後日談~大聖女爆誕!
あれから色々とありました
イグラシア大王国の国王が失脚…新国王は元グラシア帝国王太子だった…クリス・クロレンツさんが着任。
隣都市のラスピッツバーグが王都と選定され、新たに発足しました。
…すごい偶然ですが使っていた偽名がグラシア帝国の王家の血筋と同じで前国王も国軍もそのセンを疑っていたみたいです
悪政だった政策も次々と修正され、前国王や国軍と並んで私腹を肥やしていた貴族は断罪
男尊女卑が顕著だった政策も一新され、男女公平にするように差別を厳罰化して意識改革を浸透させるように進めました
広大すぎて管理できていなかった領土を分割し…新たに5ヵ国も建国されました。
フェアライン大陸と国交を結び、人や技術…物品などが輸入と輸出できるようになり…目まぐるしい成長を期待できます!
それと新たな国のお話をすると…メリダス様が元首となったメリダス教国が建国されました
前イグラシア大王国の王都がそのままメリダス教国と選定され、メリダス教団が国を統治する事になり…教皇メリダス様は国の主になりました。
これが…その後の1ヶ月で起きた出来事でした
私と部下達は1ヶ月の超大型休暇をいただきました!
今回の主役ですし?私なんか24時間フル稼働で働き詰めでしたから…当然の権利です!
そんなこんなで…今、私はウェインズ連合国で旅行を楽しんでいました
「マチルダさん…やっぱ可愛いですね…」
「アイリスさんも可愛いですよ?」
マチルダさんという現地エルフを捕まえて…先の疲れを癒してもらっています
グヘヘ~…マチルダさんの膝枕は最高です!
「マチルダさん…お嫁に来ませんか?」
私は…この癒しから離れたくないという欲求が沸いて…思わずプロポーズをしてしまいました
マチルダさんは驚いた表情をして考え込んだ後…冷静になり答えました
「それは無理ですね…アイリスさんに私は不釣り合いですもの」
「えぇ~…やだやだぁ…離れたくないですよぉ…マチルダさんにずっと癒されたいです」
2ヶ月前、嫌というほどおじさんや頭のおかしい方々に付き合わされ、最後はそのおじさん達の返り血を浴びて…
精神がボロボロになったので絶対的な癒しが必要なのです!
そしてマチルダさんに甘やかしていただき…気がつきました
癒しとは…綺麗な女性や可愛い女の子に…甘やかし…尽くしていただくことこそ
究極の癒しなんですね!
世の殿方が求めているのは…こういった癒し…!
「世界の心理に気がついたのですか?…私にも教えてください?」
マチルダさんの甘く…優しい声が私の耳を刺激しました…
ほわぁ~癒されますう~
私…このままマチルダさんの子供になってずっと一生癒されていますね!
「やはりここにいましたか…アイリス嬢!」
「人違いです」
マチルダさんの膝枕に顔を埋めながら、呼び掛けてくる声に適当な返事を返します
マチルダさんは、私の頭をナデナデし続けてくれて…デヘヘ…気持ちいい~
「何を言っておられる…貴女の様な化け物が他にもいたら世界がいくつあっても足りん!」
うるさい人ですね…
今…癒し間に野郎はいらないんで出ていって欲しいです
「…メリダス様からアイリス嬢をお迎えするように申し付けられております」
「え?メリダス様ですか!」
私はバっと起き上がって従者の方に体を向けます
マチルダさんとお別れするのは名残惜しいですが…
メリダス様がお呼びなら…メリダス様にも甘やかしていただくことにしましょう!
「早急で…神殿に来て欲しい…と書いております」
あれ?この従者はどこかで見た方ですね?
年老いた男性で…
あぁ…枢機卿ですか!
そういえば居ましたね…こんな人
「なるほど!では早速…マチルダさん、行ってきますね!」
「えぇ、アイリスさん…いつでもいらっしゃい」
女神の様な微笑みを浮かべ…手を振るマチルダさんに私は涙を浮かべながら…転移しました
あぁ…マチルダさん、また行きますね!
☆☆☆☆☆☆
従者として用件を伝えた儂は思わず、目の前のエルフに一言労いの言葉をかける
「あの怪物のあやし役とは…苦労しますな」
エルフは儂の言葉を聞き、微笑みながら返事をする
「…???私にとっては可愛い子供ですよ?」
あの化け物…いや、怪物のどこが…可愛い子供なのか?
聞き返したくなるのを我慢し…儂も後を追ってお暇させていただいた
☆☆☆☆☆
癒されに来たのに…なんでこうなるのでしょうか…?
世の中は理不尽この上ありません…
私の目の前には、よくお似合いの円満夫婦がイチャイチャしていました
メリダス様とオルグスさんが、ソファーでくつろいでいました
2人は密着し…おっとりとした顔でオルグスさんの顔を見つめるメリダス様
オルグスさんはだいぶ窶れ…かなりお疲れのご様子でした
…そういうことでしょうね
だって…メリダス様のお肌がかなりツヤッツヤですもの
「やぁ…アイリス…休暇は楽しんでるかい…?」
覇気のないご挨拶をするオルグスさん
昨晩はお楽しみでしたね
ちっ…やっぱりマチルダさんしか癒してくれませんか
「アイリスさん、お待ちしていました!すぐにお着替えしますよ!」
メリダス様がすごい早さで来て…両肩を捕まれました
逃げると思われているのでしょうか??
「サラ!アイリスさんをお願いしますね」
「はーい教皇様!後はお任せください!」
サーラはメリダス様付きの侍女として、主従関係になっていました…
残念です…ローゼンハイム家の侍女としてお迎えしたかったのに…
神殿にあるドレッサールームに押し込められ…
複数人の侍女さん達が手際よく私を着せ替えしてくれていました
「こういったフリフリの白いドレスって…久しぶりに着ますね?」
「そうですか?私はアイリス様にはいつもこういったドレスを着せるように申し付けられていましたから…日常です」
聖女扱いになった頃から、イグラシア大王国に滞在している時はずっと…白いドレスを着ていました
誰が見ても聖女らしさをアピールするためって最初はサーラに言われて仕方なく着ていましたけど…
今は抵抗もなくなってしまいましたね
小さな頃から黒色が好きで、ファイアライゼン公爵様のパーティで黒ドレス案をお兄様達にお伝えしたら
「悪女に見えるからやめなさい!」と説得されたのを思い出しました
はっ!ウェディングドレスももしかしたら…無感情で着てしまうのでしょうか!?
結婚式を挙げた方々はウェディングドレスを着たときは感動して涙が出ましたと仰っていました
この聖女風味のドレスばかり着ている私は感動も味わえないのかもしれません…
「…何を考えているか分かりませんが…聖女様のドレスは修道服をベースに手を加えられた特別な服なんですよ?他のドレスとは全然違います」
な…なるほど、じゃあもしかしたら…私がウェディングドレスを着ても感動して涙で震えるかもしれませんね!
「ところで…なぜ今さらになって聖女風味のか装いをしているのですか?」
「それは~…後でお分かりになられる事ですよ」
サーラに適当にはぐらかされてしまいました
また聖女様の召喚?
だとしたら、私が前任の聖女ですから…引き継ぎをやることになりますね!
何もしていない偽聖女ですが…最後の聖女としてのお仕事…頑張りましょう!
「入りますね~」
私が聖女として最後のお仕事に意欲的になっていますと、メリダス様がドレッサールームに入ってきました
凄く真剣なお顔で、私の爪先から頭まで凝視して…頷きました
「はい、いい出来ですよ皆さん!それでは参りましょうか?」
「え?…はい!最後の任務頑張ります!」
「「「最後の任務…??」」」
私の一言にメリダス様と侍女さん達のお顔がすっとんきょうな表情になっていました
あれ?何か違いましたかね?
「最後ではなく、これからの任務に期待していますよ?では…参ります」
メリダス様が私の手をつなぎ、転移魔法を発動させました
いつもの浮遊感を感じた後、目を開けると…
ここは…ラインツ王国の宴会場でしょうか??
周囲を見回すと…お父様とお兄様…ローゼンハイム家全員がいて…あれ?お母様のお腹大きくない?
第7騎士団騎士達が礼服を着込んで私に拍手をしていて
オリヴィエに…オルグスさん、ファイアライゼン公爵家の面々…あ!癒しの女神…マチルダさんも!
それと…12ヵ国の王族や貴族の方々もご参加なさっています
私が知っている方々がたくさんいらっしゃいました
「遅くなりましたわ…ラインツ陛下」
「いや…いいのだよメリダス君、どうせアイリス嬢に常識はないのだから、仕方のない事だ…むしろ、ちゃんと来たという事が奇跡に等しい」
なんてひどい事を言うんですか陛下…
っと言いますか…何の催しなのでしょうか??
「コホンッ…アイリス・ローゼンハイム嬢!」
「はいっ!」
バークレイ国王陛下が大きな書状を読み上げていました…
何か見たことがあるなぁ~…と他人事の様に見ていましたら
はっと気がつきました
これって…爵位とか与えられる式典なのではないですか!?
え…?私?私が授与されるんですよね?これ…
「貴女の活躍により…断絶された両大陸の不和を解消し、平和的解決に導き…世界平和をもたらした歴史的偉業を称え…アイリス・ローゼンハイムに【大聖女】の称号を与える!…これからも世界平和の為に付き従い…努力するように」
「あ…ありがたき…幸せ?」
なんてこった…聖女交代じゃなく…大聖女に出世しちゃいましたよ!
えぇ…どうして?
やっと道行くご老人に「聖女様…」とか言われ両手で拝んで崇められたり
子供に「聖女様!聖女様!」って懐かれたり…
男性に「聖女様万歳!」と大はしゃぎされる事から解放されると思ったのに…
わ…私は…ただの騎士団団長なんですってば!!!!




