普段から無口な真美ちゃんも、今日は一段と静かに控えていた。


「違うの。違うのよ。メイさんがいたから。メイさんが自分を犠牲にして、私たちの盾になってくれたから……」


そう言いながら舞は、再びあの凄惨な光景を思い出して、涙を溢れさせた。

それを見てジャネットも泣き出してしまう。


さらには真美ちゃんも、体を震わせながら泣きじゃくりだしてしまった。

こうなると、3人は互いの泣き声にさらに誘発されて、泣き声が止まることはなくなった。

紫音と佐藤君は、お互いに顔を見合わせながら溜息をついているだけであった。


その後もまるでお通夜のような会議室であったが、そこに突然、ドアが開いてリピウスが入ってきた。


「よう!」

入るなり手を上げて挨拶したのだが、舞もジャネットも真美ちゃんまでもが目を真っ赤にして見つめてくるし、紫音と佐藤君も唖然とした表情で見つめてくるので、思わずリピウスはその場に立ち止まってしまった。


「リピウス! 珍しいじゃない、貴方がこんな時間に来るなんて」

これは紫音である。確かにいつもは5分前に来るリピウスが、30分も前に来たのだから、驚くのも無理はない。


その声にリピウスもフリーズが解けて、

「ま、まあね。みんなもメイを心配しているって聞いたからさ……」

と言いつつ、再び歩き出した。


するとリピウスの後ろから、コーヒーセットを乗せたワゴンを押して、メイさんがヒラヒラのメイド服姿で入ってきた。


「え???」


全員が、唖然とした表情でメイさんを見つめている。

そんな視線を無視しながら、テーブルに近づくと、メイさんは紫音から順にコーヒーカップを置いては、空間から取り出したポットのコーヒーを注いでいく。

同時に、美味しそうなモンブランの乗った皿を並べていった。


「メイさん。メイさん、治ったの? もう大丈夫なの?」

舞は思わずメイさんに手を伸ばしながら立ち上がり、傍へ行こうとしている。


「メイさん! メイさんごめんね。私が不甲斐ないから、メイさんにばかり辛い思いをさせてしまった……。本当にごめんなさい」

ジャネットは再び声を上げて泣き出した。


それに釣られて、舞も再び声を出して泣き出してしまった。

泣きながらメイさんの傍へ行き、そっとメイさんの肩に触れながら、

「メイさん、本当に大丈夫なの? もう元気になったの?」

と、様子を確認しながら声をかけ続けている。


「はい。私は元気ですよ。舞さん、どうしたのですか? 何故泣いているのですか?」


メイさんは明るい声で、逆に舞を労わるように体を支え、励ましているようであった。

そこへジャネットも駆け寄り、

「メイさん、メイさん」

と泣きながらメイさんに縋りついていた。


「ジャネットさんもどうしたのですか? 何故泣いているのですか?」


メイさんは舞とジャネットの行動が全く理解できていなかった。

しかし、二人がしがみつく様にして泣いているので、そこから離れることもできずに、ただただ二人の背中を撫でているだけであった。


紫音は、そんな様子を見て違和感を抱いていた。そしてリピウスの方を向くと、少し睨んで言った。

「ねえ、リピウス。どういう事かそろそろ説明しなさいよ」


佐藤君も何か違和感を感じていたので、リピウスの方へ何かを訴えるような眼を向けた。


「はぁ~……。分かったよ。説明するからさ、そこのメイにしがみついている二人を何とかしてくれよ」


リピウスは、うんざりしたような表情でそう答えた。

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