<紫音の診断>
3人で話し合っていると、看護師が飛んできて、ソフィーを診察室へ連れて行った。
そこで一通りの検査を受け、状態を確認された後は、3日間も食べていなかったので食事が提供された。
入院食ではあったが、ソフィーはガツガツと全部残さず食べた。
その日の夜に関しては、ジャンニ達とも合流して、3人でERIの食堂で好きな物を食べる事もできた。
ソフィーは他に3名が生き残って、現在フランスで療養中という事も聞いた。
ソフィーにとっては、ジャンニ達5名だけでも生き残ってくれた事は、幸運だったと思った。
彼らが居るから、彼らの声が聞こえたからこそ、ソフィーは立ち戻ることができたのだから。
翌日の午前中に、カウンセラーの紫音がやって来た。
ソフィーは紫音に会うと、すぐに自分を救ってくれた人だと分かったようだ。
「また会えて嬉しいわ」
紫音の言葉に、ソフィーの眼にうっすら涙が滲んだ。
「ありがとう。あなたが寄り添ってくれて、嬉しかった」
ソフィーの言葉を聞き、紫音はそっとソフィーの手を取った。
「大変だったわね。でも本当に良く戻ってきてくれたわ」
「あなたの声が有ったから。そして仲間たちの声が聞こえてきたから」
「そうね。あなたの仲間達も、必死であなたへ呼びかけ続けてくれたものね」
紫音の言葉にソフィーは頷いた。
その後、紫音はカウンセリングを行い、ソフィーの精神状態が思った以上に安定している事を確認した。
カウンセリングが終わると、紫音は研究棟の方へと向かった。
そこには嘉助と杏子とコスタが待っていた。
「どうだった? 紫音」
杏子の問いに、紫音は頷きながら答えた。
「もう大丈夫みたいね。精神状態も安定しているし、身体的にも異常は無いそうよ」
「ふぅ〜……。何とかなるもんだね〜」
嘉助が息をつく。
「でも、もう少しちゃんと説明しておいて欲しかったわ。あんなぶっつけ本番はごめんだわ」
「そうは言ってもね……。僕にしたっていきなりだったからね」
「リピウスの思い付きって奴?」
「まあそうなんだろうね。知人からは聞いていたんだけどさ。彼って時々、滅茶苦茶冴えるんだってさ。そういう時って、物凄く適切な判断を簡単にしちゃうんだって」
「巻き込まれた方はたまらないわよ」
「そうだよね〜……」
「もう、そこは慣れるしかないね。あたしはもう、いちいち驚かない事にしているのさ」
杏子がなぜかドヤ顔をしながら言い放った。
「杏子もね〜。色々あったものね」
「そうなの?」
「まあ、リピウスと付き合うって事はさ、そういう事らしいんだよね」
嘉助と杏子は、うんうんと頷き合っている。
「ところで、ソフィーさんの今後はどうなさるんですか?」
コスタが聞いて来た。
「おっと! そうだったね。紫音はどんな印象かな?」
「多分大丈夫だとは思うけどね。本人も罪を償いたいと言っているし、何よりも仲間の事を気にしていたわ」
「仲間次第と言う事もあるね」
「そうだね〜……。まあ、話をしてみるしかないね」




