<メイさんグッジョブ!>
胸に強烈な一撃を受けたものの、その衝撃でカテリナの拘束も解けてしまった。
そしてカテリナは、なんとか体勢を立て直す事ができた。
「ふぅ〜、今のはヤバかったな。義体で無ければやられていたぜ」
カテリナの言葉でリピウスは理解した。
カテリナは義体を装着していたのだ。耐久度などは分からないが、もし戦闘タイプなら、60万以上の耐久度があり得る。
つまり今のリピウスが放てる最大威力の攻撃にも、耐えてしまえるという事だ。
(まずい! まずい! まずい!)
リピウスは大いに焦りだした。自分の今出せる最大パワーで仕留めきれなかった。
しかも今の一連の攻撃で、だいぶ肉体も霊力も消耗してしまった。
リピウスは今、最大のピンチを迎えていたのだ。
その頃、嘉助の事務所では、リピウスを救助するために大騒ぎとなっていた。
「どうするんだよ! ターゲット装置が置いて無ければ、リピウスの元へと行けんぞ」
杏子が焦りからか、早口でまくしたてている。
「ウワァ〜ン! ごめんなさい。ごめんなさい」
ジャネットはムンクの叫びから戻ったが、以降は泣きじゃくっているばかりである。
「落ち着け! 何かリピウスの位置を特定する方法は……」
嘉助もウロウロと歩き回りながら、必死で打開策を考えていた。
少しの間をおいて、嘉助が閃いた。
「メイさんだ!」
嘉助の声に杏子も反応した。
「そうか! メイさんとセバスなら、リピウスの位置が分かるな」
杏子の声に頷くと、嘉助はメイさんに連絡を入れた。
「メイさん! 嘉助だ」
「はい。主は今外出しております」
メイさんの落ち着いた声が返って来た。
「メイさん! リピウスの現在地は分かるか?」
「はい。少々お待ちください」
メイさんはそう言うと、しばしの間を置いてから、
「分かりました。主は現在C国北部に居るようです。お急ぎなら連絡を入れますが?」
「メイさん! メイさんはリピウスの現在地へ、ワープで移動できないか?」
嘉助は一縷の望みを得たと感じ、メイさんの答えを待った。
メイさんは何か考えているのか、少しの間が空いている。
「お待たせしました。やった事は無いですが、主の近くにワープは可能と思われます」
「本当か? メイさん今すぐ、事務所へ来られるか?」
「はい。可能です」
「では今すぐ来てくれ。頼む、急いでいるのだ」
すると、すぐ事務所の扉が開いて、メイさんがスマホを持ったまま入って来た。
「杏子! 急げ、メイさんと一緒にリピウスを救いに行ってくれ!」
「よっしゃ! メイさん急ぐぞ」
メイさんは表情も変えずに何か思考しているようであったが、すぐに再び事務所のドアに行き、その扉を開いた。
「杏子様、さあどうぞ」
メイさんの声に、杏子が扉の中へと入っていく。
杏子が扉を出ると、すぐにメイさんも続いて出てきた。
「リピウスは何処だ?」
杏子は周りを見回しているが、リピウスの姿は見えない。
「主はあちらです」
メイさんが指さす方向を見ると、少し先で爆発が起こった。
「あそこか! 待ってろリピウス」
杏子は全速力で走って行った。




