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<やらかしコンビが誕生>

ジャネットがやってきて1週間が経過した。

彼女は来る日も来る日も、社宅の1室に籠り、C国の映像を観ているようであった。

時々リピウスが部屋を訪れ、何やら相談しながら、アレコレと試したりもしているようであった。


杏子も気になって時々部屋を訪問したりしたが、ジャネットはPC画面に向かって夢中で映像を確認しながら、色々とメモを取ったりもしているようであった。


そんなある日、1階のコンビニに変わった風体の女性が入って来た。

何が変わっているのか? 店長の当真も分からないのだが、何故か雰囲気が異なるように感じる。


(う〜ん、なんか垢抜けていないというか……最近あまり見ない感覚だよな)


そう思って見ていると、その小柄な女性はコンビニを出て、社宅の中へと入っていった。


(あれ? 社宅に入ったという事は、関係者なのか?)


当真が気にした女性は、そのままエレベータに乗り、4階へと上がった。

そして404号室に入っていった。そこはジャネットが借りている1室である。


「やあ、わざわざ行かなくても、メイさんにでも頼んだのに」

中にはリピウスが居た。


「いや、この姿で少し歩いてみたかったからね」

「どう?」

「うん。全く問題ないね」

「じゃあ、一息入れたら行ってみるかね?」


どういう訳か、ジャネットとリピウスは毎日のようにC国内の各地を見て回るうちに、意気投合したようだ。

そしてリピウスなら現地にすら即、行く事ができると分かってしまった。

リピウスもC国内を少し歩き回ってみたいと思っていたので、お互いの利害も一致したという事もあった。


そこで、できるだけ現地人を装ってブラブラしてみようという事になった。

今日はその最初の日である。


ジャネットは義体を操作してC国民に見えるように、身長は低めに調整した。顔立ちも全てリピウスの指導の下に、目立ちにくい感じにしている。

勿論リピウスも同様に工夫した。一見すると、現地の夫婦が歩いているように装うことにしたのだ。


今日はC国北部辺縁に近い大都市に来ている。

地方都市ではあるが、中心部には高層ビルが立ち並び、近代的な大都市である。

ただ市の郊外へ行くと、C国らしいごちゃごちゃとした家並みや市場などもあり、その辺に行くと素朴な外見の人々も多く見受けられる。


先日、北部の中核都市にある研究所から巡回鑑定車がこの地域を巡回すると確認していたので、その様子を見ようというのであった。


リピウスは中心部から外れた、適当な人目のない場所にワープドアを開いた。

そして素早く出ると、中心部の方へと歩いて行った。


『あまりきょろきょろしたらダメだよ』

リピウスは念話で、辺りを見回しているジャネットに注意した。

二人の会話は、基本は念話にする事に決めていた。街中なので異国の言葉も使いづらいし、現地の言葉での会話も聞かれると困る内容も有ったからだ。


『ごめんなさい。ついつい気になってしまって』


今日は都市内をゆっくりと見て回る予定である。

現地の雰囲気をまずは感じたかったからだ。現地の人達の様子を観察し、話し方なども確認しておきたかった。


最終的には大都市から離れた小さな町などへ行って、巡回鑑定車の様子を確認したいと考えていた。ただ、その辺はドローンでも可能な範囲なので、安全性を確認してからと考えている。とにかく現地へ行ってみたいという二人の願望は叶った。


この後、二人は毎日のように各所へ行っては実際の様子を確認して回る。

何度も行っているうちに現地の人達との会話にも慣れてきて、地方特有の人懐こい人々とも交流したりもしだした。

その結果、様々な現地の人達ならではの情報も得る事ができるようになった。


特に興味深いのは、研究所で訓練を受けている人達に関する現地での噂話であった。

C国の人にとって、鑑定で良い結果が出た場合、軍などに好待遇で迎え入れられるのは望ましい事であった。

しかし、中には研究所までは行ったものの、好待遇を受けるほどではない能力者達も多い。

そういう人達の中には、何故か行方不明者も多数出ていると現地では噂されていた。

詳細は誰も分からないし、そのような事を大っぴらに話せるわけもなく、コソコソと仲間内だけで話しているようだ。


もう一つ参考になったのは、鑑定装置や能力無効化装置に関しては、軍から研究所に運ばれている事だ。

どうも軍部で装置の研究と製造が行われているらしく、軍経由で研究所に引き渡され、そこから警察関連に配布されているらしい。

これも現地で、何気ない会話の中に出てきた内容であった。


こうして二人のコンビは、頻繁にC国内を散策していくのでった。

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