<社宅の内覧>
能力確認も済んだので、嘉助と杏子はリピウス等3人を社宅へ案内した。
事務所のどこに繋がっているか分からないドアを開けると、そこはビルの通路であった。
セバスとメイも一緒に付いてきている。
「ここは会議室のある2階の通路ですね」
嘉助が説明した。どうやら給湯室のドアに繋がっていたようだ。
「杏子、空き部屋は何階だっけ?」
「そうだな、4階は4室。3、5、6階は確か2部屋ずつ空いていたな」
「では、4階で見てもらいましょう」
そう言ってエレベーターに乗り、4階へ移動した。
4階はエレベーターを挟んで、2部屋ずつになっていた。部屋は各階4部屋ずつらしい。
嘉助はすぐ隣の402号室に向かい、鍵を開けて室内に入った。
「基本的には全て同じ作りです」
そう言って、リピウス達を室内に迎え入れた。
部屋は1LDKでトイレ、風呂付きであった。
「へえ、結構良い部屋だね」
リピウスはERIのしょぼい事務所上の部屋を想像していたので、風呂付きという点もあって感心していた。
「いや、おまえの別宅より広いし、全然良いじゃないか」
デュークがまた余計な事を言い出したが、リピウスは無視する事にした。
「まあ、日本の場合は、風呂が必須のようだから、少し面倒なんですけどね」
嘉助は苦笑いしながら説明した。
「あたしは風呂は好きだね。ここは、けっこう評判も良いぞ」
杏子はお気に入りのようだ。
「杏子さんも、ここに住んでいるのか?」
「いや、あたしや嘉助はよろず屋商会の方だね。まあディメンション・ルーム内でって事だけどね」
杏子の説明にリピウスも納得したようだ。
「ここに住んでいるのは、日本の協力者4名ですよ。2名は本宅が別にあるから、リピウスさんと同じ別宅扱いですけどね」
「あ、もうリピウスと呼び捨てで良いぞ」
「そうですか。では私の事も嘉助と呼んでくれて構いませんよ」
「おう。私は杏子だ。みんな杏子って呼ぶからリピウスも同じで良いぞ」
「そうか。じゃあこれからは、そう呼ばせてもらうよ。で、他はまだ空き部屋って事?」
「いえ、協力者以外でも、監視員や霊界からの応援に来た者達が、一時的に使う事も多いですからね。全部を埋めてしまう訳では無いですよ」
「セバスとメイはどうだ?」
リピウスが一緒に入って来た二人に聞いた。
「私どもは特に問題無いと思います」
セバスが応えると、メイも頷いた。
「はい。キッチンもありますので、私としては十分と思います」
メイはキッチンが気になるようで、じっと観察していた。
「へえ、やっぱメイドさんはキッチンが気になるんだね」
杏子は感心したようにメイさんを見ていた。
「じゃあ、このまま402号室で」
リピウスが嘉助に言うと、嘉助は頷いて、
「では、それで手配しましょう」
「もうワープドアを設置して良いかな? あ! Wi-Fi設備もあるよね?」
「勿論ですよ。6階の住人は元ハッカーで、通信設備にはうるさいですからね」
「そうなんだ。じゃあ Wi-Fiの情報も教えてくれるかな? 併せて設定してしまうから」
そして早速、部屋の壁際にワープドアを出して設置した。
そして Wi-FiのログインID等を確認すると、何やら設定しているようであったが、すぐにドアを開けた。
「じゃあセバスとメイは、訓練室で待機していてくれよ。後で詰める順番とかは決めよう」
リピウスの言葉で、セバスとメイは頷くとドアを入って消えていった。
「う〜ん……。やっぱりあの二人は不思議だな」
杏子は首を傾げながら、ドアの中に入っていった二人を見つめていた。
「そうだ! リピウスはまだ時間が取れますかね?」
嘉助が思い出したように聞いてきた。
「ん? 俺は暇人だから大丈夫だぞ」
「なら、このままERIも案内しても良いですかね?」
「別に構わないぞ」
「老師たちは如何ですか?」
「わし等も今日は空けておいたので大丈夫じゃ。のうデューク」
「ERIっておいらも行った事なかったから、ちょっと嬉しいぞ」
デュークも喜んでいる様だった。




