アイリス、分身魔法を習得する。
「あいりすーじゃん。久しぶりじゃないかー」
いつもの様にダレダレのシャツに短パン…それを隠すように黒ローブに身を纏ったオリヴィエさんが歓迎してくれました。
いつもなら、机に突っ伏して腐ってるはずなのですが…どうしてご機嫌なのでしょうか?
「あいりすー聞いてよ、僕ってばなぜか出番が増えてて嬉しいんだよね」
「はぁ…」
「毎日はっぴぃはっぴぃ~だよ」
それは良かった。
ご機嫌な時には頼み事を喜んで引き受けてくれるので、私としてはありがたいですね~
「それで…なにゆえ、僕の所に来たのー?言ってごらーん?おねーさんは怒らないからぁ」
ニヤニヤとない胸を張って言っていました。
フッ…成長するようになっても私が勝っていますね!
「コホンッ…分身できる魔法を開発してほしいのです!」
「ムリ」
即答でした。
けど諦めません!私は不可能を可能にする女…!
なんと言っても世界最強ですよ!世界最強!
分身できる魔法なんて容易いでしょきっと!
「あいりすーが1人でも恐ろしい事なのにあいりすーが何人も分裂したら世界滅亡タイムアタックになるよー」
「悪事に使う訳じゃありません!執務に使うんです!」
どうしてこう…私がこういったことに信用がないのでしょうか?
不服です!不服
「…なら教えてあげるけど、使い方は当然だけど、誰から教えられた~とかは絶対言わないでね?教えたって聞かれたら、あのくそジジイに何言われるかたまったもんじゃないからさ…あっ…あと、教える替わりに条件があるからね!」
「もちろん!」
私はオリヴィエさんの注意事項を素直に同意し続けます。
オリヴィエさんと条件を付けて、魔法を教えて貰うことを確約しました!
「ぐふふ…これで僕の研究所ならびに魔術師団がより多くの研究と人手が増えるよ!」
アイリス領に騎士団本部並の大きな魔術師団本部を作ることを条件に、私は分身魔法を会得させてくれる事を確約しました。
決まったら即行動派の私は、すぐに教えてくださいとおねだりした。
「え~…とね…昔見たんだぁ~…どの魔術本だったかなぁ?魔法書だっけか?」
本棚から本を取り出してはパラパラと見て、戻してを繰り返して数十分後…
オリヴィエさんはやっと私が求める魔法にありつけました。
「こんなのアサシンとかスカウト職が身に付ける魔法だけど…本当にあいりすーにいるのぉ?」
「実質、スカウトみたいな物じゃないですか!諜報に工作とか色々とするんですから」
「ふぅん…」
納得してないながらも、約束を守ってくれるオリヴィエさんは
具体的な呪文の読み方、詠唱に必要な魔力の調整などをアドバイスいただきながら、実施しました。
「うわっ…マジで一発で成功させちゃったよこの子」
「すごいですっ!完璧ですわっ!」
私は分身とお互いにハイタッチして喜びました。
大成功した後、分身を元に戻したり…増やしたりなどの練習を繰り返して…
夕方には完璧にマスターしました。
「アイリス2号!今から執務室に転移するわよ!」
「はーい」
オリヴィエさんに挨拶を済ませて…私はあの2人が待っているであろう騎士団の執務室に転移してやりました。
「どう?やり遂げたわよっ!恐れ入りなさい!フェルクリス!ガードナー!」
2人は勝手に椅子と机を私の執務室に持ち込み…そこで私の残した執務を行っていました。
「アイリス様!?」
「えっ団長…マジですか!?」
当然、2人は目を白黒させてこの光景に腰を抜かしていました。
私に従順な私の分身ができ…非常に満足しています!
…これで私はマルチタスクを卒業できるのですっ!
恐れ入ったかフェルクリスとガードナーくんっ!
おほほほほほほっ




