<決着の時>
悪魔教団の顧問は、正面口から少し離れた樹上にいた。
そこから正面での戦闘状況を見守っていたのであった。
(ありゃりゃ、これはまずいですね〜……そろそろ潮時ですかね)
そう言うと、スルスルっと木から降りて、ゲートへと向かった。
すると木陰から、大柄な女性がスッと前に現れた。
顧問の男がハッと気づいて立ち止まると、女が声を掛けてきた。
「おや、もうお帰りかい? まだ仲間が戦っているのに」
その言葉を聞くと、やれやれという表情で首を振りながら言う。
「もう決着はついたでしょう。私の役目も終わったと言う事ですよ」
「そうかい? あんたにはまだ、あたしの相手をしてもらわないといけないんだけどね」
「冗談だろ? 俺はあんたの相手をしているほど暇じゃないんでね」
そう言うと、閃光を杏子目掛けて放つと走り出した。
一瞬視界を奪われたが、杏子はすぐに男を追った。
もう一息でゲートに着くという所で、ゲートの前に一人の男が待ち構えていた。清君であった。
清君は両手を広げて、男の行く先を遮った。
「はい、ここまでね」
清君の言葉に立ち止まると、その背後には既に杏子が迫っていた。
止む無く男は清君に向かって突進した。
だが、その足に杏子が放った火炎弾が炸裂し、男は足を引きずるようにして倒れた。
顔を上げると、そこには杏子が見下ろしていた。
男は観念したように、首を振りつつうなだれてしまった。
それを見て清君が、拘束具を男に装着して拘束した。
「これで3ヵ所のゲートも全て押さえたね」
杏子の言葉に清君も頷いた。
杏子達はこちらへ移動すると、最初に裏口側のゲートを制圧して、そこにいた魔界衆らしき男を拘束した。
その後、別のゲートはセバスが制圧したとリピウスから連絡があったので、正面側へと回ってゲートを押さえたのであった。
セバスはリピウスの指示を受けると、真っ先に遊撃隊方面のゲートを押さえた。
そこにも魔界衆らしき男がいたが、セバスの相手では無かった。
簡単に制圧して拘束すると、彼は遊撃隊が潜む場所へと移動した。
「そろそろ終わりの時間ですよ」
シェリエ達は何の合図も無いため、状況も分からずジリジリしていた。
するといきなり背後から声が聞こえた。驚いて振り向くと、そこには場違いなスーツ姿の紳士が立っていた。
「くそっ! ここまでか」
そう言うと、シェリエは他の3人に命令した。
「こいつは敵だ。やっちまいな!」
3人は戸惑いつつも、セバスに向かって攻撃を始めた。
その隙にシェリエは、脱兎の如く走り出すと、林の中へと消えていった。
シェリエは裏口のゲートを目指していた。
さっきの男が来た方向からして、自分達が使ったゲートは既に押さえられていると判断したのだ。
そのまま走り続け、もう少しでゲートという所で、目の前に一人の女性が立ちはだかった。
シェリエは足を止めて、思わず声を上げた。
「ソフィー……」




