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桜の舞う摩天楼  作者: ハイク
第二章 魔王軍
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48話 決着

前回のあらすじ

スライムも余裕で倒せるよ!だけど辺り一面焼け野原!

俺達はいつもの支度をし、ギルドへ向かう。

屋根の修理費が足りないので急きょクエストで稼ぐ事になったのだ。

後、あの執事の依頼の件だが、解決したが金は貰えなかったと言っておいた。

そう言えば、結局あの執事みたいな奴が来てから1マールも稼げてない。


道中仲間とどんなクエストを受けようかと話していたところ、普段は違和感のないミニマップに不審な白丸があった。

「ちょっと先ギルド行っててくれ。俺も後から行く。」

さっと走って人通りが少ない所へ行く。


人気のない細い路地。

ミニマップを見たが、やはり俺を尾行しているようだ。こちらへ近付いて来る。

もしセバスなら今回は薙刀もあるし何とかなるだろう・・・

「探しましたよ・・・」

「ほっほっほ。ここまで私を苦戦させたのは貴方が初めてでございます。」

「私も本気で相手して差し上げましょう。」


うん、あの時の事・・絶対、根に持っているな。


ここでなら竜変身してもばれないだろう。早速竜変身を発動させる。

もう変身中に視界が遮られるなどという事はない。


翼や尻尾は衣服には影響ないようになっている。例えば変身したらズボンの尻のところだけ綺麗に破れているとかも無い。そこらへんは良く分からないが安心だ。


変身したらなぜか薙刀も消えている・・・持ってきた意味はあったのだろうか。


「強化魔法はお済みですかな?ならばこちらから参ります。」

待っててくれたのか、しかも相手は強化魔法だと思っているらしい。


敵は居合の構えをしている。

仕方ない。受け止めるように集中する。


・・・・来るっ


そう思う瞬間手に力を籠め炎を出す。

手は竜のものへと切り替わり、剣を弾く。


「貴方もこの三日で成長を果たした様子。」

「反応は良いが、私の剣技の対策のみをやってきたように思える。」


セバスの姿が消える。


「もしそうならば、この手には敵うまいて」


後ろに声が聞こえ、振り向くが誰もいない。

・・・

こういう時、ゲームならどうするか。ミニマップには敵であっても味方であっても例えそれらがどこに居ても有効範囲なら表示される。

敵は自分に重なるように表示されている。

ならば。上か下・・・


手を天に向かって突き出し、炎を蓄積させる。

この身体なら魔法の行使も容易い。

みるみる炎の塊が頭上に構築される。

「なっ!」


セバスは間一髪でそれを避け、次に白はその炎を手に持てるサイズまで圧縮する。

圧縮していた内にまた姿が見えなくなった。

ミニマップを見なくても分かる。後ろだ。

なら空へ出る。少し目立つが問題ない。

斜め前へ一気に空へ出る。振り向きセバスの姿が見えるようになったところで小さく圧縮された火球をぶち込む。

圧縮はしたが、爆発はしないようにしている。

当たるかと思ったところでまたセバスの姿が消える。


「まだ生きているか。」


街だと色々不便だ。

弱いモンスターしかいない,見晴らしの良い近くの草原へ飛ぶ。

ミニマップを見るとしっかり付いてきているようだ。

適当な所へ降りる。


「おい、いるなら姿を見せろ。」

「やれやれ。」

目の前に姿を現し、持っているクナイで貫こうとしている。

嫌な予感がする。

察知した俺は後ろへ飛び、全方位へ炎を撒き散らす。

分身らしきものが辺りに大量発生しては煙を出し消えていく。

ここまで来たら忍者だと確信せざるを得ない。

竜変身を解除し薙刀を握りしめる。


ミニマップには見えないが分身は大量に居るだろう。

ブレイブスターの衝撃波で全方位攻撃。隠れていた分身は薙刀のエンチャント効果で爆発しつつ煙になって消える。

クリアスマッシュ、今となっては意識せずとも発動するようになっている。

地面に当て翼で飛ぶよりももっと早く空中へ移動する。

本体が見つからない。


飛びながら薙刀を振り回すが当たるのは分身ばかり。爆発して煙になる。


後ろに何かが当たる感覚が来る。



「残念でしたな。」


俺の体は苦無で貫かれた。

だが。

「かはっ・・・それは・・・こっちのセリフだ」


セバスは苦無を抜き、俺と一緒に落ちる。


少し試してみたい事があった。

竜変身を落ちながら発動させる。

それと同時に、

「タイム、ドラゴン・・・。」


ゴーン・・・


時は止まる。


「(やはり変身した体と元の体は別・・・)」


さっきまで身体に空いた穴は無かったかのように塞がれている。


「(これなら)」


すぐさまセバスを切り裂き空高くへ昇る。


ある程度昇り、錐揉み(きりもみ)回転しつつ急降下。

爪から火を出しては火のが止まり、それはさながら超高速で落下する隕石のようだった。


回転が強くなり威力は増す、それが敵の頭上まで来たところで鐘は鳴る。


ゴーン・・・


「!?GGGGGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」


人間のものとは思えない声を上げセバスは落ちる。いや、体の音、骨の音、臓器の音という音がすべて混ざったような不快な音だ。

地面に叩きつけられるまで1秒ももたなかったその落下は、セバスの血という血をすべて吐き出した。


「(さすがにまずいか)」


慌てて手から滲み出る炎を使ってセバスの死体を焼き尽くした。





「怪しいと思ったら・・・何をやっとるんじゃ!こんなところで」

ノームが唯一気付き血と煙が舞う草原へと来た。


「な、何か?」

「その血は何じゃ!?」


確かに体中血しか付いていない。


「何から説明したものか・・・」

「人間は人間を殺しては駄目なのじゃろう?」

「塔に居た時お前のモンスターが俺達を思いっきり殺そうとしてたぞ」

「それは防衛を任せてたから仕方ないのじゃ。」

仕方ないのか。


「不可抗力。で、その血は何じゃ、まさかとは思うが罪のない人間を殺していたりはなかろうな?」


「俺は吸血鬼の依頼人が襲ってきたから殺しただけだ。」

不思議と人を殺すことに抵抗はなかった。

いや、元々何十回、何百回と殺された相手に同情も何も無いが。

「前屋根突き破って部屋に落ちただろ?その時この吸血鬼に殺されかけてたから脱出したんだ」

「前と竜の姿が代わっておるようじゃが?」

「その時手に入れた。」


変身を解いて見せる。

苦無で貫かれた跡がある。しっかりと貫かれている。

そう気付いた瞬間血が噴き出す。


「ちょっと待つのじゃ!話はまだ終わってない!」


「あれ・・・またこのパターン?」


ガクッ


この時見た夢は、真っ暗闇で何もない場所にただ一人ぽつんと立っている夢だった。

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