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閑話~アイリスの1日(騎士団編)

フェアライン大陸


6:00


「起きてくださいアイリス様」


「んぁ~…いやだぁ~お″き″た″く″な″い″~」


アイリス・ローゼンハイムの朝はちょっと早い。


毎朝6時に起床し…すぐさま朝食を摂り…歯を磨き…湯浴みをして騎士服に身を整えると


「行ってきます…」


「いってらっしゃいませ!アイリス様!」


騎士団本部の執務室に転移魔法を使用して出勤。


この間1時間。


7:30


そこから色々な書類を確認しては判を押し…書き込んだり…と忙しい。


「おはようございます!団長!」


「おはよ~!ガードナー君、今日もツルツルですね!」


執務を行いながら、出勤してきた副団長…ガードナー・ブルックリンの頭を褒める。


今日も彼の登頂部はピカピカに光っている。


それを確認し、満足する。


「生えたら…生えたで…また浄化してくるでしょうからなっ!」


と、彼はプルプルと拳を震わせる…


これは怒っているのではなく…アイリス・ローゼンハイムが自分の綺麗に丸めた頭を褒められ…喜びに打ち震えているのだ。


「ガードナー君、早速だが…ここの予算を第10騎士団に申請して来てくれたまえっ」


「ちょ…諜報活動費の上乗せをですか…?いやいやいやっ!これは団長自ら赴いていただけませんとっ!」


8:00

騎士団、朝の朝礼。


「おはよう諸君!」


「「「「おはようございますっ!団長!」」」」」


挨拶は全員が元気良く大声で返事する。


「本日も、不調や怪我がないように職務に励め!以上っ!」


9:00


第10騎士団…騎士団の運営及び経理を行う騎士が集う部署。


非常に…非常にお金に厳しい騎士団である。


アイリスは嫌々ながら、第10騎士団に赴き…直談判もとい交渉する。


「なんでですかっ!諜報は重要な役割を担っていますよ!なぜ諜報活動費が削られて…この接待交際費が増えているのですかっ!」


「ここ最近、騎士団が浮き気味なんですよ、だから接待して支援者を増やす事に重きを置いているのです…大体、第7はよく剣を壊す…そこを改善しないと許可できない!第7は他の騎士団よりも倍は破損させているじゃないかっ!この間だって君たちはーーーーー


…惨敗である。


第10騎士団団長…マルコ・ファレファは第7騎士団にとって天敵である。


'守銭のマルコ'という2つ名を持つ男から予算を引き出すには非常に難敵であった。


第7騎士団執務室に戻り…ガードナーに話す


「ダメだったぁ…」


「…仕方ありません、また来月に期待しましょう」


騎士団は月始に予算を振り分けられる為、予算を決める月末には予算配分表が配分され、確定書が出回る前に各団長が守銭のマルコと対決するのだった。


10:00


本日は第7騎士団の訓練を視察。


入団1年未満の若手15人が必死に訓練を行っている。


「いかがでしょう?」


「あの子はいいですけど…まだ剣筋に迷いがあります、もっと稽古をつけて戦闘経験を増やしてあげなさい」


第7騎士団団員…指導役のケビン・ドーグマンと会話する。


新人が入団して4ヶ月。


騎士は定年が早くて40歳で退職するので入れ替わりが激しい、最年少で入団したアイリスは異例だが…基本は15歳から騎士団に入る。


若手15人のうち、8人がアイリスと同世代の新人。


男子6人、女子2人。


アイリスとの恋仲に望みを持つ男子、アイリスに憧れる女子。


そんな彼らが唯一、接触できるのはこの時間帯なのだ。


「ちょっと…あの子は変なクセができてませんか?」


「本当ですね…あれはダメだ、矯正させましょうか」


「私が指導します!ケビン、あなたは他を」


素振りする新人騎士…ドニーの元に行き、声をかける。


「ドニー…軸がブレていますよ」


「あああアイリス様!」


「…団長と呼びなさい」


ドニーはマックルトス伯爵家の次男。

彼は貴族の出だけあり、アイリスとの恋仲に多少なりとも自信があった。


他の騎士よりも接点が多いのだ。


「団長、今度マックルトス伯爵家でお茶会を開きます…ご参加いかがですか?」


「私語は慎みなさい、ここは社交界ではありません!騎士団です!…それと手紙を我が家に出しなさい、可否は必ずご返事します…コホン!…では…構えなさい!」


なんだかんだ…団員との交流を図る事が好きな騎士団団長である。


12:00

昼食


「いただきます」


騎士団食堂から総長室に持ち込まれた昼食を3人でいただく。


騎士団総長の兄エリックと、副総長の姉?クレイと毎日、昼食は総長室で摂っている。


団長職が食堂を使用すると、団員のリラックス空間がなくなるという考慮も含まれており…各団長は自分の執務室で食事をするか、同じ団長同士で食事する。


「諜報活動費が減らされてしまいました」


「う~ん…それについては申し訳ない、最近は元老院の保守派が騎士団の運営費に横槍を入れてるようだからね、近々…保守派のパーティーに参加して考えを軟化させてみるよ」


こうして食事中も砕けた口調だが、軽く執務の会話をするのも日常であった。


3人での昼食を摂り終えると、お茶を飲みながら軽く家族の話。


「俺…いや、私のおっぱいを触ったんだぜ?可愛くないか!?」


クレイお姉様は今、自称を矯正中であった。


せめて自称だけでも女性らしく振る舞いなさいと母…メーヴィスにきつく言われ、頑張っている。


13:00


「では…定例会議を始める」


「まずは、魔物の数量の議題だが…年々、減少を続けている…地方騎士の活躍も大きいが、冒険者の増加も一因だろう」


週1回の定例会議。


アイリスは第7騎士団団長として会議に参加する。


騎士団は主に10の組織で編成されている。


1は王家及び貴族の護衛。

2は国内戦闘員及び襲撃担当…旧国軍。

3は国内治安維持…旧憲兵団。

4は宗教護衛及び異教監視…旧聖騎士団。

5は外交及び来賓護衛…。

6は対外国戦闘員及び襲撃担当…旧国軍。

7は対外国諜報活動機関…。

8は騎士団正式装備及び武器製造。

9は配給及び備品管理。

10は騎士団運営及び経理。


これら全てを統括管理するのが騎士団総長である。


第7騎士団は全騎士をひとつに集めると総勢20000名にも上り、その中の騎士団団長となるアイリスはエリートである。


ローゼンハイム家出身であるが、入団時は第3騎士団から始まり…翌年に第1騎士団、そして第7騎士団の団長に最速で登り詰めた化け物であった。


15:00


アイリスは報告書で気になる地域に直接赴き、情報を聞く。


転移魔法がなかった頃は書類上のやり取りだけであったが、転移魔法を修得した現在は現場直行のスタイルである。


「やほ~………………どう?動いていますか?」


「団長様!ご苦労様ですっ!分団長のハジャワですっ!お間違えなく!」


アイリスは時々、名前を忘れる。

特に宰相のボーリック、メリダス教団の枢機卿…オスラン、そして分団長のハジャワ。


彼ら3人は間違え要員である。


「ハダカさん、あれは本当に驚異になりそうですか?どう見ても弱そうですけど…」


「ハジャワです団長!…奴らは女性を拉致し…奴隷商に売り飛ばす罪人、排除すべきかと思いますが…」


「排除せよ!女の敵は私の敵!一人残らず殲滅だ!」


16:00


書類及び報告書の整理。


アイリスが色々な職務を全うしている間でも書類はどんどん増え…報告書も増え続けるのである。


17:00


帰還した諜報員達を出迎える。


「ご苦労であった、フランク騎士!3日の休暇を与える!…ゆっくり身体を休めてください」


18:00

屋敷に帰宅。


真っ先に7つ子の赤ちゃんの元に行き、顔を見る。


「まぁ!カテリーナはよく動くのね!大きくなったらお転婆になりますね!」


「…誰かさんにそっくりですね、アイリス?」


19:00

侯爵令嬢教育


「アイリス様!下を向かないっ!視線は真っ直ぐですよ!」


今日はダンスレッスンである。


鬼教官…フェルクリスに指導され、こってりと絞られたアイリスである。


20:00


夕飯


「今日は、日々頑張っておられますアイリス様の為に、我が料理長…ブランシェール・オズボーンが丹精を込めてお作りしましたこのシチュー…お召し上がりください」


「はいっ!」


母メーヴィス、父ドウェイン、兄エリックと姉クレイ…家族揃っての食事である。


21:00


家族全員に就寝(転移)の挨拶をする。


イグラシア大陸が朝を迎える時間が近づき…

湯浴みと歯磨きを済ませ…寝間着に着替える。


22:00

メリダス教団の神殿に転移し…騎士団団長の日常は終了する。

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