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<魔界衆>

リピウスは嘉助を呼んで、覗き魔の事を報告した。

嘉助は杏子と共に部屋に来て、映像と探知結果を見ていたが、心当たりがあるようであった。


「これって悪魔なのか?」

リピウスが怪訝そうに聞いた。


「いや、たぶん魔界衆だろう」

嘉助は答えた。


「魔界衆?」


リピウスは魔界の存在は妄想でもしていたし、ヨルダ爺からも少し聞いたことがあった。

だが、魔界衆というのは初めて聞いた。


嘉助によると、千年前まで魔界は100以上の大小部族による、群雄割拠の戦国時代であったという。

そこにルーシファとベルゼブ、メフィスタの3人の魔族が現れ、国家ルベーメ王朝を築き上げたのである。

以降、魔界の騒乱は収まり、現在まで比較的穏やかで安定した状況を維持していた。


ただ例外として、魔界の最果て辺境部だけは、ルベーメの直接統治ではなく、ある程度の自治権を認めた間接統治に留まっている。

これは辺境過ぎて統治が難しかったことと、その地に住まう部族があまりにも特殊だったかららしい。


辺境部族は現在7部族あり、総称して魔界衆と呼ばれている。

7部族は代表者による合議制で統治されている。ただ統治と言っても、互いの抗争などを仲裁・裁定する場合程度の機能であり、それ以外に関しては部族ごとの裁量に任されている。


この地域は非常に資源に乏しく、自給自足するには過酷な土地柄であった。

そのため特殊な能力を持つ者が多く、その特技を生かして戦国時代は傭兵として生活していた。いわゆる魔界の忍者とも言うべき存在であった。

部族ごとに特技は異なっており、それらを活かした隠密活動は戦国時代では脅威とされ、彼らをいかに雇い入れて活用するかが、戦略上も重要であった。


統一後は傭兵稼業も廃れてしまい、今は魔界ハンターとして活動する者が多くなった。

だがハンターとは言え、未だに特殊技能を活かした暗殺や諜報活動に従事する者も多く、特に近年では天界人からの依頼で、魔界、人間界での活動も増えているという。

魔族は、天界、霊界、幽界、自然界に入る事は許されていない。従って活動範囲も限定的にならざるを得ないのである。


「ふーん……。魔族って人間界にも来られるんだね」


「第1人間界では滅多に現れないけどね。多いのは第3と第4だね。でもあそこは天界からの委託の下に、あえて魔族を派遣して人間界の均衡を保っているんだけどね」


「で、その魔界衆が、社宅を監視しているのは何故?」


「嫌な感じがするね〜……。実際に監視しているのは人間なんだよね?」


「それは確かだよ。霊力値も低い平凡な30代夫婦って感じだね」


「この夫婦は時々1階のコンビニにも来ているぜ」

黙って聞いていた杏子が発言した。


「やはり社宅を調べているって感じかな」


その後、嘉助は杏子となにやら相談していたようであるが、暫くすると杏子だけ何処かへと行ってしまった。


「リピウスは、これからも彼らの監視を頼めるか?」


「まあ良いよ。大部分はメイさんかセバスに頼んでいるからね」


「じゃあ頼む。何か変化が有ったら教えて欲しい」


そう言って嘉助は事務所へと戻って行った。

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