<C国調査再開>
リピウスは久しぶりにC国調査を再開する事にした。
最近は真美ちゃんに、霊力でのネットワーク活用方法を伝授し、リピウスの霊力ドローン制御も真美ちゃんの方で制御できるようにしたので、任せっきりであった。
リピウスは真美ちゃんと一緒に、C国の地図を眺めていた。地図には軍関係の施設がプロットされている。
「こう見ると多いな〜……」
「本当ですね。でも、これらには霊力関連の装置開発をしている様子はないですね」
プロットにはメモが記されている。それは二人が実際に偵察した際に得た、施設の概要が書かれていた。
「どうも通常の輸送手段は使わず、全てワープ経由で連携しているみたいだね」
「それだと追跡も不可能なんですよね?」
「まあね。次元転移ってやつだからね。流石にドローンも異空間では消滅しちゃうからな」
リピウスは地図をジッと睨みながら、考え込んでいる。彼が気になっている事は、行方不明になっている能力者たちの所在であった。
「ねえ、ここまでの中で、人を収監しているような場所はなかったか?」
「収監ですか? それは刑務所とかですか?」
「刑務所か……」
そう呟くと再び地図に目を戻した。今まで刑務所に関しては、調査の対象にはしていなかった。
「軍関係の刑務所っていうのもあるよね?」
「さあ……。今まで気にした事はなかったので……」
「ねえ、悪いけど刑務所関連も探してくれないか? 特に軍関係のがあれば、そこは念入りにね」
「分かりました。これから確認してみます」
そう言うと、真美ちゃんはネットで何かを調べ出した。
その様子を確認すると、リピウスは彼女の部屋を出て、自分の部屋へと戻った。
部屋にはヨルダ爺とデュークが来ており、なぜか彼らの向かい側にはジャネットも座っていた。3人はコーヒーを飲みながら、お菓子を美味しそうに食べていた。
すると、ジャネットがリピウスに気づいた。
「お! リピウスお帰り〜」
「ああ、ってジャネットも来ていたんだ」
「そうなんじゃよ。いやいや久しぶりに会ったが、実に面白い娘じゃのう」
なぜかヨルダ爺に気に入られているようだった。
「ねえねえ、リピウス聞いてよ。嘉助って酷いんだよ」
リピウスがジャネットの隣に座ると、ジャネットが愚痴を言い出した。
ジャネットは嘉助に色々と釘を刺されたようだ。
「そりゃね、あたしも前回は随分無茶もしたかもしれないよ。でもね、今回はお客様ではない事ぐらいは、十分理解して来たつもりなんだよ」
どうも嘉助は、前回リピウスと一緒にC国食べ歩きをした件を引き合いに、「監視員ではそんな贅沢は一切できない」と忠告したようだ。
前回の食べ歩きの経費は全て嘉助の方で処理していたので、あの調子で居られたら、たまったものではないという事らしい。
「まあ嘉助さんも随分と苦労しているからね。ジャネットも分かってやりなよ」
「そりゃそうなんだろうけどね。でもさ、あたしだって人間界を守りたいって気持ちで来たんだからね。少しは分かって欲しいだろうが」
「うんうん。分かってるって。なあデューク」
「ウグッ! 急においらに振るなよ。クッキーが喉に詰まるだろうがよ」
急にリピウスに言われて、デュークが慌てている。
「ほっほっほ。しかし名コンビの復活じゃな」
ヨルダ爺は相変わらず愉快そうである。
「ところでC国の調査は進んでいるのか?」
ジャネットが気になるようで聞いてきた。
「いや、あれから全然進んでないぞ。向こうもかなり警戒しているみたいだからな」
「そうなのか? また協力できることがあったら、遠慮なく言ってくれよな。なんたって、あたしは恩返しに来たのだからな」
そんな言葉にも、リピウスはかえって不吉なものを感じてしまうのであった。恐らくそれは、嘉助も同様であったのだろう。




