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<悪魔 VS リピウス>

リピウスは1階まで飛び降りるとそのまま疾走し、サンシャイン近くの公園へと滑り込んだ。

夜の公園には、まだ数組のカップルが残っている。

そこへ、凄まじい勢いで悪魔らしき影が突っ込んできた。街灯に照らされたその姿は完全な「人型」をしており、学生服を着た少年のようにも見える。


悪魔は公園に降り立つと、近くにいたカップルに狙いを定めた。そして唸り声を上げながら、牙を剥いて襲いかかる。


「うわあああぁぁ!!」

男の悲鳴が響く。悪魔に組み伏せられ、首筋を深く噛みつかれたようだ。

「きゃあああああ!!」

連れの女性はその場に尻餅をつき、ただ悲鳴を上げることしかできない。


リピウスは即座に悪魔へ向かって駆け出した。あと10mというところで、悪魔は男を放り出し、動けない女性へとターゲットを変えて飛びかかった。


「ひぃーー!」

恐怖で女性は動くこともできず、悲鳴を上げるのが精一杯のようだ。


(間に合わない――!)

直感したリピウスは、走りながら右手を突き出し、衝撃波を放った。


女性に爪が届く寸前、悪魔も背後からの攻撃に気づいたようだが、回避は間に合わない。衝撃波をまともに背中に喰らった。


「グギャッ!!」


奇怪な声を上げ、悪魔は数メートル先まで吹き飛ばされる。太い幹に背中から激突し、派手な音を立てた。

その隙にリピウスは女性の元へ辿り着いたが、彼女は腰が抜けており、指一本動かせない様子だった。


(どうする……?)

一瞬迷ったが、既に悪魔が立ち上がるのが見えた。リピウスは女性から離れ、悪魔に向かって真っ向から突進した。


悪魔はまだダメージが残っているのか、首を振って意識を立て直そうとしている。そこへ、リピウスの強烈な回し蹴りが側頭部を捉えた。


――ゴキッ!


鈍い音が響き、悪魔の首が90度以上もあらぬ方向へ折れ曲がる。

だが、悪魔は折れた首を自らの両手で掴むと、「コキッ」と無造作に元の位置へ戻した。

底冷えするような敵意を宿した目で、じろりとリピウスを睨みつける。


(……げっ。こいつもしかして、マジで強いな)

内心で舌を巻く。リピウスの感覚では、相手の魔力は30万を超えているはずだ。


悪魔はすぐさま反撃に転じた。毒液を吐き散らしながら、猛スピードで突進してくる。

リピウスは毒液を霊力の障壁で防ぎ、壁を突き破って迫る悪魔の拳を両手で受け止めた。だが、悪魔は止まらない。そのまま体を独楽のように回転させ、鋭い蹴りを放つ。


リピウスは間一髪で飛び退いて躱したが、悪魔の追撃は止まず、防戦一方に追い込まれた。悪魔の口元には、戦いを楽しんでいるかのような薄笑いが浮かんでいる。


数合の激突の後、リピウスはあえて大きく距離を取ると、身を翻してその場から逃げ出した。

それを見た悪魔は、勝ち誇ったような顔で後を追う。

だが、防戦も逃走もリピウスの作戦だった。人気の無い場所へ誘導してから、一気に仕留めるつもりなのだ。


後ろを確認しながら走り続ける。悪魔は勝利を確信しているのか、ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべて追いついてくる。

一定の距離を保ったまま走り抜け、リピウスは少し先にある野球グラウンドへ辿り着いた。


(ここなら人もいない。存分にやれるな)

グラウンドの中央で立ち止まり、追ってきた悪魔を迎え撃つ。


悪魔もグラウンドへ乱入し、リピウスとの間合いを詰めた。リピウスが逃げるのを止めたことに一瞬怪訝な表情を見せたが、構わず再び襲いかかってくる。


今度はリピウスも退かない。悪魔の剛腕をヒラリと躱すと、足に青白い火炎を纏わせ、カウンターの蹴りを叩き込んだ。

悪魔は腕でガードしたが、霊力の炎はその腕を包み込み、容赦なく焼き焦がしていく。


「グギギギィッ!」


不快な悲鳴を上げ、悪魔は必死に炎を振り払おうとする。しかし、霊力で編まれた業火は容易には消えない。

その隙を突き、正面から巨大な火炎球を撃ち出した。

悪魔も瞬時に障壁を張るが、炎の球が激突し、グラウンドに大爆発が巻き起こる。


爆炎を切り裂いてリピウスが飛び出し、至近距離から二発目の火炎球を悪魔の腹部に押し当てた。

悪魔はなす術なく10m以上も吹き飛ばされ、砂煙を上げて転がった。


深手を負い、なんとか立ち上がろうとする悪魔。だが、ふと顔を上げた先には、既にリピウスが拳を構えて立っていた。

最後の一撃を前に、悪魔の瞳に初めて明確な「死への恐怖」が宿る。


リピウスは拳に濃密な霊気を集め、一気に悪魔の胸を撃ち抜こうとした。

――だが、その瞬間。

リピウスは何かに驚愕した表情を浮かべ、止めの一撃を止めて、その場から大きく後方へ飛び退いた。

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