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チェンジリング・ヒロインゲーム ~私のハッピーエンドを目指して~  作者: えとう蜜夏


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三十八

 ガブちゃんと話していて、私はいつの間にかとんでもない立場になっていたことに気が付いた。避けようとしていたのに別のライバルになるなんて。それも王太子様を巡ってのライバル候補ですって? これはもう笑い事じゃないわよ。


 この話の後、任せなさいと元気に胸を叩くガブちゃんに私は期待して、代わりにジョーゼットとのことを考えていた。今やライバル役になっている私。さぞかしあの可憐な表情を曇らせているのじゃないかしら。ひょっとしたら泣いているかもしれないわよね。でも、この混乱を招いたのはルークお兄様なのよ。早くこの取り違えのことが判明して本来の方に戻るようにしてもらった方がいいわ。


 悪いことにジョーゼットがうちにやってくるのは王子様のお忍びの後なのよ。お相手を代わってもらうという私の計画は上手くいかない。どうしたらいいのかしら?


 王太子様はお忙しいので一日しかいらっしゃらない。ジョーゼットと王太子様の仲を取り持つ筈がますます泥沼になっている気がする。いっそ、ガブちゃんの逆ハー計画に協力した方が良いかもしれない。


 そもそも私は『ゆるハー』時代からユリアン様なの。この世界でだって小さい頃にお母様についていったお茶会で、初めて会ったときにユリアン様の天使のような容貌に一目惚れしたのよ。


 最初はお菓子を探していた私に親切にユリアン様は手渡してくれて椅子までひいてくれたの。ユリアン様はそれはそれは優しかったわ。今でもそうだと思うのよ。嫌われていたと思っていたのは全てユリアン様からの贈り物や手紙を握り潰していたルークお兄様のせいだと判明したんだからね。


 今日も出かけしていたガブちゃんの戦利品を眺めながら話に花が咲いていた。


「ねえ。そういや王宮のこの間の大舞踏会の話を聞きたいのだけど……」


「あら、ガブちゃんなら今度ミーシャ商会の代表で参加すれば良いんじゃないの。そうよ。王太子様との謁見なんてどう? そして、民間からのお后様誕生! なんてね」


「うはっ。それはそれは壮大な計画。でも、それ良いわね! アーシア、……様も考えたわね」


「もう、私もガブちゃんと呼んでいるからアーシアでいいわよ」


「アーシア、そうね。そう呼ばせてもらおうかな。でもやだ。貴族の礼儀って息苦しそう。宮廷用のドレスとか用意して無いしね」


「あ、それならガブちゃんが持ってきてくれたドレスはどう? お返ししてもいいわよ」


「冗談。あれは虹色のドレスだから着る人をとても選ぶじゃん。それもクールビューティな人しか合わないの。サイズだって私に合う筈無いわ。アーシアはさあ、中身はどうあれ、見た目は超絶美人だものねぇ。羨ましい。スタイルもしゅっとしてて、いいわよね」


「虹色ドレスってまた、お兄様も凄いのを用意してくれたものね。そんなものまで……」


「ルーク様はやり手だもん。今や宰相に一番近い男として思われてるんじゃない?」


「うはぁ。何でガブちゃんがそんなとこまで知ってるの」


「当たり前でしょ。うちはこの国の商工ギルドの長なんだから、いろいろと情報は耳に入るの。いずれは来るわよ。庶民の夜明けが!」


 そういうとまるで幕末の志士のような雰囲気になっていた。勿論幕末の志士とかリアルで見たことないので空想だけどね。


「……ガブちゃんって、逆ハーしか狙ってないように見えてたんだけど」


「ま、まあそれは今でも狙ってるけど? イケメンは尊い。そう言えばあなたは何気にジルも攻略してんじゃん。それこそ、どうなってるのよ?」


「ガブちゃん、逆ハーはまだ諦めてないんだ……。え? ジル? ええっと騎士団長の息子よね。私の知ってるテンプレ騎士団息子系じゃなかったけど。そういやなんだか言いがかりをつけてこられたのを跳ね飛ばしたのよね。その、ムチでね……」


「でた! む、ムチっ。ぶははは。私の知ってる『ゆるハー』じゃあ、父親に似て無くて母親の不義の子だなんだと幼少期から言われて、色々コンプレックスを持っているという設定よ。良くあるパターン。だから、見た目を気にしない人に一気に好感度が傾くというやつ。逆に容姿のことを言えば地雷なんだよね」


「はあ。そんな迷惑な設定だったの。私ってば、やらかしたかも……」


「あなたの方が逆ハーになってんじゃないの?」


 翌日、お兄様に王太子様の来る日にちは教えてもらえなかった。どこからか漏れると困るということなのだそう。だから、私はいついらしても良いように気が抜けなかった。ガブちゃんにも言えない。お兄様もガブちゃんが帰った後でと手配はされているようだった。こうなったら、ガブちゃんがいてくれる方が安心なのだけど。


 お兄様は館の警備から町中、王太子様の来る道中もそれとなく警戒を強化してようだった。私はガブちゃんが持ってきてくれたドレスなんかの試着をしていた。


「虹色のドレスを持ってきた甲斐があったわね。手直しの必要もなさそうだし、良く似合っているというか、神レベル?」


 ガブちゃんに褒められると何だかこそばゆい。ついこの間までは一方的にライバル宣言されてたのに。


 虹色のドレスは見た目は黒い蚕のような虫から取れる虹色に光る繊維で出来ていた。その生地はとても貴重なもので王族の着る第一級クラスの織物なの。但し見た目に反して結構重量があるのがちょっと難点かな。 


「でも、動きやすいのは男性用よね。今度軍服ぽいのも着てみたいかも」


「何またそんな楽しいことを言ってるのよ。でも似合いそうね。某歌劇団は私も嫌いじゃないし。寧ろ好きだし良いかもね。ちょっと商会の手持ちで良いのが無いか探してこようかな」

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