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<ジャネット嘉助に酷く叱られる>

嘉助はジャネットとリピウスから、事の次第を詳細に聞き取っていた。

そして二人に対して、勝手な行動をしたことに対して酷く叱責した。

特にジャネットに対しては、珍しく声を荒らげた。


「ジャネット! いかに公安庁の指令だとは言え、勝手にリピウスを利用してC国へ潜入するとは何事か! しかもリピウスの制止も聞かず、興味本位で悪魔に接触を図り、リピウスを命の危険に晒すとはどういう事だ!」


「すみません。すみません」

ジャネットは嘉助の前に正座し、涙を流しながら謝り続けていた。


嘉助が怒るのも当然であった。

もしリピウスが死んでいたら、それこそ取り返しのつかない事態になっていたであろう。

特にジャネットに至っては、おそらく霊界追放の上、魔界落ちか、良くて昇天の重罪に問われていた事であろう。

ジャネットもそれを理解しているから、今は心から反省し、謝る事しかできない状態になっていた。


「まあまあ嘉助、その辺で許してやれよ」

「杏子! おまえもだ。僕の居ない間に、なんてことをしてくれたんだ」


嘉助の怒りは杏子にまで及んでいた。


「わ・悪かったよ。ジャネットの事をリピウスに押し付けたのは、あたしのミスだった。すまなかった」

杏子も平謝りに嘉助に謝った。


「全く、一歩間違えれば、本当にどうにもならない事態になっていたんだぞ」

嘉助の怒りは、なかなか収まる様子もなかった。


しかし、冷静になって見れば、今回のジャネットとリピウスのもたらした情報は、嘉助にとっても重要な物も多かった。

その点を杏子が粘り強く説明し続け、嘉助の怒りもやがて収まっていく。


「とにかくだ。ジャネットは一度公安庁に戻って、上司からの命に従うように。そして2度と人間界で勝手な行動は慎んでもらう」


嘉助の言葉にジャネットは頷き、一人で霊界へと戻って行くのであった。


その後、風の便りでは、公安庁でもジャネットの行動は問題視され、当面は謹慎処分となったそうである。

だが、後日嘉助からもたらされたC国での悪魔達の暗躍と各種情報収集に、ジャネットも一役買っていた事が判明。

ジャネットは再び現職復帰を行い、今回も幸運な事に、酷い処分を受ける事も無く済んだようである。


そして、監視員の定例会議の場でも、ジャネットとリピウスがもたらした各種情報について説明が行われた。


その中で、もっとも重要なポイントは以下の3点であった。


1.霊界の模倣品装置類は、C国軍部に関連する施設で研究・製造されている事。


2.巡回鑑定を受け、研究所で訓練を受けた者たちの中に、その後行方不明になっている者たちが居る事。


3.全ての疑惑にダーズリー卿達が、明らかに関与している事。


「この事から考えて、今後は何としてでもダーズリー卿達の陰謀を暴く必要がある。とは言うものの、相手は人間界の大国に侵食している。単純にはこちらも動けない。よって、まずは真美ちゃんとリピウスの協力の元、ダーズリー卿達の潜伏場所特定を優先して調査して欲しい」


嘉助にしては珍しく、強い口調で命令した。

出席者達も、嘉助の態度に対し、いつも以上に緊張した面持ちで臨んでいるようだった。


嘉助が全体を見回した後、杏子に目配せした。杏子は頷くと立ち上がり発言する。


「これも今回の成果なのだが、どうやら上級悪魔達は、霊界の義体を改造して装着しているようだ」

そう言って、空間からカテリナの義体を出して、みんなに見せた。


「嘉助の調査では、およそ500年前に製造された戦闘タイプの義体であることがわかった。他の上級悪魔達も、おそらく同様か、これ以上の性能の義体を使っている可能性がある。従って、義体の耐久度を考えると、上級悪魔を討ち取る事は、非常に難しいと言わざるを得ない」


杏子の声に、みんなの顔もより引き締まる。


「一応僕からこの件も報告してあるので、対ダーズリー卿と言う意味で、天界からの支援も得られるように働きかけているからね。でも、くれぐれも勝手に行動しないように、気をつけて欲しいな」


嘉助の口調がいつものものに戻った。

それを聞いて参加者たちの顔も、少し和んだようだ。

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