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<ダーズリー卿の考えそうな事>

リピウスの話を要約すると――。

ダーズリー卿は悪魔の軍団を後方攪乱などのゲリラ戦的な使い方をし、人間界の支配に関してはC国を始めとする同盟国を利用して、人間同士の戦争に勝利する事によって進めるという事になる。


だが、現在の人間界の軍事バランスを見る限り、同盟国側より米国を中心とした連合国軍の方が勝っているという。


「ふむ。リピウスの言いたい事は分かるのじゃが、どうもC国主導で引き起こす世界大戦が理解できんのう……。どう考えても負け戦になるじゃろうが……」

ヨルダ爺は疑問をストレートにぶつけてきた。


「そうだよな。悪魔の軍団が表面に出ない状況では、どう考えてもC国同盟軍の方が不利すぎるのではないか?」

デュークでも分かるくらいに、その差は歴然としていた。


リピウスは深く何かを考えているようであったが、ようやく口を開いた。


「認めたくないのだけど……たぶんダーズリー卿というのは類まれなる天才科学者なのではないかな? 彼は800年間、人類の歴史と科学の発展も見てきたと思う。特に戦争と兵器開発の歴史もね」


ここで一旦言葉を区切り、コーヒーで喉を少し潤した。


「だから、彼はこの軍事バランスを覆すほどの、『悪魔的兵器』をC国同盟軍に提供するのだと思う」


この言葉は、ヨルダ爺とデュークに衝撃を与えた。


「おいおい! 悪魔的兵器ってなんだよ。そんな怖い物が存在するのかよ?」

デュークの慌てようをヨルダ爺が制して、リピウスに問うた。


「これデューク、落ち着きなさい。で、リピウスは何か具体的な兵器を想定しているのかの?」


「いや、そこまではまだ……。そうだヨルダ爺、霊界には霊晶石れいしょうせきを使った兵器というのは無いのか?」


逆にリピウスが聞いてきた。ヨルダ爺は考え込んでいたが、首を振りながら答えた。


「いや、わしの知る限りは、霊力を封印した兵器というのは知らんのう。と言うか、そんなものの研究自体が、霊界では禁則事項じゃからな。そのような研究をすれば、確実に魂は穢され幽界で幽閉されるじゃろうよ」


「やはりそうか……。たぶんダーズリー卿は、魔晶石に魔力を封印した兵器を作ると思う。種類としては、防御バリア系と攻撃力強化系だろうね」


「お! 防御バリア系という訳では無いが、霊界にも『侵入検知・禁止』機能を持つ、結界装置というのがあるの。それ系統なら防御バリア系の能力を封印すれば、防御兵器にもなるじゃろうな」


ヨルダはリピウスの言葉にヒントを得て、思い当たった事を知らせた。


「リピウスが言っているのって、おいら達が使っている霊力検知器とかワープ用ターゲット装置みたいに、霊晶石を利用した装置の事なんだよな?」

デュークがやっと話に追いついてきたようだ。


「そうじゃよ。霊界でもその手の装置は色々と研究はされておるからな。じゃが、兵器的な意味合いの物は、さっき言ったように研究すら不可能じゃがな。防護バリア的な物であれば可能じゃろうが……」


「ダーズリー卿には、そんな制約も無いからね。仮に防御バリア系の盾だけでも、既存の軍隊にとっては脅威だろうね。攻撃が通じなくなってしまうのだから。さらに銃器タイプで威力が戦車砲並みだったら、連合軍はパニックで逃げ出しかねないよな」


リピウスは話しながら、自分でも恐ろしくなり始めていた。


「これは早急に嘉助にも話した方が良さそうじゃな……」

ヨルダ爺は考え込んでしまった。


「うん。俺もその方が良いと思う。問題は魔晶石を利用して、どの程度の威力を持った兵器が製造可能なのか? それが知りたいよね。ERIの研究者なら、ある程度は分からないだろうか?」


「うむ……。さっきも言ったように、研究自体が禁則事項じゃからな。とは言え、研究者なら霊晶石を利用した場合の霊力効率などは把握しているじゃろうから、魔晶石換算にした目安程度は出せるかもしれんな」


ヨルダ爺の話を聞いて、リピウスもデュークも大きく頷いた。

そして早速、彼らは嘉助に報告に行く事にした。

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