第七十八夜 ―― 処刑台の奇跡と、神の墜落 ――
第七十八夜 ―― 処刑台の奇跡と、神の墜落 ――
王宮の広場。焚き木の山が積まれ、火がつけられるのを待っている。
ザルカ王は、自らの手でその薪を崩し、天を見上げた。
「……サフィア、もう十分だ。これ以上、無実の魂が焼かれるのを見てはいられぬ。アリ! あの高い塔から、お前の愛を叫べ! 神の怒りが下るのは、罪人ではなく、裁く側の方なのだ」
サフィアは、王の叫びに呼応するように、第七十八夜の激動を語り始めた。
◆ サフィアの語り 第七十八夜 ――「炎の中の救出と、石像の裁き」
処刑の朝。司祭は「自分を選べば命を助ける」と踊り子に迫りましたが、彼女は誇り高くそれを拒みました。火が放たれようとしたその瞬間、拘束を脱したアリが大聖堂の上から飛び降り、彼女を抱きかかえて「聖域!」と叫びました。
大聖堂を巡る激しい攻防戦が始まりました。檻を脱した隊長と民衆が護衛隊に立ち向かい、アリは上から石を投げ、熱した鉛を流して応戦しました。
狂乱した司祭は、自らの手で二人を殺そうと屋上に現れます。アリを突き落とし、踊り子を手にかけようとしたその時、彼が足をかけた石像が、まるで神の意志であるかのように崩れ去りました。
司祭は絶叫と共に虚空へ消え、アリもまた転落しましたが、隊長の手によって間一髪で救い上げられたのです。




