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雪月花の報告

ヴァーヴァラ、ミニ図鑑、おさらい編


【隆史の悪魔】


レイズ、アメリ、カオル、常磐、ジャンヌ、アンリ、アオイ(雪月花)、システィナ、ミィール、黄忠が安部隆史の契約した悪魔である。

(なお、神は省略。)


このうち、常磐、アンリは独逸軍との衝突で死亡

(常磐は運良くその後蘇る。)

システィナはゼウスの戦いで死亡。

黄忠は隆史の妻、ライラに主導権が移る。


そして、対戦時にレイズ、アメリ、カオル、ミィールが死亡し、実質上、今残っているのはアオイとジャンヌである。

 その後、作戦会議で今後の航路を定めて解散となった。


「報告を聞きたい。雪月花。」

 僕は自室に戻ると、抱いていた猫を降ろして言った。

 抱かれている最中、ぼっとしていた雪月花だが、ハッと我に返ると視線を床に向けた。

「聞きますか?」

「分かっている。今が1900年代だったら、人間であるライラやシャル、秋霧は死んでいるのだろう?」

 悲しい現実は、この現実を知った時に悟っていた。

「いえ、人間での生き残りはおります。不老の術を開発した人がおります。」

「何だって?」

「丈様です。美加様が不治の病に罹られた時、一か八かと丈様が開発して使用致しました。それは成功しまして、美加様は癒えましたが、不老になったため半永久的に生き続けます。そして、長く一緒に生きていくために丈様も自らに不老の術を。もちろん、ライラ様や秋霧様も試されましたが身体が合わず、唯一それが成功したのはヴァリス様でした。」

「ヴァリスが。」

「賭けに対する執着心で。」

「ああ……。」

 そう言えば、ヴァリスとは戦場で賭けをしたのだ。

 どちらが先に死ぬか、ということで、ヴァリスは自分に賭け、自分はヴァリスに賭けたのだ。

「でも、老衰で死ねばヴァリスの勝ちじゃないか。」

「それではアンフェアだと。」

 なるほど、あいつらしい。

「それで?」

「他にはタイアンル様、ジェニアス様は妖しもどき故、長く生きました。リリー様はゼウスの実験の影響か、長く老いずにいます。もちろん、レティシア様、ルナー様もヴァンパイアですので。もちろん、レキ様などのエルフも。」

「なるほど。」

 では、まだ希望はあるのか……。

「隆史様の子も多く生まれました。ですが……。」

 雪月花はそこで視線を落としました。

「一九二一年、丈様が自らお子様と美加様を連れて日本に逃亡しました。その時、美加様と会話なさっていたレキ様が殺されてしまいました。」

「何ぃ?」

 丈がレキを殺した?で、日本に?

「その後、すぐに日本軍は仏蘭西軍に宣戦布告しました。その後、御主人様とレティシア様を始めとする指揮で領土を守っていましたが、徐々にそれは押されつつありました。そして、一九二五年、御主人様はこのままでは防戦一方でいつかは負ける、と決断し、全勢力を引き連れて本拠地、中国を叩きに向かいました。そこで全勢力がぶつかました。」

 次第に、雪月花の声が湿ってきた。

「戦っている最中、まずはアメリが死にました。魔力切れで、最後は御主人様を庇って。」

 そこまで言うと、彼女はチラと僕の様子を伺った。

 僕は黙って先を促した。

「そしてその次にカオルとミィールが。不利を悟ったレイズは私達を術の届きうる範囲まで飛ばして逃がしました。そのレイズも恐らくは斬られたでしょう。その後、私達は包囲されましたが御主人様は九尾を解放する事によってその場を逃れました。」

 しかし、僕の身体には九尾はまだいる。

 すなわち、この世界には九尾が二匹いるということだ。

 僕は少し思考を逸らしながら考えた。

「そして御主人様は走りながら私達を解放しました。その後、御主人様の娘さんの未来(みく)様に召喚された際に聞いた話ですと、御主人様は神炎を放出してイタリア兵、およそ一万を道連れにお亡くなりになられたと。」

「―――ご苦労。雪月花。」

 僕はそう呟くと、立ち上がった。

「―――御主人様?」

「僕も非情になった者だな。雪月花を亡くした時は涙を流したものの、今は涙を流す気配は少しもない。雪月花が僕にとって大切であった、ということもその時は大きかったのだろうが、多くの大切な人を亡くしてきて、どうも感覚が鈍ってしまったらしい。」

 僕はそう言いながら猫の姿である雪月花を再び抱きかかえると、部屋から出た。

 そして、厨房からワインとグラスを二つもらうと、甲板に出た。

「少し、酔わないか。雪月花。」

「お供します。どこまでも。」

 雪月花は僕の腕から抜け出すと、人間の姿となった。

 和服を纏ったその美しい姿は生きていた頃と何ら変わりはない。

 もう夕方のようで、西日が煌々と甲板を照らしている。

 その夕日は雪月花の美しさを引き出しているようだった。

 僕は甲板にあった二つの箱を椅子代わりに、そして転がっていた樽をテーブル代わりに仕立て上げた。

 そして、樽を挟んで僕らは座ると、雪月花はグラスにワインを注いだ。


「乾杯。」

「乾杯です。」

 

 船上、ひっそりと弔いの酒宴が開かれたのだった。

 

※作者は少し自分探しの旅に出かけるため、更新を少し停止します。

 ご了承下さい。

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