表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

147/233

<リピウスの帰還>

嘉助の事務所にある、どこに繋がっているのか分からない扉の前では、メイさんがじっと佇んでおり、その背後には跪き、手を合わせて祈るようにジャネットが扉を拝んでいた。

嘉助は終始、事務所内をウロウロと歩き回っている。


そんな扉が開き、中から杏子とリピウスが出てきた。


「!、リ・リビヴズ〜!!!」

その姿にいち早くジャネットが気づき、涙でクシャクシャになった顔で、リピウスの体に飛び込んできた。


ジャネットに飛びつかれたリピウスは、何とかジャネットを受け止めたものの、ヨタヨタと後ろに数歩下がってしまった。

慌てて杏子が体を支え、ジャネットを引きはがした。


「ジャネット! リピウスは疲れているんだ。じゃれつくのは後にしろ!」

杏子の叱責にジャネットがハッとして、後ろに下がった。


嘉助も急ぎ扉の前まで来ると、杏子とリピウスの無事を確認し、安堵の吐息を漏らす。


「大丈夫か?」

杏子はリピウスを気遣いながら、肩を支えている。

「大丈夫」

リピウスは答えると、ゆっくりとメイさんの前に進んだ。


メイさんは、

「お帰りなさいませ、ご主人様」

と言って、美しくお辞儀をしてリピウスを迎えた。


リピウスは片手をスッと伸ばしてメイさんの肩に置くと、

「ただいまメイ。杏子を連れて来てくれてありがとうな」

と労いの言葉を掛けた。


その瞬間、僅かにメイさんの頬が赤らんだように見えた。


その後、リピウスは嘉助に報告しようと歩を進めた。が、膝の力がカクンと抜けたようになり、ヨロヨロと数歩進むと倒れてしまった。


「リピウス!」

杏子が再び駆け寄ろうとすると、先にメイさんがリピウスの元へと移動して、倒れたリピウスを抱きかかえた。

メイさんはそのままソファへリピウスを運ぶと、そっと寝かせた。


「ありがとう、メイ」

寝かされたリピウスが礼を言うと、メイさんは空間からコップを取り出し、オレンジジュースを注いでリピウスに渡す。

リピウスは美味しそうにジュースを飲み干した。


「もう一杯いかがですか?」

メイの言葉に、リピウスは首を軽く横に振り、コップをメイに返した。メイは頷いてコップを受け取り、空間の穴へと戻し、そのまま跪く姿勢でリピウスの横に寄り添っている。


そんなメイさんの後ろから、涙でクシャクシャな顔をしたジャネットが覗き込んでいる。

リピウスと目が合うと、


「リビヴズ〜ゴベンヨ〜……。あだじのぜいで……ぼんどうにゴベンヨ〜」

とジャネットは、良く分からない言葉ながらも謝り続けていた。


「大丈夫だよ。少し疲れただけだからね」

そう言うと、リピウスはジャネットに手を伸ばして、頭をポンポンと軽くたたいた。


そして、ふと気づいたようにディメンションボックスを開いて、中から1体の人形を引っ張り出そうとした。

メイさんが気づいて、出てきた人形の頭を掴むと、そのままズルズルと引き出して床へと置いた。


「これはカテリナの義体だよ」

杏子が嘉助に向かって言う。


「義体? 奴らはそんなものを使っているのか?」

そう言いながら、嘉助はカテリナの姿をしている義体に近づき、何やら調べ始めた。


「ふむ。これは霊界製の義体だね。ちょっと改造はしてあるみたいだけどね」

「だいぶ古そうな感じだな。昔、霊界人から奪った物だろうか?」

「そうかも知れないね。大よそ500年前のタイプだと思うな。戦闘タイプだから、耐久力も60万はあるね」

「それでか……。リピウスの攻撃では、義体を貫けなかったようだぜ」

「だろうね。杏子だから、ここまで貫通できたんだろうね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ