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<カテリナ VS 杏子・リピウス>

リピウスは再び持久戦モードに戻り、なんとかまだ互角の戦いを維持していた。


(失敗した! こんな事なら、さっき攻撃せずにワープで逃げれば良かった)


そんな弱気な心が湧き上がっていた。


(もう一度やってみるか? いや、同じ手が通じるとも思えないな。他の手は……)


リピウスは逃げる事ばかりを考え始めていた。そんな状態であるから、一見互角に見えても、徐々に防戦一方へと追い込まれていく。


「わっはっは! さっきの勢いはどうした? もう息が上がってきているではないか」


カテリナはリピウスの動きが鈍ってきている事を感じている。そしていかにもいたぶるのが楽しそうに、様々な攻撃を加えては、反応を楽しんでいるようだ。


そんなところに、突然強力な火炎弾がカテリナを襲った。

カテリナは驚きつつも、咄嗟に障壁を張って防ぐと数メートル飛び退いた。


そこへ杏子が姿を現し、リピウスを庇うようにカテリナの前に立ちはだかった。


「杏子!」

リピウスは驚きと嬉しさで叫んだ。


「リピウス、待たせたな」

杏子はカテリナを牽制しつつ、リピウスにチラッと視線を送り、無事を確認した。


「メイさんが連れてきてくれたよ」


杏子の言葉にリピウスが後ろを確認すると、メイさんが佇んでいた。

リピウスは何故か涙が出るほど嬉しかった。だが、すぐにメイへ帰還命令を出した。メイがここに居ると、足手まといにもなりかねないと思ったからだ。


メイさんがワープゲートで帰還した事を確認すると、対峙している杏子とカテリナに目を戻した。


「カテリナ、随分と久しぶりだな」

「ケッ! お前にだけは会いたくなかったぜ」

「ふっ、そう言うな。たっぷりと楽しもうじゃないか」

「嫌だね」


とカテリナは言うと、リピウスに向かって叫んだ。

「おいリピウス! 邪魔が入った。続きはまた近いうちにな」


その言葉を聞いて、リピウスはカテリナが逃げに入ると気づいた。そして杏子の傍にスッと移動すると、叫んだ。


「領域展開!」


一瞬でカテリナと杏子、リピウスの3人だけの空間に周囲が変わった。


「ゲッ! 次元結界かよ」

カテリナがかなり焦っているようだ。


「リピウス、でかした」

杏子がニンマリしている。


「杏子、急いで。ダーズリー卿達が来ると厄介だから」

リピウスが杏子に注意を促す。


「そうだな。じゃあ一気に決着と行きますかね」

そう言うと、杏子はカテリナに襲い掛かった。


「クソ! クソ! クソ!」

カテリナは杏子の猛攻を受けながら、悔しそうに叫んでいる。しかし、その目は周囲を確認しつつ、結界を破れないかと思案しているようであった。


リピウスは二人の激しい戦闘を凝視しつつ、カテリナの動きを止めるチャンスを狙っていた。

そして、杏子の攻撃を躱しきれず、強烈な一撃で体勢を大きく崩した隙を見逃さなかった。


リピウスは両手を広げて、一気に何かを引き絞るように閉じた。

するとカテリナの周囲から糸状のものが噴き出してきて、カテリナの体を絡めとっていく。


「小癪な!」

叫んでカテリナは全身から炎を噴き上げ、糸を焼き切ろうとした。しかし、絡みつく糸は燃える事は無く、カテリナの動きを拘束していく。


「残念だな。燃えない糸もあるんだよ」


そう言ってから、リピウスは杏子に叫んだ。

「杏子! 奴は義体を装着している。義体ごと魔核を破壊して!」


杏子はリピウスの言葉を聞くと、右手を前に突き出した。


「カテリナ、400年前の決着をつけるよ」


そう言って、強烈な溶岩弾をカテリナの胸めがけて放った。

灼熱の溶岩弾はカテリナの胸に当たると、そのまま義体を貫いて背後へと抜けていった。

その際に「パキン」という乾いた音が聞こえてきた。


「グギャーーーーー!」


長い断末魔の悲鳴を上げながらカテリナが天を仰ぎ、呪いの言葉を吐き出した。


「グギ……おまえら、これで済むと思うなよ。ダーズリー卿様が、きっとおまえ達を……」


リピウスの糸に体を拘束されたまま、カテリナから力が抜ける。そして全身から無数の光の球が立ち上り、フワフワと上昇していった。

リピウスと杏子は手を合わせ、祈りを捧げた。


そしてリピウスは糸を消して、地面に落ちたカテリナの義体を、素早くディメンションボックスに放り込んだ。


「周囲に人も集まっているだろうから、このまま帰還しよう」


リピウスの言葉に杏子が頷くと、リピウスは次元結界の一角に扉を出現させた。そして扉を開くと、杏子を招いて一緒に出ていった。

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