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無間のハルカ・カナタ~死にすぎたので、致命傷くらいなら平気です~  作者: マシナマナブ
第三章

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お告げ

「つまり、そいつを止めればマリスの襲撃も止められるってこと?」


 ついに希望の光を見つけられたように思えた。


「その可能性は高いです。ただ、マリスの大群がその何者かの盾になります。難易度は極めて高いと言わざるを得ません」


 それでも、すべてのマリスを倒すよりはましだ。

 とは言え、ぼくの今の力では心許ないことも確かだ。

 そこで、ふと疑問が浮かぶ。


「そういえば、ぼくの能力って何なんだろう?」


「カナタさんの?」


「レムウォーカーには、それぞれ特別な力があるんでしょう? レヴェリアで死ぬと現実に戻る。それがぼくの能力なのかな?」


「大変興味深い現象ですが、レムウォーカーの能力とは少し性質が違うように思います。そもそも、私たちはレヴェリアで死んだ経験がありません。死ねば現実へ戻るというのが、カナタさんだけの現象なのかどうかも分からないのです」


 ミコの答えは慎重だった。


「予知で見た限り、カナタさんの身体能力は強化者(ブースター)並みです。ですが、あれは能力ではなく、ご自身の鍛錬によって身につけられたものに見えました」


「じゃあ、ぼくの能力は結局なんだろう……」


「レムウォーカーの能力は、その人の強い願望と結びついています。カナタさんがレヴェリアへ来る前、強く願っていたことはありませんか?」


「願っていたこと……」


 考えてみるが、何も浮かばない。


「特にないと思う。何者かになりたいとか、何かを成し遂げたいとか、そういう夢もなかったし」


「それは妙ですね」


「夢も野望もない人間が、レヴェリアに来ることはないの?」


「私の知る限りではありません」


 ミコは少し考えてから口を開いた。


「もしかしたら、夢ではなく、後悔なのかもしれません」


「後悔?」


「ええ。例えば、マリスウォーカーは生前の未練に囚われ、過去へ向かう存在です。ならば強い後悔が、レムウォーカーを生み出すこともあるのかもしれません」


 後悔だとすれば、心当たりはある。


「ただし、そのような実例は知らないのです。レムウォーカーは、望みを抱き未来へ向かう存在。マリスウォーカーは未練に囚われ、過去へ向かう存在。それは似ているようで大きな違いがあります」


 結局、ぼくの能力は分からないままだったが、やるべきことは決まった。マリスを操るレムウォーカーを見つけ出し、止める。

 ぼくは立ち上がった。


「ああ、それから、現実世界についても見てみました」


 ミコは少し慌てて付け加えた。


「やはり、現実世界のことは鮮明には見えませんでした。ただ、漠然としたお告げのような言葉を聞きました」


「お願いします」


 ミコは懐からお告げを書き留めた木札を取り出し、読み上げる。


「――セイとシがマジわるトコロ、シンジツをテらすヒカリがウまれる。ヒカリはムサシのミタケにて、オトをアキらかにする」


「生と死が交わるところ……?」


「以上です」


 ミコはその木札をぼくに差し出した。


「私にも詳しい意味は分かりません。これが何かの手掛かりになれば良いのですが」


 ぼくはそのお告げを読み返す。

 この言葉が、現実世界のループを解く手掛かりになるのかもしれない。

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