<ソフィーの決断>
翌日、嘉助はソフィーに面談する事にした。
同時にジャンニには杏子が面談をし、メリーサにはコスタが面談する事になった。
3人を別々に面談して、意思の確認をする事にしたのである。
一緒だと気兼ねなどがあってはいけないとの配慮であった。
「一応、初めましてだね。僕はERIの理事長をしている三条嘉助だよ」
嘉助の挨拶にも、ソフィーは無言で軽く会釈しただけであった。
やはりまだ警戒しているようである。
嘉助はまず、ERIの事をソフィーに説明した。
それは一般的に知られても良い範囲での話である。
「私もその程度の話は知ってるわ」
ソフィーも以前からERIの活動や、霊力関連の書籍などにも目を通していた。
「そうだね。それなら、これからが本題だね」
嘉助はソフィーと仲間たちが取り得る道を説明した。
まず一つ目の道は、フランス政府の管理下で、特殊犯罪対策班に入って活動するというものであった。
「それで罪は免れるって事?」
「そうだね。ただ政府の管理下に入るのだから、それなりに不自由さも有るだろうけどね」
「次の道は?」
ソフィーの問いに、嘉助は首を振り、
「まずは、この道を選択する気があるかどうか、聞かせてくれないか?」
「ふぅ〜……。正直言って、あまり気乗りしないね」
「理由は?」
「フランス政府の管理下に置かれるのが嫌かな。今までの経緯もあるからね。それに政府も完全には信頼できない気持ちも強いんでね」
嘉助は頷くと、二つ目の道を説明した。
それはERIの管理下に入り、ERIの一員として活動する事であった。
「ERIの職員になるって事?」
「まあ、そういう事だね」
「具体的には何をするんだい?」
「各国に対して、霊力関連の支援を行うって事かな。今回も我々のメンバーが応援に行って対処しているからね」
「紫音さんもそうなの?」
「そうだね」
「興味はあるわ。少なくとも1案よりはずっと受け入れやすいわね」
すると嘉助は、さらにERIの深い部分までソフィーに話した。
嘉助たちが霊界人で、ERIに参加するという事は、霊界人の協力者として深く関わる事まで話したのである。
これにはソフィーも驚きを隠せなかった。
「信じられないかもしれないけどね」
嘉助の声にしばらく沈黙していたが、ソフィーは頷いて答えた。
「まだ信じられない気持ちは強いけど……でも、私にできる事があるなら、協力させて欲しい」
「良いのかい? 色々一般人には話せない内容も多いと思うよ」
「もし掟を破ってしまったら?」
「そうだね。その時は記憶を消させてもらう事になるかもしれないね」
「全部?」
「そうだね。全部になるかもしれないね」
その後、他の道は有るのかとソフィーは一応尋ねたが、残された道はフランス警察に引き渡されて、そこで処罰を受けるというものだった。
「分かったわ。私はERIの一員、協力者になる事を選ぶわ」
その後、ジャンニとメリーサの話も聞かされた。二人共、ソフィーと一緒であるならばERIの協力者になる事を誓ったという。
さらに、まだフランスに入院中だった3名も、ERIへ移送後に同様の話を受け、ERIの協力者になる事を了承した。
こうしてソフィーは、新しい道を歩き出したのだった。




