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毒杯の晩餐と百の献立  作者: 水前寺鯉太郎


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第七十九夜 ―― 影の勇者と、太陽の広場 ――

第七十九夜 ―― 影の勇者と、太陽の広場 ――


 王宮の夜明け。黄金の光が、すべての石柱を白く染め上げている。

 ザルカ王は、窓を開け放ち、清々しい風を全身に浴びた。

「……アリはついに、外へ出たのだな。醜い外見の奥にある、太陽よりも眩しい魂を、街の人々が認めたのだ。サフィア、物語の結末がこれほどまでに誇らしいものだとは知らなかったぞ」

 サフィアは、王の隣に立ち、最終夜の結びを語った。

◆ サフィアの語り 第七十九夜 ――「祝福の喝采と、真実の姿」

 戦いが終わり、静寂が街を包みました。

 大聖堂から出てきた隊長と踊り子は、英雄として民衆に迎えられました。しかし、踊り子は喝采を遮り、暗い聖堂の奥にうずくまっていたアリの手を優しく取りました。

 彼女に引かれ、恐る恐る陽光の下に現れたアリ。人々は最初、その姿に息を呑みましたが、やがて彼の勇気と愛を讃える大歓声が沸き起こりました。

 アリはもう、石像に話しかける必要はありません。

 彼はついに、自分を閉じ込めていた心の檻を打ち破り、一人の人間として、愛する人々が待つ広場へと迎え入れられたのでした。

 サフィアは語り終え、王の手に自らの手を重ねた。

「王様。真の聖域とは、建物の壁の中ではなく、他者を思いやる心の中にありますの。……明日からのあなたの治世が、すべてのアリたちを照らす光となりますように」

 ザルカは、力強く頷き、地平線から昇る太陽を直視した。

「……ああ、サフィア。余もまた、外見や血筋という名の『大聖堂』に、真実を閉じ込めぬ王になろう」

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