命を狙われることになりました。
それからというもの…
私は領地と我が家を行ったり来たり。
時には、国王陛下とも会談したりと大忙しの日々を過ごしていたら…
久々にオルグスさんから呼び出しを受け…オルグス正教の談話室に来ていました。
「どうしたのですか?深刻な顔して」
「実はね…前に話したと思うんだけど、神王の監査が来たんだ」
「へぇ~…」
オルグスさんの上の方ですかね?
怒られたのでしょうか?
それはそれは、特に厳しい方なんでしょうね
「君の存在が神王様にバレた…」
「そうなんですか?お会いできませんでしたけど?」
いつ?どこで?
そんな大層な方なんてどこにいたのでしょうか?
王宮ですかね?
もし、王宮にいらっしゃったら間違いなく気が付かないでしょうね
普段、あれだけの人がいますし…
「なんでそんなに軽い感じなの?深刻な事態だよ!?君、死ぬかもしれないんだよ!?世界が滅亡するかもしれないんだよ!?」
「え?死ぬ??滅亡?まさか~」
私はオルグスさんの焦る顔を見て、むしろ冷静になりながら紅茶を飲んでいました。
あっ…この紅茶、美味しいですね
「前にも話したけどさ…君はこの世界のバグ!あってはならないバグの存在なんだよ!?君が【スキル】の独占してるせいで滅茶苦茶だよ!」
私のせいって……
知らんがな。
普通の女の子になりたかったですよ?
誰が【血染め姫】だの【神兵】だの【殺戮令嬢】なんて呼ばれたいとお思いですか?
これでもまだ16歳の乙女ですからね!?
ん…?でも同級生が23歳って…いやいやいや!
忘れるべき事だ!
「私のせいにするんですか?殺しますよ?」
色々と腹が立ったので、冷たい言い方してやりました。
だって、この世界に生まれただけで責任押し付けられてるんですよ?
腹立ちますよね~
「ひいっ……ごめんなさい」
今、本当に脅えましたよね?
確かに瞬殺できますけど、本気で脅えなくてもいいでしょ
「それで…その神王とやらは何と?」
「とりあえず…ディアスに怒ってたみたいだよ…」
ん?ディアス?
誰ですかディアスって
「もしかしなくても、半年前に話したこと忘れたんだね」
「当たり前じゃないですか、これでも私…騎士団とか聖女とか領主で忙しいんですよ?オルグスさんみたいにたまにお仕事して、メリダス様とイチャイチャしてる暇ないんですよ?分かってますか?大体…聖女騒ぎの根源は辿ればあなたですよね?500年分はお詫びしていただかないと納得できてませんよ?どうしてくれるのですか?まさか私が神王たる謎の人物Aを倒せとか言うんですか?」
今の今まで溜まった鬱憤をこれ見よがしに爆発させました。
だってそうでしょ?どう考えても、この人のせいで…とんだ珍道中になったじゃないですか
「その節は大変申し訳ございませんでした…」
ぐうの音も出ないほどケチョンケチョンに捲し立てたので、オルグスさんはスライディング土下座をしていました。
まぁ、許さないんですけど。
「それで…そのディアス?という方はどうするのですか?」
「ディアスは他の世界から最強の人達に君を抹殺する為に送り込むって通達してきた」
なんですか、その強行策。
なぜ私、命狙われる立場になってるんでしょうか?
悪の親玉?魔王?みたいな扱いなんですか??
「あなた達には失望しました、オルグス正教をローゼンハイム家は棄教させていただきます」
「いや…元々そんなに熱心な信者じゃないでしょ」
で…命を狙われてどうしろと?
受け入れて殺されなければならないんですか?
意味分かりませーん
「で…?その異世界の方々はお強いんですか?」
「わかんない」
「私、生まれてから今の今まで擦り傷しか負った事ないですが…私を殺せるのですか?」
「わかんない」
「もし私が亡くなったとして…それですべて片付くんですか?」
「わかんない」
役に立たねー…この人。
何の対策もできないじゃないですか…
「では…徹底的に抵抗させていただきますね?そのディアスという方にお伝えください…その異世界から呼ぶ人がいなくなったら、次はあなたを殺しに行きます」
本気で脅えるオルグスさんを無視して、私はオルグス正教を後にしました。
もう腹が立ちっぱなしです。
神々の都合など知りませんし興味ありません。
刺客が来たら容赦なく返り討ちにさせていただきます。
私は絶対に死にませんからね!
やれるものならやってみやがれ!ってやつです。




