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炙り出した内通者

さてさて…


各地で起きてる残党達はほぼ壊滅したでしょうね。


向こうの大陸は諜報機関なんて私の一声でやっと出来上がったばかりですし…


私の部隊の一部が向こうの諜報機関に加わってるので蜂起なんかできないですもの。


残念なことに、イグラシア大陸の全土は騎士団…もとい、第7騎士団が命運を握っていると言っても差し支えないのかもしれません。


第7騎士団はイグラシア大陸全土の国家の中枢に入り込んでいます。


つまり、上手く操作して都合のいい様に傀儡にすることだって可能なのです。


…ラインツ国王様は野心家じゃないので面倒臭がって絶対にやりませんけど…


とりあえず、早く火の粉を消すことに専念しています。


ざっと執務室で情報を確認していました。


やはり、内通者がいたのです。


ガチャッ


物凄い勢いでドアが開き、ガードナーが口を開きました。


「エド・ウィンター含め10名の身柄を確保しました」


ガードナーの報告を楽しみに待っていました。


エド・ウィンター。

大量の金貨で靡いた第7騎士団の裏切者。


なぜ、第7騎士団の情報網に引っ掛からずに、すんなりとフェアライン大陸に入ってこれたのか…


それは、エド・ウィンターと同僚6名含めウィンター侯爵家が金貨5000枚でラインツ王国を危険に晒したからです。


ウィンター侯爵家は激しい散財で目が飛び出るような額の借金を拵えていました。


そこに目をつけた、あの宰相がイグラシア大陸金貨5000枚で寝返らせたのです。


王国に対して反政府組織を斡旋して入国させた上、国家転覆まで行うとは…。


残念ながら、王都にも残党が沢山、流入しており…もう100%どころか999%死刑が確定しています。


「ウィンターをここに連れてきてちょうだい」


「はっ!」


しばらくすると、ガードナーが縛ったエド・ウィンターを連れてきました。


もう既に顔はボコボコ。


今年の一大イベントの主役に抜擢されたのに、恥をかかされた事を団員達は相当に怒っているみたい


「久しぶりですね、ウィンターさん」


実は言うと、このエド・ウィンターとは面識があります。


…というか、騎士団入団時に同期だったのです。


「アイリスか…ふんっ!コネで買った淫乱女めっ」


「まだそんな事を言っていたのですね…相変わらずですね」


エド・ウィンターはいつも、ひねくれた男でした。


入団が同時期の時も散々、コネだのなんだの言って突っかかってきたり…


「俺はこんなくだらねえ事がしたくて第5騎士団にいる訳じゃねえ!」


と悪態をついて孤立していました。


素行不良の彼を騎士団が扱いきれず、各騎士団をコロコロ転勤させていましたが



私が出世し、一応…同期のよしみで第7騎士団が引き取りました。


ただ拠点に駐在して過ごすだけの責任のない部隊の隊長を与えていました。


というか、彼の場合…責任ある仕事を与えられないのです。


どこの騎士団の部隊でも、問題児のいる事はよくある話です。


第3騎士団には酒場で酒を飲みに行き、ただ存在感を見せつけてトラブルを抑制する部隊(飲み歩き組)と呼ばれる部隊があったり



第9部隊には期限切れの食糧等を食べまくるだけの部隊もいます…



なので…騎士団の中で定年までの最後の居場所として面倒を見てあげたつもりだったんですけど…残念ですね


「騎士団で居場所がなかったウィンターさんに同期の良心で居場所を与えたつもりだったんですけども」


「はぁ?あんなただ拠点の出入口近くの小屋で居座るだけの仕事をか?」


だってお前…それしかできないやーん…


って気軽に言えればいいんですけどね


「ええ、職務を計268回も放棄してきた方には最適なお仕事ではないでしょうか?」


「うぐっ…」


計268回中…味方や平民を危険に晒したのは計86回。


こんな人が騎士団にいるのが馬鹿馬鹿しいですが…侯爵という肩書きが邪魔して追放できないのでした。


「それで…挙げ句の果てには、お金に目が眩んで国家反逆行為ですか…どこまで呆れさせてくれるのですか?」


「うるせえ!尻軽女!お前はどれだけの上官達と寝てその地位を手に入れたんだっ!」


…んん?もしかして、団長の地位を獲得するのに、身体を売ったとか思ってるのでしょうか?


それはそれは…バーデンボーグ辺りが作りそうな決まりですね。


「えっ…だから私をあばずれ…尻軽女、淫乱娘、淫乱女、売女って罵っていたんですか?」


会うたびに、そういった暴言を浴びせられていたので…私に付けた勝手なイメージなのだろうと聞き流してましたが…


まさか、そんな勘違い1つで言われてたんですね。


「騎士団規約150条24ページに出世に関するガイドラインが記載されていますよね、実力…知力などが優秀な成績を修めた者を団長に選定する。という項目…ご存じでしたか?」


「知力を使って幹部に身体を売った結果だろ?」


もー…ダメですねこの人。


違う意味で頭がピンク色に染まっています。


「あなたの考えでは、私とマリア・ウェンデルケン団長は身体を売って今の地位についた、…と考えてる訳ですね?そうだとしたら、とんでもなくふしだらな団長2人ですね」


彼のイメージでは、マリアと私は…なんて乱れた女なのでしょうか…。


トルクヘッド前総長が私とマリアを抱いた…と?


なんて酷い考えなのでしょうか。


「あぁそうだ!あの第2団長も下世話にふさわしい身体つきしてるじゃねえか!」


これほどこじらせた人は初めて見ました…


もしかして、出会いがない殿方はこういった妄想で自らを慰めているのでしょうか…


「マリア・ウェンデルケン団長が聞いたら、大喜びで炭焼きにされるでしょうね…コホン、もういいです。ガードナー、後はよろしく」


私は片手を上げて、ガードナーに彼を牢に収監するように伝えました。


次にお会いするときは処刑の時でしょうね。


「最後に一つ…」


ウィンターさんが急に最後に何かを言おうとしていました。


…私とは最期になるので聞いてあげましょうか


「死ぬ前にお前を抱かせろ!ヤらせろ!」


「はぁ…くだらない。貴族としての威厳も…騎士団の誇りも…国への忠誠心もないゴミに抱かれるくらいなら自爆して死んだ方がましです」


ウィンターさん…いいえ、ウィンターの最期の言葉はまるで不快な虫の音と大差ありませんでした。


こうなるなら面倒なんか見なきゃ良かった


そんな気持ちしか沸きませんでした。


あんなゴミのせいで、ワトキンス所長ならびに犠牲になった方々がいることに憤りを感じました。


あいつの処刑時は名乗り出ます。


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