<意外と早く判明した>
意外にも数日後には、ヨルダ爺を通じてシステム管理センターから連絡があった。
それは第一のワープポイントでの探知結果だった。
「どうじゃ? 何か分かったかの?」
ヨルダ爺が送られてきたデータをリピウスに渡し、その結果に関して聞いている。
「うん。これは管理棟4階のワープゲートだね。予想通り行き先は、北京にある超能力研究所本部だったよ」
リピウスは以前既に調査した映像をパソコンに映し出して示した。
「ほう。では既に調査済みの場所という事かの?」
ヨルダ爺とデュークは興味津々で画面を覗き込んでいる。
「という事は、こっちは空振りという事か……」
デュークがさも残念そうに呟いた。
「まあね。でも行き先が判明した事は良い事だよ。この本部は張りぼてのような、特に重要な施設ではないけど、以前確認して嘉助さん達に報告したら、出入りしているのはソルダーという上級悪魔だって分かったからね。彼は超能力研究所の副所長でもあるんだ」
リピウスはさらに言葉を続ける。
「ただし、彼もかなり勘の鋭い奴でね。霊力ドローンで調査していたら、それに気づいた気配があったので、今はかなり離れた場所からの監視に留めているのだよ」
リピウスの説明に、ヨルダ爺とデュークも分からないまでも頷いてみせた。
「となると、もう1ヶ所の方が問題という事じゃな?」
「そうだね……。正直言うと、あまり行き先は覗きたくないような気がするのだけどね」
リピウスが実に嫌そうな顔をしている。
「どういう意味だい?」
デュークまで不安げな表情で聞いてきた。
「う〜ん……。要は普通の神経の者なら、見たくないような光景が予想されるからだよ」
不敵な笑みを浮かべながらリピウスは言う。
「おいおい、脅かすなよな」
怖がりのデュークはおちゃらけながらも、かなり嫌そうにしている。
その後、さらに二日後に再び連絡があった。
ヨルダ爺がその結果をリピウスに渡すと、リピウスは直ぐに嬉しそうな顔になって喜びの声をあげた。
「やった! ヨルダ爺ビンゴだよ。初っ端からワープ先が判明したよ」
「本当か? そんなに簡単に判明するものなのか?」
デュークもリピウスに引きずられて嬉しそうだ。
「ほっほっほ。デュークや、それはな、リピウスが最初から予想をして、確率の高いエリアを示していたからじゃよ。やはりリピウスの勘は馬鹿にはできんのう」
ヨルダ爺もなぜかドヤ顔をして喜びの声を上げた。
「まあね。多分この跳び先ってのが、求める研究施設なのだろうと思うのだよね。なら悪魔が使うような場所と言えば、洞窟とかで外部と切り離された場所だろうと予測していたんだよ。そう考えれば、中国にも近いベトナム辺りが第一候補と思ってね。大正解だったね」
リピウスもドヤ顔で自慢げに解説した。
「へぇ〜……。ちなみに第二候補ってのはどこだったんだい?」
デュークが興味深そうに聞いてきた。
「そうだね。第二候補としては、スロバキア、ハンガリー辺りかな? あとはルーマニア辺りまで含めても良いかもしれないとは思っていたよ。もしかしたらダーズリー卿の本拠地ってのは、この地域辺りにあるかもしれないけどな」
リピウスは少し考えるようなポーズをしながら答えた。
その後も少し雑談をしたが、リピウスも早く現地の探索を始めたいようで、いつもの小会議室へと移動した。




