<ついに発見?>
ジャネットはその後も頻繁に、リピウスの部屋に来るようになった。ただ、今までとは違う面も見せていた。それは熱心にメイさんと、戦闘訓練を始めた事だ。
「あたしは杏子さん達のように、人間界を守るために来たんだからね。もう悪魔とだって立派に戦って見せるから」
そう言って、毎日のようにメイさんと訓練ルームに入っては修行をしていた。
何度かリピウスも見学したが、以前の腰砕け状態とは異なり、それなりにメイさんとも戦えているようだ。
「どうだい? あたしもあれから、かなり戦闘訓練は受けてきたんだよ」
「ああ、それなら中級悪魔くらいなら、大丈夫かもな」
リピウスも認める事にした。
そんなある日、真美ちゃんから「見てほしいものがある」と言われ、彼女の部屋へ行ってみた。
なぜかジャネットも、たまたま一緒にいたのでついてきてしまったが。
「リピウスさん。一応、刑務所関係も調査してみたんで、確認してもらえますか?」
真美ちゃんがC国の地図を画面に映して、リピウスに見せた。
そこには、施設の種類ごとに色分けされてプロットされた画面が重ねられていた。
「この水色の点が刑務所だね?」
そう言いながら、リピウスは点をクリックしてメモ書きを確認しながら見ていく。
「結構あるんですけど、またドローンを設置できますか?」
真美ちゃんが呼んだのは、場所を特定したので、ドローンで施設内を確認したいという事であった。
「結構あるね。軍と関連の強い所があれば、そこから見ていくのが良いかな?」
「はい。あと1ヶ所、元々は刑務所だったんですが、今は閉鎖されているみたいな所があったんです」
そう言って、画面上のグレーの点を指した。
「今は何の施設かは分からないんだね?」
「はい。古い情報では刑務所となっていたのですが、最新の情報だと該当する場所の情報が無いんです」
リピウスは地図上で場所を確認すると、該当施設にネットワーク網があるか確認し始めた。
すると、施設内にアクセスポイントが確認できた。
「ここにドローンを設置してみよう」
そう言うと、ドローンをネットワークを通じて設置した。そして真美ちゃんのPC画面に映像をリンクさせた。
「お! 映った」
見ていたジャネットが嬉しそうに画面を覗き込んだ。
映った場所は、何かの制御室のようであった。
「ここは監視モニターが幾つも有るから、監視カメラの制御室かもしれないな」
リピウスの言うように、室内には複数の監視モニターが設置されており、何人かの警備員のような人たちが、画面をチェックしているようだ。
「やっぱ、今でも刑務所なんじゃないか?」
ジャネットの言うように、監視モニターの画面を見ても、刑務所内の様々な場所が映されているように見える。
リピウスはさらにドローンを追加して、施設の外へと飛ばしてみた。
すると、周囲を囲む壁際に近づいた際に、ドローンが何かを検知した。
「ん? これって魔力による結界かもしれないな」
リピウスはドローンが検知した情報を見て、魔力を検知している事を確認できた。
「魔力ですか?」
真美ちゃんは驚いているようだ。
「ここは怪しいな。外部からの侵入を防ぐため、結界が張られているかもしれない。今回はネット回線を使って、直接内部に入り込んだので、結界をすり抜けたようだけどね」
「魔力の結界って事は、悪魔が張った結界という事か?」
ジャネットが興味深げに画面を見ながら聞いて来た。
「そういう事になるね。ここが探していた研究施設なのかもしれないな」
そう言うと、リピウスは嘉助に連絡を入れ、一緒に確認する事を頼んだ。
嘉助は急いで真美ちゃんの部屋まで来てくれ、そこでリピウスの説明を聞きながら、ドローンの映像などを確認した。
「リピウスの言う通り、ここが探していた研究施設であり、ダーズリー卿達の本拠地の可能性があるね」
そこで嘉助は、この施設だけはリピウスが直接、ドローンを操作して確認してほしいと指示した。それ以外の刑務所関連は、セバスがドローンの設置と解除を行いながら、真美ちゃんが引き続き内部を確認する事になった。
停滞していたC国調査が、ようやく動き出したようである。




