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時空の魔女対策!

では早速行きましょう!と私が言うと…クレイお兄様に止められました


「アイリス、お前の突撃はある意味すげえと思う…ただな?世の中には段取りをって…分かるだろ?イグラシア大王国であんだけ上手く立ち回ったんだから…な?」


と説得されて…仕方なく、オリヴィエさん含め4人で作戦会議をしていました


私にかかれば、ワンパンで倒せますって!


「いいかい?時空の魔女は、まず…居合わせた者を異境に押し込める…そこで戦闘が開始されるんだ…あれは巨大な人形で、見境なく攻撃してくるはずだ」


オリヴィエ先生に図を描いてもらいながら…丁寧に説明していただいています


絵が…絵がすごく独創的ですね


「なんだこの奇怪異形は…」


「うっさい黙れ!」


ツッコミ気質のクレイお兄様は思わず、絵に口出ししていました


…犬?でしょうか?この絵は


「それで…攻撃というのはどんな手法で?いきなり人形の目からビームが出るわけじゃないよね?」


「人形は基本…鞭を使って襲撃してくる、トパーズみたいなキラキラした鞭だよ」


トパーズ…


そういえば、あの転移石の破片…ネックレスにするのをすっかり忘れていました


「なるほど…それで、その人形の中に核があると聞いたけど…その人形の外殻を破壊しなきゃならないわけか…面倒だな」


私の執務室の引き出しの中にずっと…入れっぱなしでしたね


あの転移石は騎士団の大型金庫でしっかりと眠ってます


「その外殻は【剣聖】の2人がチャージアタックで亀裂を作って貰ってだね…そこから僕とあいりすーがエクスプロージョンを当てる!」


「待てよ、ガキンチョも来るのか?」


価千金…世界の至宝らしいので…


ローゼンハイム領が傾きそうになったら砕いてひと欠片づつ市場に売り払うつもりです


「ガキンチョじゃねえし!肉体年齢15歳になったら10歳に戻されるだけで大人だし!コホン…僕はエクスプロージョン要員として行く!あいりすーにトレースの魔法を覚えさせて、僕のエクプロを同時最大火力で2発打ち込んでしまえば…核のお出ましだよ」


あの箱をいかにして壊すか…考えておかないといけませんね


ここ2~3ヶ月は領民達の生活の質が良くなり、税収は右肩上がりに増えていますが…何かあった時の為の備えはあった方が絶対にいいですもの!


「で?その核はどうやって壊すんだ?」


「もちろん、大聖女様の出番さ!最大火力のピュアリティーでその核を浄化させる!核は所謂、魔女の心だから…その心を浄化しちゃえばいいのさ」


貴族として平民の皆様に安心、安全な生活を作ることがお役目なのですから!


「その後は…残念だけど、あの子を殺す」


「殺さない選択は?」


「ないよ!半年…いいや、3ヶ月で魔女に戻ってしまうからね」


とりあえず…この問題が片付いたら、あの欠片をネックレスにしましょう!


宝石商のドンファさんにお願いすれば夕方には出来上がるはずです


「アイリス…お前、話聞いてなかったな?」


「はい?なんでしょうか?私はエクスプロージョンとピュアリティーを使う役目ですよね?」


「き…聞いてたか」


全く…私を甘く見すぎですお兄様


これでも、騎士団長と大聖女のお役目を掛け持ちしているハードワーカーなのですから!


病院で聖女として慰安しながら、冒険者協会に流す案件かそうじゃないかを頭の中で整理してたりしていますもの!


「それじゃ…決行は明後日か?トレースを覚えさせるにはこれからやるとしたら大変だろ?」


「いや明日だね、あいりすーならすぐ丸暗記しちゃうし…これから練習すればすぐさ」


私はどうやら、何か新しい魔法をご教授していただけるみたいです!


それでは早速行きましょう!と私はオリヴィエさんに言うと、喜んで転移してくれました





場所は…ラインツ王国の南に位置する荒野


ここなら確かに誰も来ませんし…安全な場所ですね


「火の使者よ…力の根源たる我の名の元に命ずる…爆裂させよ…!エクスプロージョン!…あら?巻き込んじゃったかしら?……まあいいわ、どうせヒーラーがいるのですから…あれらに任せてればどうせ生き返るわよ」


…最後のなに!?

オリヴィエさんらしからぬ発言だったんですけど… 


でも威力がすごい…かなり大きなきのこ雲が発生し…爆発音が遅れて聞こえてくるほど大衝撃波…


さすが魔術師団の団長

ハイレベル過ぎて言葉が出ませんでした


「さて…あいりすー君、今の魔法…実は使った魔力も爆発の規模も…僕が駆使したエクスプロージョンじゃないんだ」


「…つまり?」


「これね…君のお母さんが超超超大好きなエクスプロージョンを'トレース'っていう魔法でコピーしただけの物でね、一挙一動すべてが君のお母さんの動きを再現してるんだ」


あぁ…その言葉で最後の発言に納得いきました


絶対お母様、エクスプロージョンを放った後に味方まで巻き込んだ後の言葉ですよね…


「とりあえず、トレースって言うのは相手の技をコピーしつつ半分の魔力で同規模の魔法が使えるすごくインチキな魔法なんだよ、覚えておくと絶対損をしない最高の魔法!」


それは…かなり便利ですね



「……デメリットは相手が技を繰り出す癖も言動も全く同じように吸収しちゃうから…さっきみたいに最後のあんな風に真似しちゃうって所がヤバイ」


な…なるほど


そこから、オリヴィエさんによる…'トレース'修得の指導が始まります


「火の使者よ…我の名の元に命ずる…大地を…爆裂させよ!エクスプロージョン!」


私のエクスプロージョンは…あのデモンストレーションの規模には及ばず…


中規模程度の爆発でした…


オリヴィエさんの方に目を向けると、オリヴィエさんは腕組みしながら、私を見つめていました


オリヴィエさんの瞳孔は赤く…私の一挙一動すべてを見ていました


…これがトレースの魔法を使用中である時の目なんですね


ちょっと恐い…


その後…瞬きすると元に戻りました


「いくよ~?」


と、オリヴィエさんは合図をして動き始めます



えーっと…


トレース!


心の中で叫び…魔力を目元に集め…目を開きます


「火の使者よ…我の名の元に命ずる…大地を爆裂させ…灰にせよ!エクスプロージョン!」


すぐにトレースの魔法を解除し、オリヴィエさんのエクスプロージョンを見ます


それはお母様のエクスプロージョンよりもかなり大きな大爆発でした…


真っ赤なきのこ雲が浮き上がり…地響きが続き…


音が再び遅れて聞こえました…


こ…これが本物の人が繰り出すエクスプロージョン…


まるでこの世の終わりに見るようなものすごい魔法でした…


「えっへーん!どう?どう?光属性のあいりすーや、雷適正のメーヴィスじゃできない…僕渾身のエクスプロージョンは」


褒めて褒めてと言わんばかりのオリヴィエさん


あれは凄かったでした…


「世界の終わりかと思うほどの威力でした…さすが魔術師団の団長様です」


思わず拍手して絶賛します


…喜んでいる女の子は良いですね…


純粋な笑顔でピョンピョン飛んで褒められた嬉しさを最大限表してくれますもの


…これでも大先輩なので、頭撫で撫でするのはやめておきました


さて、例のトレースしたエクスプロージョンを試します!



脳裏に先ほどのオリヴィエさんの動きをイメージすると、体が勝手に動いてしまいます…


これが'トレース'…


どんな細かな動作も…そのまま再現し尽くしてしまうのです


「火の使者よ…我の名の元に命ずる…大地を爆裂させ…灰にせよ!エクスプロージョン!」


先ほどのエクスプロージョンが本当に再現されてしまいました…


まるで私が繰り出した魔法に見えますが…消費した体感の魔力は本当に少なかったです


これはトレースによって…動作をかなり削減した故に起きる恩恵らしく、この魔法がいかに危険かが…使ってやっと理解できました


なるほど…これが禁忌魔法なんですね

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